剣 隼兎
DOODLEエミリーとマリーのティータイムにやってくる女の子達のお話。みんなみんな、自分にないものが羨ましい。
デミはお姉さんキャラだけど実は22歳で、公式で少女扱いのエマとトレイシーと歳変わらないんだよなあ、と思ったことから書きました。
デミちゃんもエマもトレイシーも女の子!
あおいのは?ズズズとストローでジュースを啜るデミは、ぼんやりと花壇に顔を向けている。
肘をついてそんなことをしているので、マナーは悪い。が、指摘する人間は誰もいなかった。しても無駄な事を分かっているからだ。
向かいに座るエミリーは、頬に手を当てて溜息を零す。
「もう、お酒はほどほどにって言ってるのに」
「休肝日はちゃんと守ってる……」
「だからって浴びるほど飲んでいい訳じゃないのよ?」
「まるで陽を浴びた吸血鬼の様ね」
二日酔いのデミを見やり、マリーが楽しげに笑う。
庭に植えられた花々を一望出来る、少しだけ高く作られた白の東屋。そこの円卓でティータイムをするのが女王様のお気に入りの時間だ。一人の時もあれば、勝手に来るもの、招かれるものがいたりとその日その日で雰囲気が違う。それがまた楽しい。
7038肘をついてそんなことをしているので、マナーは悪い。が、指摘する人間は誰もいなかった。しても無駄な事を分かっているからだ。
向かいに座るエミリーは、頬に手を当てて溜息を零す。
「もう、お酒はほどほどにって言ってるのに」
「休肝日はちゃんと守ってる……」
「だからって浴びるほど飲んでいい訳じゃないのよ?」
「まるで陽を浴びた吸血鬼の様ね」
二日酔いのデミを見やり、マリーが楽しげに笑う。
庭に植えられた花々を一望出来る、少しだけ高く作られた白の東屋。そこの円卓でティータイムをするのが女王様のお気に入りの時間だ。一人の時もあれば、勝手に来るもの、招かれるものがいたりとその日その日で雰囲気が違う。それがまた楽しい。
剣 隼兎
DOODLEカードゲームで負けたエミリーは罰ゲームで面白い話を披露することに。穏やかな笑みの、白衣の天使が語るお話は?
「よく男の子に間違われる」と公式イベントでトレイシーが発言した時から、ずっとしていた妄想です。
多分、傭兵とオフェンスは気づかないだろうなーと。
笑顔は素敵だが「はい、エミリー先生の負けー」
勝敗のついたトランプを頭上にばら撒いて、マイクが高らかに宣言する。マイクのその嬉しそうな声に、エミリーは穏やかな声でふふと笑う。
「あら、記憶力ならバルサーさんには勝てると思っていたのだけど」
「流石の私も今見たカードくらいは覚えているよ」
自分のトランプを纏めて、ルカが苦笑する。まさかチェスから神経衰弱をすることになるとは思っていなかったのだが、なかなか白熱したように思う。
最初はエミリーとルカでチェスをしていたのだけれど、そこに暇を持て余したマイクが混ぜてとやって来た。
複数人でやるならトランプか、ならばもう一人と捕まったのが通りがかったアンドルーだ。そしてどうせなら運が絡まない遊びがいいとなり、神経衰弱をやることになった。
5068勝敗のついたトランプを頭上にばら撒いて、マイクが高らかに宣言する。マイクのその嬉しそうな声に、エミリーは穏やかな声でふふと笑う。
「あら、記憶力ならバルサーさんには勝てると思っていたのだけど」
「流石の私も今見たカードくらいは覚えているよ」
自分のトランプを纏めて、ルカが苦笑する。まさかチェスから神経衰弱をすることになるとは思っていなかったのだが、なかなか白熱したように思う。
最初はエミリーとルカでチェスをしていたのだけれど、そこに暇を持て余したマイクが混ぜてとやって来た。
複数人でやるならトランプか、ならばもう一人と捕まったのが通りがかったアンドルーだ。そしてどうせなら運が絡まない遊びがいいとなり、神経衰弱をやることになった。
剣 隼兎
PAST酒盛りの席で、ナワーブの深酒を止めたいトレイシーが取った行動とは?景品持ってくな質のいい酒のお陰か、ナワーブはとても愉快な気分だった。
扉の影からひょこりと出てきた金の頭を見ても、くくくと笑いが漏れて、楽しくなってしまう。
「おや、トレイシーじゃないか」
「なんか賑やかだなーって」
ホセに手招きされ、とことこと室内に入ってきたトレイシーは寝るつもりだったのか、ノースリーブに短パンという出立ちだ。
トレイシーは厨房に用があったのだが、談話室から聞こえる声に室内を覗いてみれば、男三人で酒盛り中だったわけだ。
