aoritoiki
PROGRESS今のところは柴チヒ。どこまで書くか分からんが、とりあえず切りのいいところまで書いたからポイってしていく。ものの獣化どんとこいな方のみどうぞ。まだ途中なので、変なところあってもお見逃しください…。まどろみちりんと、軽やかな音が鳴る。
首元に下げた鈴を揺らしながら、それは匂いのところまで駆けていく。角を曲がると見えた飼い主の足に擦り寄る。
「こら、危ないぞ」
穏やかな声で窘められる。ジュージューと何かを焼く音と、香ばしい香りが辺りに広がり、それはスンと鼻を鳴らした。主の足の周りをくるりと回り、スウェットに柔く爪を立ててじゃれつく。
「もう終わるから、待てって」
足が何度も行き来するのをそれが眺めていると、しばらくして体を抱き上げられる。
「お待たせ、淵天」
頭を撫でる温かな手。淵天は喉を鳴らし、その手に身を任せた。
「おっ、朝飯か」
朝から元気な声を出して、大柄な男が入ってくる。
「父さん、おはよう」
「おはよう、チヒロ。いつもありがとうな」
3549首元に下げた鈴を揺らしながら、それは匂いのところまで駆けていく。角を曲がると見えた飼い主の足に擦り寄る。
「こら、危ないぞ」
穏やかな声で窘められる。ジュージューと何かを焼く音と、香ばしい香りが辺りに広がり、それはスンと鼻を鳴らした。主の足の周りをくるりと回り、スウェットに柔く爪を立ててじゃれつく。
「もう終わるから、待てって」
足が何度も行き来するのをそれが眺めていると、しばらくして体を抱き上げられる。
「お待たせ、淵天」
頭を撫でる温かな手。淵天は喉を鳴らし、その手に身を任せた。
「おっ、朝飯か」
朝から元気な声を出して、大柄な男が入ってくる。
「父さん、おはよう」
「おはよう、チヒロ。いつもありがとうな」
John
SPUR MEサチマル続編シリーズです。シリーズも変えようと思ったのですが、ウォッチリストに入れてくださってる皆様にも読み続けて欲しいな〜と私も願いを込めてこのままで。
サッチ25歳×マルコ45歳(予定)
余談ですがこの三連休中、空前絶後の体調不良に振り回されましたが最終日に力を出し切りました。書いてて楽しすぎてハイになったのでメンタル面は健康健康!!
輝いて、一番星 今、おれは真夜中の窓辺でこの日記を書いている。
部屋の時計は、チクタク。
身体は疲れ切っててクタクタ。
それでも眠るには目が冴えて仕方がない。窓外からは穏やかな波の音がしている、これならあと数分もしたら健やかに眠れてる気もする。本当は今までも船暮らしだったのだから、特殊な環境にある訳じゃないだろう。だとしたら、心が落ち着かないのが理由じゃなくて今までは皆のイビキがすごくて眠れなかったのかも、だ。
─── ほんと、コイツ寝息がほとんどしねェから心配にもなるよな〜…。
そっと二階建てベッドを覗き込めば、多少胸を上下させている姿がある。うん、いつ見てもこの髪型は面白い。刈り上げてるのかな、とかマジマジ流石に観察したこともあったけれど、どうやら昔からそうらしい。パイナップルが化けて出たっておれの感想は極々自然だ。綺麗な金髪だなぁ、なんて思ったり。船長さんも綺麗な長髪だ、マルコのと違って波打ってるあの髪───、ヌードルだよなぁ。うん、早く厨房で色々と使える人間になりたい。一度浮かんじまうと頭から離れねェもん。
10453部屋の時計は、チクタク。
身体は疲れ切っててクタクタ。
それでも眠るには目が冴えて仕方がない。窓外からは穏やかな波の音がしている、これならあと数分もしたら健やかに眠れてる気もする。本当は今までも船暮らしだったのだから、特殊な環境にある訳じゃないだろう。だとしたら、心が落ち着かないのが理由じゃなくて今までは皆のイビキがすごくて眠れなかったのかも、だ。
─── ほんと、コイツ寝息がほとんどしねェから心配にもなるよな〜…。
そっと二階建てベッドを覗き込めば、多少胸を上下させている姿がある。うん、いつ見てもこの髪型は面白い。刈り上げてるのかな、とかマジマジ流石に観察したこともあったけれど、どうやら昔からそうらしい。パイナップルが化けて出たっておれの感想は極々自然だ。綺麗な金髪だなぁ、なんて思ったり。船長さんも綺麗な長髪だ、マルコのと違って波打ってるあの髪───、ヌードルだよなぁ。うん、早く厨房で色々と使える人間になりたい。一度浮かんじまうと頭から離れねェもん。
ゆい@KmidoRii2
DONE【サイカイ。】※兎赤11/2開催の不穏の祭典2024にて展示した作品です!
