なりひさ
DOODLEポプマト事後叱られ中「どうしたんですか!?」「どうしたんですか、ポップ」
アバンは弟子に呼びかける。ポップがマトリフの洞窟の入り口の前で正座していたからだ。いつもは開いている洞窟の岩戸はピッタリと閉じていた。
「えっと……」
ポップは誤魔化すような笑みを浮かべる。どうやら言いにくい事が起こったらしい。
「マトリフは中にいますか?」
「はい。いるにはいるんですが、開けてくれなくて」
「……彼を怒らせたんですか?」
その可能性は低いだろうと思いながらアバンは言った。マトリフは昔よりも気難しくなったものの、ポップには甘いところがあった。たとえ表面上は厳しいことを言ったとしても、本心から怒るようなことはないと思ったからだ。
「えへへ」
ポップは気まずそうに頬を掻く。その表情から、どうやら言い当ててしまったようだとわかった。
2183アバンは弟子に呼びかける。ポップがマトリフの洞窟の入り口の前で正座していたからだ。いつもは開いている洞窟の岩戸はピッタリと閉じていた。
「えっと……」
ポップは誤魔化すような笑みを浮かべる。どうやら言いにくい事が起こったらしい。
「マトリフは中にいますか?」
「はい。いるにはいるんですが、開けてくれなくて」
「……彼を怒らせたんですか?」
その可能性は低いだろうと思いながらアバンは言った。マトリフは昔よりも気難しくなったものの、ポップには甘いところがあった。たとえ表面上は厳しいことを言ったとしても、本心から怒るようなことはないと思ったからだ。
「えへへ」
ポップは気まずそうに頬を掻く。その表情から、どうやら言い当ててしまったようだとわかった。
なりひさ
DOODLEポプマト口付け 何が面白くてこの若者はこんな爺と口付けなんてするのだろうか。マトリフはポップとキスをしながらそんなことを考えていた。
ポップからの好意に気付いたのは随分と前のことだ。それをのらりくらりと躱しながらきたものの、それも出来なくなって、ついには身体を交える関係になっていた。
マトリフはベットに横になり、ポップがその身体を覆っている。手を絡めて、口付けをして、気分が乗ってきたら今夜もやるのだろう。
ポップは性急さを堪えるように舌先でマトリフの口内を探る。最近になってようやく上達してきたキスに、マトリフは微笑ましささえ感じた。
恋愛に種族も性別も年齢も関係ないと言い切れるほどマトリフは若くはない。そこに立ちはだかる壁は確かに存在しているからだ。マトリフとポップの年齢差はあまりに大きい。それはマトリフがポップを受け入れられなかった一番の理由だった。
1242ポップからの好意に気付いたのは随分と前のことだ。それをのらりくらりと躱しながらきたものの、それも出来なくなって、ついには身体を交える関係になっていた。
マトリフはベットに横になり、ポップがその身体を覆っている。手を絡めて、口付けをして、気分が乗ってきたら今夜もやるのだろう。
ポップは性急さを堪えるように舌先でマトリフの口内を探る。最近になってようやく上達してきたキスに、マトリフは微笑ましささえ感じた。
恋愛に種族も性別も年齢も関係ないと言い切れるほどマトリフは若くはない。そこに立ちはだかる壁は確かに存在しているからだ。マトリフとポップの年齢差はあまりに大きい。それはマトリフがポップを受け入れられなかった一番の理由だった。
なりひさ
DOODLEありのままのあなたがすきだから マトリフは自分の身体を見下ろす。寝巻きをはだけさせれば、記憶にある若い頃の身体があった。体格こそさほど変わらないが、修行で鍛えていた筋肉もあるし、肌にもハリがあった。
マトリフはモシャスを使って若い頃の自分へと化けていた。それもこれも、弟子であるポップのためである。
ポップと師弟の壁を越えたのはつい先日のことだ。それ以前からポップには好きだと伝えられていたが、マトリフは応えていなかった。だが押し切られるように、というよりも、マトリフ自身がポップを欲しくなって、その気持ちを抑えきれなくなって手を出した。
