itHayuRi
MOURNING夏の間に書きたかったけれどまとまらなかった三本『ベビードールとむーちん』
そのまんま、下品な色物です。pixivに置かせてもらっている芸能AUのss。OOCひどいですが、しっかり風信と慕情のつもりで書いています。本当に下品ですが、楽しく書いています。
・大好きな风情作品(上質なセンシティブ。素敵な风情)とネタ被りしている。
・芸能AUは一話一エロと決めているのにいたせなかった。
ベビードールとむーちん「馬鹿なのか?」
「お前がな」
思わずこぼれた呟きに、間髪入れず嫌味が被る。
噛みつく気力もなく、風信は衣装を広げて上から下までじっくり眺め、ぽいと放った。
「こんなもんを着て公衆の面前にたてって? クソだ。クソすぎる」
「罰ゲームというのはそういうものだろう。着たくないなら勝てばよかったんだ。わざと負けてやったくせに、文句をつけるな」
慕情は冷たく言い放って、ぎろ、と風信を睨みつける。
てきぱきと衣装を選ぶと、メイク用の鏡の方へと去っていった。
完全に、機嫌を損ねている。
それもそのはず。
コンサートの宣伝を兼ねて出演した深夜バラエティでのミニゲーム。時代劇に出演中の女優コンビとの、おもちゃの弓を使った射的対戦だった。
5379「お前がな」
思わずこぼれた呟きに、間髪入れず嫌味が被る。
噛みつく気力もなく、風信は衣装を広げて上から下までじっくり眺め、ぽいと放った。
「こんなもんを着て公衆の面前にたてって? クソだ。クソすぎる」
「罰ゲームというのはそういうものだろう。着たくないなら勝てばよかったんだ。わざと負けてやったくせに、文句をつけるな」
慕情は冷たく言い放って、ぎろ、と風信を睨みつける。
てきぱきと衣装を選ぶと、メイク用の鏡の方へと去っていった。
完全に、機嫌を損ねている。
それもそのはず。
コンサートの宣伝を兼ねて出演した深夜バラエティでのミニゲーム。時代劇に出演中の女優コンビとの、おもちゃの弓を使った射的対戦だった。
noa/ノア
DONE[FengQing✈] パイロットAU。春のフォンチン祭りのお題「日差し」(と「窓辺」)で書かせていただきました。まだ副操縦士のころの風信と慕情が日焼け止めを買いに行く話です。
自室の窓から差し込む陽の光。風信はぼんやりと窓の外に視線をやる。
いつもなら、休日ともなれば春の陽気に誘われるように特に用事がなくてもふらりと外に行くところだが、今年はそうはいかない。
目が上滑りするほど何度も読んだ資料に目を戻し、溜息をつく。
機長昇格訓練。
肩の線を一つ増やすそれが簡単なものだとは全く思っていなかったが、何か月もの期間、集中力と精神力を保つ大変さは半端ではない。
ここまで、座学やシュミレーター試験は順調にこなし、ついに終盤の実際のフライトでの訓練までたどりついた。だがすでに消耗してきた最後での、このステップはやはり楽ではない。
席が左側の機長席に変わるだけで、こうも勝手が違うものだとは。いつもは絶対にしないようなミスをしそうになりひやりとしたこともある。
3833いつもなら、休日ともなれば春の陽気に誘われるように特に用事がなくてもふらりと外に行くところだが、今年はそうはいかない。
目が上滑りするほど何度も読んだ資料に目を戻し、溜息をつく。
機長昇格訓練。
肩の線を一つ増やすそれが簡単なものだとは全く思っていなかったが、何か月もの期間、集中力と精神力を保つ大変さは半端ではない。
ここまで、座学やシュミレーター試験は順調にこなし、ついに終盤の実際のフライトでの訓練までたどりついた。だがすでに消耗してきた最後での、このステップはやはり楽ではない。
席が左側の機長席に変わるだけで、こうも勝手が違うものだとは。いつもは絶対にしないようなミスをしそうになりひやりとしたこともある。
noa/ノア
DONE[FengQing] 春のフォンチン祭りの企画のお題「花」で書かせていただきました。※慕情をいじめる仙楽モブがいます
春の訪れを告げる黄色い花。
迎春花と呼ばれるその眩い黄色に、大抵の人は冬の終わりと春の予感を感じて胸を躍らせる。
だが、風信は違った。
八百年、毎年その木が花をつけるたびに蘇る苦い記憶と後悔──まるで、永遠に解けぬ呪いのように、その花は風信の胸に暗い影を落とした。
仙楽国の華やかなりし頃。
皇極観にもその木は植わっており、春を待つ人々の表情をほころばせていた。
花やら美やらには疎い風信も、黄色い花をいっぱいにつけるその木に、思わず足を止めた。手を伸ばし、手近な枝からそっと花を折り取る。そのまま歩きながらくるくると手の中の花を眺めた。
綺麗だな。素直にそんな感想が浮かぶ。黄色は嫌いじゃない。
だが一通り眺めたところで、ふと思った。
3537迎春花と呼ばれるその眩い黄色に、大抵の人は冬の終わりと春の予感を感じて胸を躍らせる。
だが、風信は違った。
八百年、毎年その木が花をつけるたびに蘇る苦い記憶と後悔──まるで、永遠に解けぬ呪いのように、その花は風信の胸に暗い影を落とした。
仙楽国の華やかなりし頃。
皇極観にもその木は植わっており、春を待つ人々の表情をほころばせていた。
花やら美やらには疎い風信も、黄色い花をいっぱいにつけるその木に、思わず足を止めた。手を伸ばし、手近な枝からそっと花を折り取る。そのまま歩きながらくるくると手の中の花を眺めた。
綺麗だな。素直にそんな感想が浮かぶ。黄色は嫌いじゃない。
だが一通り眺めたところで、ふと思った。