木兎さんを助けて事故に遭ってしまった赤葦くん。目を覚ますとあれから10年が経っていて…というSF(少し不思議)系な兎赤。
イベントのテーマ通り、不穏な話ですのでご注意下さい! 18
suzunone_hikari
DONE【腐向け】ハロウィンセツエド(デフォルメVer.)
コレ→(https://poipiku.com/1344372/10942479.html)のデフォルメVer.です。
ユキまるのなんでも置き場
PROGRESSパルクールホラゲのヘンリーさんの普通のバニーファンアートと普通にウォーたんの線画(๑⁍᷄ω⁍᷅๑)︎💕チンチラちゃんが可愛いからモッコリが気にならないよねゲス(´๏౪๏`)♥←
一応、ワンクッションねズイ(ง ˘ω˘ )วズイ 2
John
SPUR MEサチマル続きました。次回より続編シリーズスタートです。
Colorless Earth 大勢が船縁を叩き、靴の踵を思い思いに鳴らして焚き付ける。
手拍子は不規則で拍子なんてものはあってないものだから、それが逆に乱れる心臓の音が何かの様だった。飛ぶ野次の中に、止める言葉が一切ないうえに、どちらに賭けるか海の上では使いようがないのは確かだが、右に左にどちらの勝利に賭けるかベリー札を握り締め口々に声を張り上げる野太さに、ビアンカはパイロットケースを両手に抱き締めて右往左往を繰り返す。
「誰か、サッチの野郎に賭けてやれよ!アイツがカワイソウだろうが!!」
「マルコが相手じゃ、まず無理だね。おれも勝ちはマルコに」
「賭けになんね〜〜おい、一対一じゃなくてタッグを組めよ!!ビスタがサッチに着いてやれよ!」
10590手拍子は不規則で拍子なんてものはあってないものだから、それが逆に乱れる心臓の音が何かの様だった。飛ぶ野次の中に、止める言葉が一切ないうえに、どちらに賭けるか海の上では使いようがないのは確かだが、右に左にどちらの勝利に賭けるかベリー札を握り締め口々に声を張り上げる野太さに、ビアンカはパイロットケースを両手に抱き締めて右往左往を繰り返す。
「誰か、サッチの野郎に賭けてやれよ!アイツがカワイソウだろうが!!」
「マルコが相手じゃ、まず無理だね。おれも勝ちはマルコに」
「賭けになんね〜〜おい、一対一じゃなくてタッグを組めよ!!ビスタがサッチに着いてやれよ!」
マリィ(鞠井)
DOODLEもうハロウィンまでに思い浮かびそうにないからこれで勘弁。!!スランプ気味やから色々練習〜~。
①耳と尻尾つけただけのハロウィン代わりの平新。
②新ちゃんいろいろ。
③子供の描き方分からんから練習がてらたまには平コ。
④いつ描いたか分からん平コ。
⑤いつ描いたか分からん新ちゃん。 5
ないぐ
PROGRESSファーベリ「ウィークエンド/ワールドエンド」プロローグ部分ウィークエンド/ワールドエンド(ファーベリ) プロローグ 週末の雨の下で
ガタンゴトン。電車の揺れる音が響く車両の中は、静かだった。ローカル線の、終着駅ふきんを走る4両編成の一番手前。休日の昼間にもかかわらず、乗客は数える程しか居ない。路線のもっと中ほどの、人の多い便利な街の駅で、みな降りてしまった。山を越えて県境まで届く終点に、週末のこんなにも明るい時間から、用のある人間はほとんど居ないのだろう。
電車の窓に、ポツリと水滴があたった。ポツポツと、雲に陰った空から雨が降ってくる。無人の座席に立てかけられた『傘』は、車両の中から雨の気配を察して、傘である自分を忘れて一人駅を降りた主人に思いを馳せた。
――雨が降ってきてしまったわ。私を電車(ここ)に置き忘れてしまったから、今頃ご主人さまは、雨に濡れてしまっているでしょう。
8866ガタンゴトン。電車の揺れる音が響く車両の中は、静かだった。ローカル線の、終着駅ふきんを走る4両編成の一番手前。休日の昼間にもかかわらず、乗客は数える程しか居ない。路線のもっと中ほどの、人の多い便利な街の駅で、みな降りてしまった。山を越えて県境まで届く終点に、週末のこんなにも明るい時間から、用のある人間はほとんど居ないのだろう。
電車の窓に、ポツリと水滴があたった。ポツポツと、雲に陰った空から雨が降ってくる。無人の座席に立てかけられた『傘』は、車両の中から雨の気配を察して、傘である自分を忘れて一人駅を降りた主人に思いを馳せた。
