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DONEチョコレイトとぼくたちのレシピ ぼくはね、と王子は紙袋の中身をテーブルの上に広げながら、しみじみと告げた。
防衛任務を終えて、作戦室には王子と蔵内のふたりの姿しかない。
「以前から思ってたんだけど、特別な日だということについては異論はないけれど、一年に一度のチャンスだということには異議ありって」
「ん?」
こちらも色とりどりの包装に包まれたひとつひとつにつけた付箋を確かめながら取り出していた蔵内は、含みのある物言いに少しばかり首を傾げて王子の言葉を脳内で繰り返す。と、自然にメロディーがそのフレーズに伴う。それはいままさに王子と共にテーブルの上に開陳されつつある、二月のスイーツ売上トップに君臨する甘いものに関する歌だ。
8176防衛任務を終えて、作戦室には王子と蔵内のふたりの姿しかない。
「以前から思ってたんだけど、特別な日だということについては異論はないけれど、一年に一度のチャンスだということには異議ありって」
「ん?」
こちらも色とりどりの包装に包まれたひとつひとつにつけた付箋を確かめながら取り出していた蔵内は、含みのある物言いに少しばかり首を傾げて王子の言葉を脳内で繰り返す。と、自然にメロディーがそのフレーズに伴う。それはいままさに王子と共にテーブルの上に開陳されつつある、二月のスイーツ売上トップに君臨する甘いものに関する歌だ。