UsaUsa_mitumaki
DONE赤熊さんがサーカス団と取引する話お借りしました!
赤熊さん
こちらのお話(https://x.com/baba_rooo/status/1868975024193126899?s=46&t=AZk4leD-d6wFoCFdnXGdxA)の流れをくんでいます
かくして取引は成された「よう、お前か。エースを名乗ってるやつってのは」
冷たいコンクリートの建物に、低く気だるげな声が響く。目の前の扉から現れたボロボロのキグルミ。扉の向こう側から聞こえる、この場に似つかわしくない楽しげな音楽と人々の喧騒。コンクリートの床が繋がっているはずなのに、キグルミが現れた扉の向こうには木造の床が広がっている。
何者かわからずに眉を寄せ、相手を観察しているとキグルミが「うおっ」と声を上げる。
「おいおい随分派手な遊び方してんじゃねぇか……」
そう言ってみつめてるのは、床に転がる人の体。それも一つではなく、たくさんの。
「ハッお上品なアンタらには見なれねぇか?」
「お前らみたいにあちこちに噛みつかないって言えよ、クソガキ」
4928冷たいコンクリートの建物に、低く気だるげな声が響く。目の前の扉から現れたボロボロのキグルミ。扉の向こう側から聞こえる、この場に似つかわしくない楽しげな音楽と人々の喧騒。コンクリートの床が繋がっているはずなのに、キグルミが現れた扉の向こうには木造の床が広がっている。
何者かわからずに眉を寄せ、相手を観察しているとキグルミが「うおっ」と声を上げる。
「おいおい随分派手な遊び方してんじゃねぇか……」
そう言ってみつめてるのは、床に転がる人の体。それも一つではなく、たくさんの。
「ハッお上品なアンタらには見なれねぇか?」
「お前らみたいにあちこちに噛みつかないって言えよ、クソガキ」
UsaUsa_mitumaki
DOODLE角うさぎの名前について悩む若者の話お借りしました!
イチカさん
角うさぎにまつわるエトセトラ②精霊には面白い特性がある。精霊は自然と共に生き、自然と共に消滅する生物だ。彼らは万物の大きな流れに沿って生きている。彼らには群れ、という概念こそないものの基本的には、精霊が発生しやすいところでコミュニティを形成してるんだ。昔の実験でね、その精霊のコミュニティにいる子を1匹を誘導して、その子に人間の肉を混ぜた、鹿肉の餌を食べさせたんだ。あぁ、その子自身には特になんの問題はなかった。しかし、その子をコミュニティに戻したときに異変が起きた。同じコミュニティにいた精霊たちが、突然帰ってきたその子を攻撃し始めたんだ。これは面白い発見だったよ。彼らは人間の肉を食べた同族を仲間として認めないんだ。結局仲間から攻撃された精霊は、1匹で生きることを余儀なくされたのさ。つまり……
4410UsaUsa_mitumaki
DOODLE拾われた角うさぎはどこから来たものかを知りたい話お借りしました!
スピネルさん
角うさぎにまつわるエトセトラ①青い空、白い雲、そんな良い天気のなか、若い色をした芝生たちを踏みしめて、青年はテントの列を通り過ぎていく。ひゅうと気まぐれにふいた風が、青年の赤く長い髪を撫でる。
「(こんなに美しい景色が、魔法でできた偽物なんて、言われなければわからなかったな……)」
そんなことをぼんやり考えながら歩いていると、前の方から一人の女性が、桃色のおさげを揺らしながらやってくる。おさげの女性もこちらに気づいたようで、仰々しくお辞儀をして挨拶をしてきた。
「こんにちは、素敵な『アリス』」
「……その呼び方はやめてくれ、ミミィ」
「ふふっ、ごめんなさいスピネルさん」
スピネルと呼ばれた青年は、むず痒そうに頭を掻く。ミミィはそんな様子を気に掛けることなく、話を続けた。
2848「(こんなに美しい景色が、魔法でできた偽物なんて、言われなければわからなかったな……)」
そんなことをぼんやり考えながら歩いていると、前の方から一人の女性が、桃色のおさげを揺らしながらやってくる。おさげの女性もこちらに気づいたようで、仰々しくお辞儀をして挨拶をしてきた。
「こんにちは、素敵な『アリス』」
「……その呼び方はやめてくれ、ミミィ」
「ふふっ、ごめんなさいスピネルさん」
スピネルと呼ばれた青年は、むず痒そうに頭を掻く。ミミィはそんな様子を気に掛けることなく、話を続けた。
UsaUsa_mitumaki
PASTやべぇ女王陛下とやべぇ3月うさぎがお話してるだけとあるサーカス団の秘密獣たちの息遣い、屋台や見世物たちから流れる音楽、それを見て話すお客の声。そんな音という音が響き渡る空間の真ん中に居座る巨大なテント。サーカスのショーを行うメイン会場の更に置くの演者たちの控室にて、男と女の小さな話し声が聞こえてくる。
椅子に座った女は長い三つ編みにピンク色のバニーガールのような衣装に身にまとい、目を閉じていてもわかる端正な顔立ちをしていているが、あらゆる関節についている球体が、彼女を人間ではないと語っている。そんな彼女の前に立つ男もまた目鼻立ちがよく、上下真っ黒な服を身にまとっていてもわかる美しさを持っている。そんな彼は濡羽色の髪をサラリと揺らしながら、女の顔と向き合い、淡々と手を動かしていた。
1706椅子に座った女は長い三つ編みにピンク色のバニーガールのような衣装に身にまとい、目を閉じていてもわかる端正な顔立ちをしていているが、あらゆる関節についている球体が、彼女を人間ではないと語っている。そんな彼女の前に立つ男もまた目鼻立ちがよく、上下真っ黒な服を身にまとっていてもわかる美しさを持っている。そんな彼は濡羽色の髪をサラリと揺らしながら、女の顔と向き合い、淡々と手を動かしていた。