進明 歩
供养ジュンくんが海外に旅立つ前夜の本当に短い話。離れている間の電話の話、帰国した時の話とまとめようとしてたんですが、6/14中には間に合わないのでこちらだけでもひっそりとお祝いを…。※ポエムっぽいので苦手な方は避けてください。
絵文字をありがとうございました!
2025/6/14
旅立ち前夜 夜の静寂の中に目覚めると、胸がキュッと苦しくなることがある。自分はこの世にたった一人で、誰の声も聴こえず、目も見えないのではないかと。
ジュンの鼓動は速まり、おかげでまだ自分の命がここに在ることを知る。
……トクットクッ……
少しして自分のものとは違う心音が伝わってきた。その頃には暗闇にも慣れて、鼻先にある柔い髪と腕の中の温かい身体に気がつく。
何よりも、自分よりも、大切ないのち。
そんなことを本気で思っているなんて知ったら、腕の中の恋人――日和は喜ぶどころか、「もっと自分を大切にするんだね!」と怒るだろうけど。
身じろぐジュンに起こされたのか、日和が寝返りを打ちジュンの方を向いた。睡魔に抗い瞼を持ち上げようとする様子が愛おしくて、瞼にそっとキスをする。
1118ジュンの鼓動は速まり、おかげでまだ自分の命がここに在ることを知る。
……トクットクッ……
少しして自分のものとは違う心音が伝わってきた。その頃には暗闇にも慣れて、鼻先にある柔い髪と腕の中の温かい身体に気がつく。
何よりも、自分よりも、大切ないのち。
そんなことを本気で思っているなんて知ったら、腕の中の恋人――日和は喜ぶどころか、「もっと自分を大切にするんだね!」と怒るだろうけど。
身じろぐジュンに起こされたのか、日和が寝返りを打ちジュンの方を向いた。睡魔に抗い瞼を持ち上げようとする様子が愛おしくて、瞼にそっとキスをする。
satori_rom
完毕鬼龍が五奇人♀にラッキースケベするSS。五奇人からは斎宮♀、夏目♀、零♀だけ出ます。
露骨なCP要素はありませんが紅宗前提で夏目と零は付き合っていることを知っている感じ。
女体化に合わせて姉さん呼びだったり夏目は小僧呼びのままだったり設定ごちゃ混ぜになっています。 4
ramirunrun
涂鸦週末の四天王VS六歌選が終わって「やっぱりメルメルの隣が落ち着くっしょ~♪」って帰って来た燐音くん?😊メルメルも珍しく上着をハンガーに掛けてあげたりして労っている~と言う図😃
燐ひめ♪
今までアニメ塗りしか出来なかったけど、お肌をふんわり塗れるように意識して頑張ってみた~
進明 歩
训练付き合って数年、同棲中のジュンひよ。少し前に書いたままになっていたものを手直ししました。ずーっと前にXで呟いたものを元にしています。あげるの久しぶりすぎる……。
絵文字をありがとうございました!
2025/4/29
雨にもまけず「ん……」
心地よい微睡みの中、意識の覚醒を促したのは窓ガラスを叩く雨音だった。目を閉じたまま隣にいるはずの彼を手探りで探しても、あの必要以上に筋肉のついた身体には触れられなかった。
「……ジュンくん?」
ああ、酷い掠れ声。雨音にもかき消されてしまいそう。嫌になってしまうね!
何度か瞬きをして、気怠い身体をゆっくりと起こした。
寝室のドアを開ければ、漂ってきたのは美味しそうなスープの香り。本当はお弁当を持って公園に行きたかったんだけれど残念。まだ身体も怠いし、ゆっくりと家でブランチを楽しむのもいいかもしれないね。
洗面所ではゴトゴト揺れる洗濯機が、眠る前に替えたシーツを乾かしているところだった。
2181心地よい微睡みの中、意識の覚醒を促したのは窓ガラスを叩く雨音だった。目を閉じたまま隣にいるはずの彼を手探りで探しても、あの必要以上に筋肉のついた身体には触れられなかった。
「……ジュンくん?」
ああ、酷い掠れ声。雨音にもかき消されてしまいそう。嫌になってしまうね!