ずっとくつくつと笑い転げているナワーブに首を傾げながら、トレイシーはホセの向かいに腰を下ろした。
「なんか、珍しいメンバーだね」
「ああ、そうかもしれない。だが主催者を聞いたらもっと意外と思う筈だ」
5979扉の影からひょこりと出てきた金の頭を見ても、くくくと笑いが漏れて、楽しくなってしまう。
「おや、トレイシーじゃないか」
「なんか賑やかだなーって」
ホセに手招きされ、とことこと室内に入ってきたトレイシーは寝るつもりだったのか、ノースリーブに短パンという出立ちだ。
トレイシーは厨房に用があったのだが、談話室から聞こえる声に室内を覗いてみれば、男三人で酒盛り中だったわけだ。
ずっとくつくつと笑い転げているナワーブに首を傾げながら、トレイシーはホセの向かいに腰を下ろした。
「なんか、珍しいメンバーだね」
「ああ、そうかもしれない。だが主催者を聞いたらもっと意外と思う筈だ」
剣 隼兎
PAST機械技師の真髄25「帰還者」可愛い過ぎる!キービジュアル発表の時は別人に見えて「んえ!?」と。みんなが分からなくても、きっとナワーブなら「どっからどう見てもあいつだろ」と平然と答えそうだなという妄想より。
新衣装を見て貰いたいトレイシーと、本音を言わないナワーブがくっつくまでのお話です。
今じゃないだろ階段の踊り場に立つ人物に気付いて、エマはぱちくりと目を瞬いた。赤と黒のドレスに、結い上げられた月白色の髪、冠を被った瑠璃色の瞳のその人は、じっとこちらを無表情に見下ろしている。
エマに倣って階段上を見上げたマーサがひそりと囁く。
「エマ、知ってる人?」
「う、ううん。分からないの」
仲間が増えるとは聞いてない。ハンターは新しい人が来るけど、男の人だった筈。踊り場の人物は、多分サバイバーの筈だ。短剣を腰に下げているけれど、その筈。
エマとマーサが見上げる先で、女性はゆったりとした動作で階段を降りてくる。さらさらと衣擦れの音をさせ、目の前まで降りてきた人物に、二人は既視感を覚える。でも近くで見ても、やはり誰かは分からない。
36943エマに倣って階段上を見上げたマーサがひそりと囁く。
「エマ、知ってる人?」
「う、ううん。分からないの」
仲間が増えるとは聞いてない。ハンターは新しい人が来るけど、男の人だった筈。踊り場の人物は、多分サバイバーの筈だ。短剣を腰に下げているけれど、その筈。
エマとマーサが見上げる先で、女性はゆったりとした動作で階段を降りてくる。さらさらと衣擦れの音をさせ、目の前まで降りてきた人物に、二人は既視感を覚える。でも近くで見ても、やはり誰かは分からない。
剣 隼兎
PAST初対面からとにかく積極的なルカと、押され気味だけど絶対に主導権は渡したくないトレイシーの話。ルカトレを書く上で囚人のキャラ解釈が最難関だったわけですが、「元々のレベルを上回る従順さと利他性を見せた」という内容から此奴、もしやものすんごい猫被りなのでは??と思い捏造に走りました。趣味全開です。
犬って被るものだっけ?両手を広げて見せると、相手はビクリと肩を震わせる。
まだ慣れてくれない、その初々しい反応に笑ってしまう。
「………………」
「………………」
急かすことはしない。
手を差し出したまま、相手が動くのをじっと待つ。
悪足掻きのつもりなのか、きょろきょろと辺りを見回す。そして、誰もいない事に観念した彼女はそろそろと歩み寄ってくる。
ちょん、と広げた手に乗せられた指先。それを握り込んで、強引でない程度の力で腕を引き寄せる。
よたよたと近寄ってきた体を膝に座らせれば、最後の抵抗とばかりに胸を押される。
「トレイシー」
「…………」
咎める様に名を呼べば、むすりとした顔でそっぽを向く。
けれど白い頬が薄紅色に染まっている。
表情は取り繕えても、その色は隠せない。
73833まだ慣れてくれない、その初々しい反応に笑ってしまう。
「………………」
「………………」
急かすことはしない。
手を差し出したまま、相手が動くのをじっと待つ。
悪足掻きのつもりなのか、きょろきょろと辺りを見回す。そして、誰もいない事に観念した彼女はそろそろと歩み寄ってくる。
ちょん、と広げた手に乗せられた指先。それを握り込んで、強引でない程度の力で腕を引き寄せる。
よたよたと近寄ってきた体を膝に座らせれば、最後の抵抗とばかりに胸を押される。
「トレイシー」
「…………」
咎める様に名を呼べば、むすりとした顔でそっぽを向く。
けれど白い頬が薄紅色に染まっている。
表情は取り繕えても、その色は隠せない。