まつざき
PASTどこにも投稿してなかったみたいだったので。もったいない精神。掌編習作君はきっと知らないだろうね。人間の子供はキャベツから生まれてくるんだよ。
そう言って彼はおもむろにしゃがみ込み、畑に並んだ、程よく育ったキャベツを一つやさしく撫でた。
「海外産コウノトリの話をするために俺をこんなところへ連れてきたわけ?」
俺は目の前に広がる一面の緑を見渡した。なだらかな丘の斜面は見事にキャベツで覆われ、地平線まで続いている。
俺が呼び出しを喰らったのはつい今朝がたのことだ。最寄り駅まで出てきたらそのまま軽トラに乗せられ、3時間かけてこの山間の農村まで連れてこられた。このくらいの嫌味は許されるだろうと思った。
俺の言葉を受けて、彼はいたずらっぽく笑った。
「今年はすごく出来がいいんだよね」
556そう言って彼はおもむろにしゃがみ込み、畑に並んだ、程よく育ったキャベツを一つやさしく撫でた。
「海外産コウノトリの話をするために俺をこんなところへ連れてきたわけ?」
俺は目の前に広がる一面の緑を見渡した。なだらかな丘の斜面は見事にキャベツで覆われ、地平線まで続いている。
俺が呼び出しを喰らったのはつい今朝がたのことだ。最寄り駅まで出てきたらそのまま軽トラに乗せられ、3時間かけてこの山間の農村まで連れてこられた。このくらいの嫌味は許されるだろうと思った。
俺の言葉を受けて、彼はいたずらっぽく笑った。
「今年はすごく出来がいいんだよね」
秋月蓮華
DONE四十七大戦夢で鳥取さんと保育所のころの柚羽島根もいる
「りちゃ」
葛城柚羽の保育園の送り迎えを頼まれた鳥取は保育園に彼女を迎えに行き、ともに帰っていた。柚羽は微熱がある。歩くのも大変そうなので抱えた。
抱っこ状態だ。まだ何とか持てる。成長していけば無理だが。
とりちゃんを略してりちゃだ。
「家に付いたらゆっくり休もう」
曾祖母も祖父母も父母もいない。先祖が大体鳥取を助けると約束したこの家は今も約束を守ってくれている。
「りー」
鳥取は抱えている柚羽が自分を呼び続けることが気になって振り返る。
ぐしゃりとした、くろい、犬がいた。
この世のものではない。
「鳥取。柚羽を抱えていろ」
「島根」
「まちゃ」
島根が小刀を黒い犬に投擲すると突きささり消える。
犬の形をした何かはもういない。
503葛城柚羽の保育園の送り迎えを頼まれた鳥取は保育園に彼女を迎えに行き、ともに帰っていた。柚羽は微熱がある。歩くのも大変そうなので抱えた。
抱っこ状態だ。まだ何とか持てる。成長していけば無理だが。
とりちゃんを略してりちゃだ。
「家に付いたらゆっくり休もう」
曾祖母も祖父母も父母もいない。先祖が大体鳥取を助けると約束したこの家は今も約束を守ってくれている。
「りー」
鳥取は抱えている柚羽が自分を呼び続けることが気になって振り返る。
ぐしゃりとした、くろい、犬がいた。
この世のものではない。
「鳥取。柚羽を抱えていろ」
「島根」
「まちゃ」
島根が小刀を黒い犬に投擲すると突きささり消える。
犬の形をした何かはもういない。