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    #アンジェリーク

    angelique

    百合菜

    DONEアンジェリーク・ジュリリモ
    「ふたりで掴む未来」

    女王候補生のアンジェリークが日々訪れるのは首座の守護聖・ジュリアス様の執務室。
    次第に距離を縮めるふたりだが、ふたりには乗り越えるべき問題がいくつかあり……

    2020年ジュリアス様誕生日創作。

    ※再録です
    「アンジェリーク、今日もジュリアス様のところに行かれるの?」

    飛空都市にきて早くも五十日以上のときが流れていた。
    自室から守護聖たちのいる館に向かうべく歩いていたアンジェリークに話しかけてきたのは同じ女王候補のロザリア。

    「あんたも物好きよね。あのジュリアス様のところに毎日通うなんて」

    あきれ果てたように話すロザリアを見てアンジェリークは気がつく。
    女王試験がはじまった頃は苦手で、話しかけるのはこわいとすら感じていたジュリアス様。それがいつしか毎日会いにいき、ときには私的なことを話すようになった。そして、その時間が自分にとって女王試験の間の大切なひとときになっていることも。
    そんな自分に気がつきつつも、心の中でひとつの疑問が生じる。

    「ロザリアの方がジュリアス様とお似合いの感じがするのに……」

    いわゆる「普通の家庭」で生まれ育った自分とは違い、ロザリアは貴族のお嬢様。
    立ち振舞いも教養も逆立ちしても勝てっこない。だからこそ、ジュリアス様の隣に立ってふさわしいのは自分ではなくロザリアだと思っている。
    それは女王としても、私的な関係としても。
    しかし、ロザリアはジュリアスに関心が 6839

    百合菜

    DONEアンジェリーク・ジュリリモ
    「抑えていた想いは宇宙の危機を招き」

    ジュリアスのもとに入ってきた報告、それは「女王陛下が倒れた」というものだった。
    女王候補生時代、互いに好意を持っている自覚はあった。そして、お互い、宇宙を優先するがゆえ、その想いは殺した。
    しかし、それがあだとなり!?

    ※再録です


    「陛下の様子はどうだ」

    ドアを開けると同時に光の守護聖・ジュリアスはベッドの横にいるロザリアに尋ねる。

    「特に異常はありませんわ」
    「そうか」

    そう言いながらジュリアスはベッドに視線を向ける。
    ベッドには女王であるアンジェリークが瞼を閉じて眠りについている。
    ジュリアスがその知らせを受けたのは3日前のことであった。
    いつものように執務室でオスカーと打ち合わせをしていると、慌てた様子で使いのものがやってきた。

    「光の守護聖・ジュリアス様、大変です。陛下のご様子が!!」

    聞くところによると、執務の最中にアンジェリークは意識を失ったらしい。
    急遽、医者の診察を受けたが、特に異常は見当たらないとのこと。
    「もしかすると、何かを拒絶している可能性もないでしょうか」
    医者のその言葉が気になりつつも、特に大きく容態が変化することもなく、3日が過ぎていった。
    いつも見せる碧の瞳。
    それが瞼の下に隠されていることにジュリアスは心当たりがある。
    だからこそ、この状況が歯がゆい。

    「ロザリア、そなたも看病に疲れているであろう。ここは私が見ているから、少し休むといい」
    「よろしいのですか?」 7657