信じるは、偶像か意志か「……なんだ、ここは」
白いタイルが続き、薄暗い妙な通路。
いつの間にか見覚えのない場所に立っていたフェンリッヒは、怪訝そうに顔を顰めた。
(夢でも見ているのか…?……そういえば、ここに来る前、オレは何を…?)
記憶の全てがあやふや。
痛む頭を押さえて視線を前に向けると、そこには張り紙があった。
「『8番出口』…だと?」
紙に書いてあったのは、ここは『8番出口』と呼ばれる場所らしく、出るためには異変を感じた瞬間に引き返すこと。
そして8番出口に辿り着けた者だけが出られるらしい。
「くだらん…幻術の類か…?…どっちにしろ、進んでいくしかないのか」
幻術などへの耐性は、フェンリッヒは全くない。無理矢理破ることも出来ず、出るためには現状従って出るしかない。
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