masu_oekaki8810
DONEシテイシティ5のお題「まじめな顔しながらふざける師弟」のSSです。別に二人はふざけてるわけでもないからちょっと違うかも。
あと「師弟」というか「弟」かも。
弟子としりとり 相談所のドアを開けて中に入ると、応接ソファで兄が所長の顔を黙って見ていた。なんだか目つきが厳しくて、僕が声をかけるのをためらっていたら、兄は表情を少し緩めて僕の方をチラッと見てくれた。
「律が来ましたよ。続けますか?」
「関係ないだろ、これはお前のためなんだから」
「…らしくないですね、いつももっと余裕そうなのに」
「人間には色んな側面がある。相手のことを簡単にわかった気になるな」
え? 喧嘩? 兄さんが霊幻を相手に?
「…なんでいつもそうやって人を遠ざけるのかな」
「なりふり構ってられないんだよ、大人のメンツってのがあるんだから」
「………楽な方に逃げてるだけなんじゃないですか?」
「勘弁しろよ、社会で生き抜くってのはそれだけで大仕事なんだぞ?」
1463「律が来ましたよ。続けますか?」
「関係ないだろ、これはお前のためなんだから」
「…らしくないですね、いつももっと余裕そうなのに」
「人間には色んな側面がある。相手のことを簡単にわかった気になるな」
え? 喧嘩? 兄さんが霊幻を相手に?
「…なんでいつもそうやって人を遠ざけるのかな」
「なりふり構ってられないんだよ、大人のメンツってのがあるんだから」
「………楽な方に逃げてるだけなんじゃないですか?」
「勘弁しろよ、社会で生き抜くってのはそれだけで大仕事なんだぞ?」
masu_oekaki8810
DOODLEアイビスペイントで影の塗り方と加工いろいろ(色収差、オーバーレイで平行波グラデ、焼き込みリニアで麻布生地上から重ねて不透明度下げて質感変えるやつ、など)の実験ラクガキ。masu_oekaki8810
DONE副題はスネオヘアー。甘ったれなシゲオが周りに厳しいこと言われる回その2です。
律が出てきます。
次回で完結です。
君と暮らせたら(訳も知らないで) 気がついたら調味駅のホームのベンチに座っていた。たしか、ツボミちゃんとカフェで話してて…泣いてるツボミちゃんに驚いて…そうだ、思い出した。
「好きな人から自分の好意そのものを否定される気持ち、わかった?モブくんはお師匠さんにこういうことをしたんだよ。君の超能力も含めて大事にしてくれてる人に対して。恋がなんなのかとか言ってないで、まず謝りに行ったら?」
真っ赤になって泣いててもツボミちゃんは綺麗だな、なんて見当違いなことを考えながらも、自分がとんでもなく傲慢で師匠に甘え過ぎてることは理解できた。
頭グラグラになりながらも、話を聞いてくれてありがとう、と彼女の分の会計も含めたお金をテーブルに置いて店を出てきたところまでは覚えてる。でもいつの間に調味駅に帰ってきたのか、日もとっくに暮れてる。気温が下がって、少し冷えてきた。
3979「好きな人から自分の好意そのものを否定される気持ち、わかった?モブくんはお師匠さんにこういうことをしたんだよ。君の超能力も含めて大事にしてくれてる人に対して。恋がなんなのかとか言ってないで、まず謝りに行ったら?」
真っ赤になって泣いててもツボミちゃんは綺麗だな、なんて見当違いなことを考えながらも、自分がとんでもなく傲慢で師匠に甘え過ぎてることは理解できた。
頭グラグラになりながらも、話を聞いてくれてありがとう、と彼女の分の会計も含めたお金をテーブルに置いて店を出てきたところまでは覚えてる。でもいつの間に調味駅に帰ってきたのか、日もとっくに暮れてる。気温が下がって、少し冷えてきた。
まさのき
PASTやあひさしぶり、さようなら。/モブサイコ100、影山律(20)と鈴木将(13)が海を見に行く話。任意のふたりには海を見せよ、やつら人間のことわざでしたね。再掲にあたり加筆修正をしています。Hi,bye. 海が見たい、と鈴木は言った。
僕はその日の講義を全部蹴って、一人分の切符を買った。
【前支度】
大学二年の初夏だった。膝を壊して陸上を辞めた。かかりつけの医者はしきりに僕の顔色をうかがったが、意外にも僕はさほどショックを受けなかった。もとより来年の夏ごろで辞める算段だったのだ。予定が一年ほど前倒しになったくらい、ささいなことだった。
その夏僕は鈴木と会った。ほぼ五年ぶりに再会した鈴木は、出会ったころと同じ姿をしていた。理由を尋ねると、俺はユーレイみたいなもんだからとかなんとか意味の通らない答えが返ってきた。僕があからさまに怪訝そうな顔をすると、鈴木はちょっとすまなそうな顔で笑った。
忘れ物があんだよ、と鈴木は言った。
6050僕はその日の講義を全部蹴って、一人分の切符を買った。
【前支度】
大学二年の初夏だった。膝を壊して陸上を辞めた。かかりつけの医者はしきりに僕の顔色をうかがったが、意外にも僕はさほどショックを受けなかった。もとより来年の夏ごろで辞める算段だったのだ。予定が一年ほど前倒しになったくらい、ささいなことだった。
その夏僕は鈴木と会った。ほぼ五年ぶりに再会した鈴木は、出会ったころと同じ姿をしていた。理由を尋ねると、俺はユーレイみたいなもんだからとかなんとか意味の通らない答えが返ってきた。僕があからさまに怪訝そうな顔をすると、鈴木はちょっとすまなそうな顔で笑った。
忘れ物があんだよ、と鈴木は言った。