――雨が降ってきてしまったわ。私を電車(ここ)に置き忘れてしまったから、今頃ご主人さまは、雨に濡れてしまっているでしょう。
ないぐ
PASTBLAZBLUE ハザマ×ジン アンソロジー「煉獄氷夜」寄稿小説。2016年2月発行SWEET MEMORIES ~美味しい記憶~(ハザジン)「キサラギ少佐!」
涼やかな声に呼び止められ、ジンは扉に手をかけたまま足を止めて振り向いた。大量の贈り物が所狭しと置かれたせいで何時もより雑然とした執務室の中、赤い髪の秘書官が、慌てたように自分の席を立って小走りに駆け寄って来る。
「あ、あの。すみません、お帰りのところを…。なかなかお渡しするタイミングが見つからなくて。これ、お誕生日プレゼントなんですけど、良かったらジン兄様にって…」
言葉を捜しながらおずおずと差し出された紙袋を、ジンは温度の無い緑の瞳で見下ろした。袋の口から、華やかにラッピングされたプレゼントの包みが覗いている。有名な高級菓子店のロゴには見覚えがあった。毎年、妹分であり現在は己の秘書でもある目の前の少女、ツバキが、誕生日に贈って寄越すチョコレートだろう。
12781涼やかな声に呼び止められ、ジンは扉に手をかけたまま足を止めて振り向いた。大量の贈り物が所狭しと置かれたせいで何時もより雑然とした執務室の中、赤い髪の秘書官が、慌てたように自分の席を立って小走りに駆け寄って来る。
「あ、あの。すみません、お帰りのところを…。なかなかお渡しするタイミングが見つからなくて。これ、お誕生日プレゼントなんですけど、良かったらジン兄様にって…」
言葉を捜しながらおずおずと差し出された紙袋を、ジンは温度の無い緑の瞳で見下ろした。袋の口から、華やかにラッピングされたプレゼントの包みが覗いている。有名な高級菓子店のロゴには見覚えがあった。毎年、妹分であり現在は己の秘書でもある目の前の少女、ツバキが、誕生日に贈って寄越すチョコレートだろう。
aoritoiki
PROGRESS柴チヒと統チヒになる予定だけどまだ統のとの字も出てこない途中経過。花吐き病と陰間茶屋の話を書きたくなって、合体させました。そしたら陰間茶屋の知識なさすぎて調べてもよく分かんなくて、ちょっと自棄になって途中経過上げます。そしてやっぱり関西弁もわからないよ柴さん…。あ、名前の呼び方とか髪型とかちょっと原作から話に合わせて変えてます。
あだ花ひとつ、またひとつと花が咲く。
ぽとり、ぽとりと花が落ちる。
花弁のような紫色の花心を持つ白い花。
緩やかな曲線を描いて広がる紫の花。
光を奪ったように黒く、だが仄かに混じる紅色が艶やかな花。
風がそよぎ、花弁が散ってゆく。
ああ、なんて――
芝居小屋で賑わう大通りから少し離れた奥まった場所に、その茶屋はあった。
立派な門構えのその建物は、料亭のような風格ある佇まいをしていた。事実、腕のある料理人を抱え、料理の提供も行っていたが、その店を訪れる客の大半の目当ては美食に舌鼓を打つことではない。格子門戸を潜り、土間を上がった先にある一階には、大小様々な座敷が設けられていた。客を通す部屋は、それぞれの会話や音が漏れないよう、厚い壁やいくつもの襖で隔てられている。客同士が顔を合わせることのないよう行き来にも配慮がなされ、そこでのひとときを内密に過ごせるようにと徹底されていた。二階の窓は千本格子となっており、窓際から誰かが外を覗き見ても、外から中の様子を窺うことは出来ない作りになっている。
7102ぽとり、ぽとりと花が落ちる。
花弁のような紫色の花心を持つ白い花。
緩やかな曲線を描いて広がる紫の花。
光を奪ったように黒く、だが仄かに混じる紅色が艶やかな花。
風がそよぎ、花弁が散ってゆく。
ああ、なんて――
芝居小屋で賑わう大通りから少し離れた奥まった場所に、その茶屋はあった。
立派な門構えのその建物は、料亭のような風格ある佇まいをしていた。事実、腕のある料理人を抱え、料理の提供も行っていたが、その店を訪れる客の大半の目当ては美食に舌鼓を打つことではない。格子門戸を潜り、土間を上がった先にある一階には、大小様々な座敷が設けられていた。客を通す部屋は、それぞれの会話や音が漏れないよう、厚い壁やいくつもの襖で隔てられている。客同士が顔を合わせることのないよう行き来にも配慮がなされ、そこでのひとときを内密に過ごせるようにと徹底されていた。二階の窓は千本格子となっており、窓際から誰かが外を覗き見ても、外から中の様子を窺うことは出来ない作りになっている。
