Ls9Lh
DONEオスリュミSS再掲一部修正しました
名前のない日「ああ駄目だ駄目だ。俺には向いてない」
オスカーは半ばやけになって紙の上へ放る様に鉛筆を置いた。
よく晴れた穏やかな休日の昼下がり、丘の上に並んで腰掛けのんびりとくつろぐのは、ふたりにとって特別な事ではない。
この日のオスカーは、何となく気まぐれを興して風景画でも描こうかとリュミエールからスケッチブックと鉛筆を借り受けていたのだった。
常日頃、目の前の景色を苦もなく紙の中に収めていく恋人の姿を見ていると、自分にも容易く出来そうに思われたのだったが。
「どうなさったのですか?」
同じ湖の風景に向かい隣でスケッチをしていたリュミエールは、体を傾けオスカーの手許を覗き込んだ。
彼の手元のスケッチブックには当然のごとく精密で完璧なモノクロの風景が完成されつつあった。
2040オスカーは半ばやけになって紙の上へ放る様に鉛筆を置いた。
よく晴れた穏やかな休日の昼下がり、丘の上に並んで腰掛けのんびりとくつろぐのは、ふたりにとって特別な事ではない。
この日のオスカーは、何となく気まぐれを興して風景画でも描こうかとリュミエールからスケッチブックと鉛筆を借り受けていたのだった。
常日頃、目の前の景色を苦もなく紙の中に収めていく恋人の姿を見ていると、自分にも容易く出来そうに思われたのだったが。
「どうなさったのですか?」
同じ湖の風景に向かい隣でスケッチをしていたリュミエールは、体を傾けオスカーの手許を覗き込んだ。
彼の手元のスケッチブックには当然のごとく精密で完璧なモノクロの風景が完成されつつあった。
レイ(POI11114051)
TRAININGオスリュミここって気になる人をこそっとフォローできるらしいので後で検索してみよう
知らない変な人がいいねしてきたら気持ち悪いと思うだろうからこういう機能は有り難い
Ls9Lh
MOURNING没原稿のメモフォルダをガサゴソやってたらまだ出せそうな話があったので、供養も兼ねてもうひとつキスの日オスリュミSSの2本目です
♯キスの日 2執務室の扉が閉じられた。
足音が遠ざかり、やがて何も聞こえなくなってから、ようやくリュミエールは安堵した。
立っていき鍵を閉め、そのまま扉に背中をもたせ掛け細くため息をつく。
指先の震えを気付かれなかっただろうか。
好きだ、そう彼は言った。簡潔だが間違いようもない愛の告白だ。
彼から愛を打ち明けられるとは想像もしていなかった。
自分に引け目など何一つ感じる事がないのだろう。オスカーの態度は自信に満ち溢れていた。恒星のように人を惹きつけずにはおかない人だ。思い切り撥ね付ければ良かったのにそれが出来なかった。
真っ直ぐな言葉が胸を焦がしていく。強い眼差しに逢って眩暈がしそうだった。
──本当は嬉しかったのだ。だが、素直に心を返せる程に自分も幼くはない。
654足音が遠ざかり、やがて何も聞こえなくなってから、ようやくリュミエールは安堵した。
立っていき鍵を閉め、そのまま扉に背中をもたせ掛け細くため息をつく。
指先の震えを気付かれなかっただろうか。
好きだ、そう彼は言った。簡潔だが間違いようもない愛の告白だ。
彼から愛を打ち明けられるとは想像もしていなかった。
自分に引け目など何一つ感じる事がないのだろう。オスカーの態度は自信に満ち溢れていた。恒星のように人を惹きつけずにはおかない人だ。思い切り撥ね付ければ良かったのにそれが出来なかった。
真っ直ぐな言葉が胸を焦がしていく。強い眼差しに逢って眩暈がしそうだった。
──本当は嬉しかったのだ。だが、素直に心を返せる程に自分も幼くはない。