祠崎 蒼
DONE贈り伝える日/左右なしサイとテリ大遅刻バレンタイン&今日のネタ。サ先生に呼び出されたテリが贈り物を貰う話。
要素は極薄で左右概念も無いですがCPとして書いたものなので、サイテリ・テリサイ・同軸などお好きなものでお読みいただけたらと思います。 16
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TRAININGテリオンがPTメンバー全員に可愛がられています。サイテリは最後にちょっとだけ。
かわいいひと最初に誰が言い出したのか。思い返す程に主に心当たりの無いその声は、もしかしたらその場にいた者全員に何者かが干渉して共有された思念だったのかもしれない。
「テリオンって、可愛いよね?」
「だよなあ!?」
気持ちよく酒が回って卓に頬を乗せていた薬師が、がばりと起き上がって大きく同意を示した。
「いやもちろん年上だってわかってっし?戦ってる時なんてらすげえカッコいい〜って思うんだけどよお。なんだろうな、ずっと絡み辛えと思ってたけどよっく見るとちゃんと仕草や癖で感情表現してるって気付けた時とか自分から怪我の手当て受けに来てくれるようになった時とか嬉しくてさあ、可愛いな〜って思っちまうんだよなあ」
身体がちっこいのもあるだろうけどなー、と頭を掻くアーフェンの顔が赤いのは恐らくきっと酒のせいなのだろう。
2135「テリオンって、可愛いよね?」
「だよなあ!?」
気持ちよく酒が回って卓に頬を乗せていた薬師が、がばりと起き上がって大きく同意を示した。
「いやもちろん年上だってわかってっし?戦ってる時なんてらすげえカッコいい〜って思うんだけどよお。なんだろうな、ずっと絡み辛えと思ってたけどよっく見るとちゃんと仕草や癖で感情表現してるって気付けた時とか自分から怪我の手当て受けに来てくれるようになった時とか嬉しくてさあ、可愛いな〜って思っちまうんだよなあ」
身体がちっこいのもあるだろうけどなー、と頭を掻くアーフェンの顔が赤いのは恐らくきっと酒のせいなのだろう。
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REHABILI現代転生パロのサイラス×子テリ。リハビリ小説裸足と寝不足先生は時々知らない言葉で誰かとお話をしている。
─ピッ
「お待たせテリオン。すまなかったね」
今しがたまで通話していた端末をダイニングテーブルに置き、テリオンのいるソファの隣に座り直したサイラスの口から発せられるのはいつもの優しい言葉だ。先程まで電話の相手と知らない外国の言葉で話していたものとは違う、聞き慣れたイントネーションの落ち着いた声はテリオンに安心感をもたらした。
「ううん、おしごとのお話?」
「ああ、今度外国のお客さんと会う事になってね。彼らはこちらの言葉がわからないから、私が同行する事になったんだ。もう話は終わったから大丈夫だよ。さて、何ページからだったかな」
長い指がノートの文字列をなぞっていくのを先回りして、先程取り組んでいた問題を小さな指が指し示すと、そうだったねと微笑んだサイラスがペンを走らせながら改めて説明をしてくれた。一人でも解ける宿題だけれど、サイラスと一緒に取り組むと不思議と理解が深まるし、時折混じる蘊蓄もちゃんとテリオンにわかるよう優しい言葉を使ってくれるから面白い。始まると長いけれど、テリオンが寝る時間には必ず終わるようにしてくれる。
2095─ピッ
「お待たせテリオン。すまなかったね」
今しがたまで通話していた端末をダイニングテーブルに置き、テリオンのいるソファの隣に座り直したサイラスの口から発せられるのはいつもの優しい言葉だ。先程まで電話の相手と知らない外国の言葉で話していたものとは違う、聞き慣れたイントネーションの落ち着いた声はテリオンに安心感をもたらした。