何度か瞬きをして、気怠い身体をゆっくりと起こした。
寝室のドアを開ければ、漂ってきたのは美味しそうなスープの香り。本当はお弁当を持って公園に行きたかったんだけれど残念。まだ身体も怠いし、ゆっくりと家でブランチを楽しむのもいいかもしれないね。
洗面所ではゴトゴト揺れる洗濯機が、眠る前に替えたシーツを乾かしているところだった。
進明 歩
涂鸦菫色の空を見かけてのらくがきSSです。いつも似たような話になってしまう……。誤字脱字など見つけたら修正します。2025/1/25
すみれ色の空「うわぁ……」
日の沈みかけた空を見上げ、思わず零れたのは感嘆の声だった。ビルや木々の上部には、まだ昼の名残の淡い水色の空。その上に広がるのは菫色だった。懐かしさを感じさせる赤い夕焼け空なら子供の頃から何度も見た。だけどこんな風に胸が詰まって苦しくなるような空の色は初めて見た気がする。いや、見ていたとしても印象に残らなかっただけなのかもしれねぇけど。
スマホをその綺麗な空にかざしてカメラのシャッターを切った。
「もうっジュンくんてば、先にお店出ちゃうんだからっ!」
セレクトショップから出てきたおひいさんは、両手にショッパーを提げている。そちらに手を伸ばせば、むくれ顔のままショッパーは素直に手渡された。
2416日の沈みかけた空を見上げ、思わず零れたのは感嘆の声だった。ビルや木々の上部には、まだ昼の名残の淡い水色の空。その上に広がるのは菫色だった。懐かしさを感じさせる赤い夕焼け空なら子供の頃から何度も見た。だけどこんな風に胸が詰まって苦しくなるような空の色は初めて見た気がする。いや、見ていたとしても印象に残らなかっただけなのかもしれねぇけど。
スマホをその綺麗な空にかざしてカメラのシャッターを切った。
「もうっジュンくんてば、先にお店出ちゃうんだからっ!」
セレクトショップから出てきたおひいさんは、両手にショッパーを提げている。そちらに手を伸ばせば、むくれ顔のままショッパーは素直に手渡された。
進明 歩
涂鸦新年ぽい話を何か…と思ったんですが、そうでもなくなりました。毎度おなじような話ですが、よろしければ読んでいただけると嬉しいです。絵文字をありがとうございました!!本年もよろしくお願いします!
2025/1/7
今年はじめての…… 取り皿に盛った美味しい料理は綺麗に平らげてしまった。ぼくは皿をローテーブルに置き、代わりにグラスを持ち上げる。星奏館の共有ルームで元日の夕方から行われている新年会。未成年が多いため酒は提供されていない。アップルソーダを喉へ流し込みながら室内へ視線を巡らせた。
みなビュッフェスタイルの食事を楽しみつつ、和やかに談笑している。ぼくだって先程まではグラス片手に共有ルームを一周して、出席者全員に挨拶をしていた。このくらいのことは社交界のパーティーでの経験もあるし、慣れたもの。まぁ社交界のものよりはずうっと気楽で楽しいけれど。でも癖で会場全体を常に視界に捉えているから、相方の動向だってだいたい把握している。
3011みなビュッフェスタイルの食事を楽しみつつ、和やかに談笑している。ぼくだって先程まではグラス片手に共有ルームを一周して、出席者全員に挨拶をしていた。このくらいのことは社交界のパーティーでの経験もあるし、慣れたもの。まぁ社交界のものよりはずうっと気楽で楽しいけれど。でも癖で会場全体を常に視界に捉えているから、相方の動向だってだいたい把握している。
テフテフ
完毕ふわふわした十条兄弟の話。要目線。初めて書くので文章が変になってしまうのではないかと悩んだのですが、内容が内容なのでむしろめちゃくちゃでフニャフニャの文章の方が味があるのではないかと思い、書くことにしました。
夢中ふわふわした兄弟の短い話です。
ずっと要目線です。急に終わります。
頭を空っぽにして読んでください。
今夜はお兄ちゃんと出かけます。
外はすでに日が落ちて、ゆっくりと冷たい夜が訪れようとしているので、
ぼくは急いでお兄ちゃんに“空を飛ぶ方法”を教えてあげるのです。
折り紙より分厚くて厚紙より柔らかい紙を細長く切りそろえたものを机の引き出しから4枚取り出して、そのうち2枚をお兄ちゃんに渡します。
1枚を手に取っておみくじのようにくくって形を綺麗に整えてから、もう1枚の紙を結び目の部分に垂直になる向きでテープで貼り付けて竹とんぼの形を作ったら完成です。これを頭の上にのせて空を飛ぶのです。竹とんぼよりタケコプターに近いかもしれません。
1744ずっと要目線です。急に終わります。
頭を空っぽにして読んでください。
今夜はお兄ちゃんと出かけます。
外はすでに日が落ちて、ゆっくりと冷たい夜が訪れようとしているので、
ぼくは急いでお兄ちゃんに“空を飛ぶ方法”を教えてあげるのです。
折り紙より分厚くて厚紙より柔らかい紙を細長く切りそろえたものを机の引き出しから4枚取り出して、そのうち2枚をお兄ちゃんに渡します。
1枚を手に取っておみくじのようにくくって形を綺麗に整えてから、もう1枚の紙を結び目の部分に垂直になる向きでテープで貼り付けて竹とんぼの形を作ったら完成です。これを頭の上にのせて空を飛ぶのです。竹とんぼよりタケコプターに近いかもしれません。
進明 歩
供养放置していたSSの供養です。今後内容を修正したり、画像にして別サイトに投稿するかもしれません。他にもこんなのがいくつかあるんですが、画像にするのが苦手でして…。過去作を読んでくださったり、スタンプをありがとうございました!