そのときはキスだけで終わったが、ポップからもっと先に進みたいと言われた。マトリフはもう拒む気はない。壁はもう越えてしまったのだからポップの望みを叶えてやりたかった。
1690マトリフはモシャスを使って若い頃の自分へと化けていた。それもこれも、弟子であるポップのためである。
ポップと師弟の壁を越えたのはつい先日のことだ。それ以前からポップには好きだと伝えられていたが、マトリフは応えていなかった。だが押し切られるように、というよりも、マトリフ自身がポップを欲しくなって、その気持ちを抑えきれなくなって手を出した。
そのときはキスだけで終わったが、ポップからもっと先に進みたいと言われた。マトリフはもう拒む気はない。壁はもう越えてしまったのだからポップの望みを叶えてやりたかった。
なりひさ
DOODLEこのうるさい心臓を止めてくれ「師匠〜」
ポップの声が洞窟に響く。遠慮なく洞窟に入ってくる弟子を内心喜びつつも、マトリフは盛大なため息で出迎えた。
しかしポップはマトリフのそんな様子を気にもせず、マトリフに笑顔を見せた。
「起きてて大丈夫なのか?」
「最近は調子がいいんだよ」
マトリフは言って視線を手元に落とす。今は薬草の手入れの最中だった。採取してきた多種多様な薬草を洗い、仕分けして乾燥させる。手間暇がかかる作業で、丁寧にやらないとせっかく採ってきた薬草が使い物にならなくなる。
「オレもそれやっていい?」
「暇なのかよ」
「暇っていうかさ……」
ポップは曖昧に笑いながらマトリフの横に座った。洗い終わった薬草を手に取る。
「暇じゃなきゃこんな所に来るんじゃねえよ。さっきも言ったが最近は調子がいいんだ」
2190ポップの声が洞窟に響く。遠慮なく洞窟に入ってくる弟子を内心喜びつつも、マトリフは盛大なため息で出迎えた。
しかしポップはマトリフのそんな様子を気にもせず、マトリフに笑顔を見せた。
「起きてて大丈夫なのか?」
「最近は調子がいいんだよ」
マトリフは言って視線を手元に落とす。今は薬草の手入れの最中だった。採取してきた多種多様な薬草を洗い、仕分けして乾燥させる。手間暇がかかる作業で、丁寧にやらないとせっかく採ってきた薬草が使い物にならなくなる。
「オレもそれやっていい?」
「暇なのかよ」
「暇っていうかさ……」
ポップは曖昧に笑いながらマトリフの横に座った。洗い終わった薬草を手に取る。
「暇じゃなきゃこんな所に来るんじゃねえよ。さっきも言ったが最近は調子がいいんだ」
なりひさ
DONEポプマト。酔っ払い師匠を迎えに行くポップ師匠と朝寝がしてみたい「ここにいたのかよぉ」
ポップの声は早朝の酒場に響いた。昨夜の酒の匂いが充満した空気が、ポップが扉を開けたことで外へと流れていく。
カウンターに顔を伏せていたマトリフは、通りのいい弟子の声に瞼を上げた。だが眩しい朝日にすぐ目を閉じる。
「なあ師匠!」
ポップはマトリフの肩を揺さぶったが、マトリフは呻き声を上げただけだった。
「潰れるまで飲むなって言ったじゃん」
ポップはマトリフのそばにあったグラスに残った酒を見て顔を顰めた。ポップは懐を探ると財布を出す。
「すんません、お勘定を」
「もう頂いております」
酒場のマスターは店仕舞いの準備をしながら言った。ポップは財布を戻すとマトリフの腕を掴む。
「お世話様でした。次にこの人が来ても飲ませないでもらえます?」
1453ポップの声は早朝の酒場に響いた。昨夜の酒の匂いが充満した空気が、ポップが扉を開けたことで外へと流れていく。
カウンターに顔を伏せていたマトリフは、通りのいい弟子の声に瞼を上げた。だが眩しい朝日にすぐ目を閉じる。
「なあ師匠!」
ポップはマトリフの肩を揺さぶったが、マトリフは呻き声を上げただけだった。
「潰れるまで飲むなって言ったじゃん」
ポップはマトリフのそばにあったグラスに残った酒を見て顔を顰めた。ポップは懐を探ると財布を出す。
「すんません、お勘定を」
「もう頂いております」
酒場のマスターは店仕舞いの準備をしながら言った。ポップは財布を戻すとマトリフの腕を掴む。
「お世話様でした。次にこの人が来ても飲ませないでもらえます?」