ないぐ
PASTBLAZBLUE ハザマ×ジン 2016年2月開催ジン受オンリーイベント「煉獄氷夜」にて発行した無料配布ペーパーの小話です。ペーパー用小話(ハザジン)「キセキって、どんな確率から『奇跡』って言うんでしょう?」
「はぁ?」
ぶっきらぼうに差し出されたチョコレートを前にして、真顔でそんな返事を返してきた相手に、ジンは思わず眉をひそめた。何を言っているんだコイツは。胡乱な視線を投げかければ、いつもニコニコ、うさんくさいまでに笑みを絶やさないハザマがひどく真剣な顔で見返してくる。表情の消えた顔には、常に纏っているゆるい雰囲気など何処にも無い。長めの前髪に隠れがちな金色の瞳が刃物のように鋭く輝き、整った顔立ちと相まって、いっそ人外じみた凄みを感じる。コイツこんな顔してたのか、とジンは内心でやや引き気味に息を呑んだ。気の弱い某金髪の秘書なんかが見れば、涙目で逃げ出しそうなご面相である。
1008「はぁ?」
ぶっきらぼうに差し出されたチョコレートを前にして、真顔でそんな返事を返してきた相手に、ジンは思わず眉をひそめた。何を言っているんだコイツは。胡乱な視線を投げかければ、いつもニコニコ、うさんくさいまでに笑みを絶やさないハザマがひどく真剣な顔で見返してくる。表情の消えた顔には、常に纏っているゆるい雰囲気など何処にも無い。長めの前髪に隠れがちな金色の瞳が刃物のように鋭く輝き、整った顔立ちと相まって、いっそ人外じみた凄みを感じる。コイツこんな顔してたのか、とジンは内心でやや引き気味に息を呑んだ。気の弱い某金髪の秘書なんかが見れば、涙目で逃げ出しそうなご面相である。
shiro53gi
DOODLE力作がデータ破損して、心折れて、腹癒せに描いた創作。熱中症をゆっくり言って!なんてよくあるネタだけど、いくつあってもいいじゃない。
なんか髪がフワフワしてるほうがロジストさんです。よろしくね。二人とも人外だよ。 7
John
SPUR MEサチマル続きました。Q.サチマルなのに肝心の二人よりサブキャラ(オリジナル)が多くないですか。
A.仕様です。
Blind Black目を瞑って、暗闇
わたしの名前は、ビアンカ。
母国の言葉で白を表す私だけれど、その名前に特に思い入れはない。白って言うより、無色透明、本当にそんな感じだ。生い立ちの話をすると、少し長くなるし誰かに話すべき話でもない。
悪魔の実を食べてしまったせいで、人生がこんがらがったり逆転して幸せを掴んだり、目玉が飛び出る価値で取引される貴重な実を奪う為に、殺されてしまったり───、名前の通り"悪魔の実"は悪魔を生み出す実に違いない。
さてさて、本当にたまたま偶然食べてしまった私はどっちだったかって?
ジャミジャミの実、それが私がひもじくて齧ってしまった果実の名前だ。果実だったのかすら危うい、なんて表現したら良いのか腐った牛乳を拭いた雑巾を更に三日干さずに放置していた味が正しい。悪魔も食べられたくないから、あんな奇妙な見た目で白目を剥くような味なんだろうけれど、餓死寸前の人間の貪欲さの方がそれを上回っていたってことになる。
10712わたしの名前は、ビアンカ。
母国の言葉で白を表す私だけれど、その名前に特に思い入れはない。白って言うより、無色透明、本当にそんな感じだ。生い立ちの話をすると、少し長くなるし誰かに話すべき話でもない。
悪魔の実を食べてしまったせいで、人生がこんがらがったり逆転して幸せを掴んだり、目玉が飛び出る価値で取引される貴重な実を奪う為に、殺されてしまったり───、名前の通り"悪魔の実"は悪魔を生み出す実に違いない。
さてさて、本当にたまたま偶然食べてしまった私はどっちだったかって?
ジャミジャミの実、それが私がひもじくて齧ってしまった果実の名前だ。果実だったのかすら危うい、なんて表現したら良いのか腐った牛乳を拭いた雑巾を更に三日干さずに放置していた味が正しい。悪魔も食べられたくないから、あんな奇妙な見た目で白目を剥くような味なんだろうけれど、餓死寸前の人間の貪欲さの方がそれを上回っていたってことになる。