「ううん、おしごとのお話?」
「ああ、今度外国のお客さんと会う事になってね。彼らはこちらの言葉がわからないから、私が同行する事になったんだ。もう話は終わったから大丈夫だよ。さて、何ページからだったかな」
長い指がノートの文字列をなぞっていくのを先回りして、先程取り組んでいた問題を小さな指が指し示すと、そうだったねと微笑んだサイラスがペンを走らせながら改めて説明をしてくれた。一人でも解ける宿題だけれど、サイラスと一緒に取り組むと不思議と理解が深まるし、時折混じる蘊蓄もちゃんとテリオンにわかるよう優しい言葉を使ってくれるから面白い。始まると長いけれど、テリオンが寝る時間には必ず終わるようにしてくれる。
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REHABILIぬいぬい誰も知らないいつものように山と積まれた本の合間で仕事に没頭する黒い恋人の部屋で見つけたものは、謎を秘めた古文書でなければ歴史を感じる遺物でもない、ふわふわゆるゆるとしたおよそ緊張感のない代物であった。
「……なんだこれ」
床を埋めつくそうとする紙束を拾い上げ立ち上がったテリオンは、丁度自分の目線と同じ高さの棚に鎮座している物体と目が合ってしまった。金刺繍の入った黒いローブを着て、特徴的な跳ね上がった前髪、艶感のある糸で縫い込まれた青い瞳。どこかで見たような特徴を揃えた人形は、前回この部屋に入った時には無かったものだ。
「ああ、それかい?なかなか良く出来ているだろう」
机から顔を上げたサイラスの答えはおよそテリオンが望んだ内容ではなかった。さらにすまないがそこの資料は動かさないでおいて欲しいんだ、と付け加えられてしまって渋々紙束を元の場所に戻す。
2200「……なんだこれ」
床を埋めつくそうとする紙束を拾い上げ立ち上がったテリオンは、丁度自分の目線と同じ高さの棚に鎮座している物体と目が合ってしまった。金刺繍の入った黒いローブを着て、特徴的な跳ね上がった前髪、艶感のある糸で縫い込まれた青い瞳。どこかで見たような特徴を揃えた人形は、前回この部屋に入った時には無かったものだ。
「ああ、それかい?なかなか良く出来ているだろう」
机から顔を上げたサイラスの答えはおよそテリオンが望んだ内容ではなかった。さらにすまないがそこの資料は動かさないでおいて欲しいんだ、と付け加えられてしまって渋々紙束を元の場所に戻す。
rishan_oolong
Valentine2月14日のサイテリ短い分、糖度は高め
二月十四日 二月十四日の夜。ふらりと訪ねた屋敷でテリオンは、思いがけず熱烈な歓待を受けていた。両手で力いっぱいにテリオンを抱き締めながら、サイラスは喜色満面に歓喜の声を上げる。
「ああ! 今日という日にキミが訪ねてきてくれるなんて、何て喜ばしい偶然だろう!」
聞けば今日は何とかという聖人の祝日で、家族や友人または恋人など親しい相手への感謝や愛情を、花や菓子に込めて贈り合う日なのだとか。サイラスも生徒を始め方々から親愛の証とやらを貰ったのだろう。部屋の隅に大きさも包装も様々なプレゼントが山と積まれているのが見える。
「それで、私もキミのために用意していた物があるのだが……ふふ、まさか買ったその日に開けることになるとはね」
703「ああ! 今日という日にキミが訪ねてきてくれるなんて、何て喜ばしい偶然だろう!」
聞けば今日は何とかという聖人の祝日で、家族や友人または恋人など親しい相手への感謝や愛情を、花や菓子に込めて贈り合う日なのだとか。サイラスも生徒を始め方々から親愛の証とやらを貰ったのだろう。部屋の隅に大きさも包装も様々なプレゼントが山と積まれているのが見える。
「それで、私もキミのために用意していた物があるのだが……ふふ、まさか買ったその日に開けることになるとはね」