2024/12/6
さみしさをはんぶんこ「はぁ、はぁ、はぁっ……」
ジュンは一曲終えたところでタオルを取り汗を拭った。すでにタオルは多分に汗を含んでいる。ペットボトルを開けミネラルウォーターを煽った。
「……まだ帰らねぇんすか?」
レッスンルームの大きな鏡には、険しい顔をした汗だくのジュン。それから腕を組んで壁に凭れた、涼しげな日和が映っている。
「きみが帰らないんだもの」
「先に帰っててくださいよ。すみませんけどメシは適当に――」
「もうきみも止めるべきだね」
「……ほっといてください」
「そんな状態でレッスンしたところで怪我をしかねないね。だから――」
「放っておいてくださいよぉ……!!」
ジュンの怒鳴り声に日和はピクリと片眉を震わせた。壁から背を離し、ゆっくりとジュンへ近づいてくる。これは完全に八つ当たりだ。どんな反撃が返ってくるのかとジュンは身構えた。
1717ジュンは一曲終えたところでタオルを取り汗を拭った。すでにタオルは多分に汗を含んでいる。ペットボトルを開けミネラルウォーターを煽った。
「……まだ帰らねぇんすか?」
レッスンルームの大きな鏡には、険しい顔をした汗だくのジュン。それから腕を組んで壁に凭れた、涼しげな日和が映っている。
「きみが帰らないんだもの」
「先に帰っててくださいよ。すみませんけどメシは適当に――」
「もうきみも止めるべきだね」
「……ほっといてください」
「そんな状態でレッスンしたところで怪我をしかねないね。だから――」
「放っておいてくださいよぉ……!!」
ジュンの怒鳴り声に日和はピクリと片眉を震わせた。壁から背を離し、ゆっくりとジュンへ近づいてくる。これは完全に八つ当たりだ。どんな反撃が返ってくるのかとジュンは身構えた。
進明 歩
供养誓うのは神にではなく──合わないな…と思われたら引き返してくださいね。
ジュンひよです。
憂いいろのJune もとより綺麗な人だ。そんなの彼を一番近くで見てきたジュンが誰よりも知っている。日和はやや光沢のあるホワイトのタキシードを着て、手には同じくホワイトのグローブを握っている。形のいい額を惜しげも無く晒して、片側の耳に髪をかけたヘアスタイル。ステンドグラスから差し込む陽光を受けて、彼の美しさはより鮮烈だった。朗らかに笑うその姿はおとぎ話から抜け出てきた王子さまそのもの。傍らにはウエディングドレスを着たお姫様が良く似合うだろう。
『おひいさん』だなんて、いくらジュンが厭味ととびきりの愛情を込めて呼んだところで、この人は本来、王子さまであって然るべき人なのだ。
曇りなく眩い笑顔の日和とは対照的に、ジュンの胸の内では暗い感情がグルグルと渦を巻いていた。
4722『おひいさん』だなんて、いくらジュンが厭味ととびきりの愛情を込めて呼んだところで、この人は本来、王子さまであって然るべき人なのだ。
曇りなく眩い笑顔の日和とは対照的に、ジュンの胸の内では暗い感情がグルグルと渦を巻いていた。