fennel_1009
DONE鰤ととうらぶのクロスオーバー読みたいとリクがあったので、深夜テンションで書いてみました。久しぶりにとうらぶ書いて楽しかったです!
一応拳修ですが、六車さんでません。
モブ子の存在が語られます。
そしてさらっと死ネタです。
そんな作品ですが、よろしくお願いします。 2318
renka9_ken
TRAINING東仙ファンの人はちょっとだけ注意かも?別に特別悪く言ってないですけど東仙と拳西には器の違いがあるとは思っていて。私の拳西、東仙の解釈とCFYOWはこんな解釈。
だってね?修兵は東仙が間違ってるって言い切ってるんだから東仙の生き方を彦禰に伝えようとするわけないですよね
実際その後に時灘恨まなくていいよってやってるのは拳西が東仙への恨み言を口にしないのと同じことなので。
涙の在り処おそらくあの場に居た者達は勘違いしているだろう。六車本人も含めてだ。
檜佐木が彦禰と相対する時思い浮かべていたのは東仙のことではない。時灘との時はもちろん東仙のことを思っていたのだけれど、彦禰の時は違う。ただ彦禰に、解りやすく教えておくべきこととしてあったのが東仙からの教えだっただけだ。
彦禰を見ながら、ずっと脳裏にあったのは無力だった子供の頃の自分自身の姿。
そして助けてくれた六車の姿。
檜佐木にこの世界の優しい生き方を教えてくれたのは東仙ではない。東仙は檜佐木にただただ闇の深さと怖さしか教えてはくれなかった。
それはたしかに覚えておくべきことではあるけれど、そこに優しさはなかったのだと今なら解る。
闇は深く、怖いものだ。
2059檜佐木が彦禰と相対する時思い浮かべていたのは東仙のことではない。時灘との時はもちろん東仙のことを思っていたのだけれど、彦禰の時は違う。ただ彦禰に、解りやすく教えておくべきこととしてあったのが東仙からの教えだっただけだ。
彦禰を見ながら、ずっと脳裏にあったのは無力だった子供の頃の自分自身の姿。
そして助けてくれた六車の姿。
檜佐木にこの世界の優しい生き方を教えてくれたのは東仙ではない。東仙は檜佐木にただただ闇の深さと怖さしか教えてはくれなかった。
それはたしかに覚えておくべきことではあるけれど、そこに優しさはなかったのだと今なら解る。
闇は深く、怖いものだ。
vita_712
DONE春の拳修そのに。あまあま。たいちょのキャラ崩壊注意です。
春に唄う花たちよ 少しずつ、夜の気配が滲みだす頃。六車宅の縁側では二人きりの宴会が開かれていた。
口にした酒の柔らかな口当たりと軽やかな飲み口に、本当にいい酒を開けてくれたのだと檜佐木は知る。
「旨いっす」
「そうか」
同じ酒の注がれた盃を片手に、六車は何でもないふうに答えた。
昼間より少し冷える空気は、酒で温まる体には心地よく、時折吹く風は穏やかにふたりの髪を揺らした。
襖を開け放った部屋の灯りを光源に、縁側と庭の一部を照らした空間は、まるで世界から切り取ったかのように明るく、暗く、静かだ。
檜佐木がちらりと隣を窺う。庭へと体を向けて胡坐をかく六車は、前を見たままやはり静かに杯を傾けている。
それに倣い、檜佐木も目の前に広がる庭の風景へと目を向ける。
4038口にした酒の柔らかな口当たりと軽やかな飲み口に、本当にいい酒を開けてくれたのだと檜佐木は知る。
「旨いっす」
「そうか」
同じ酒の注がれた盃を片手に、六車は何でもないふうに答えた。
昼間より少し冷える空気は、酒で温まる体には心地よく、時折吹く風は穏やかにふたりの髪を揺らした。
襖を開け放った部屋の灯りを光源に、縁側と庭の一部を照らした空間は、まるで世界から切り取ったかのように明るく、暗く、静かだ。
檜佐木がちらりと隣を窺う。庭へと体を向けて胡坐をかく六車は、前を見たままやはり静かに杯を傾けている。
それに倣い、檜佐木も目の前に広がる庭の風景へと目を向ける。
vita_712
DONE春の拳修そのいち。あまあま。春に唄う花たちよ「隊長は、桜に似てますよね」
陽の当たる時間が延び、まだ白々としている4月の夕刻。
一日の仕事を終え、隊舎を出た通りを馴染みの飯屋へと歩く六車は、左隣を歩く人物が溢した言葉に目を丸くした。
「あァ?」
見れば、その男――檜佐木修兵は、何処か遠くを見ている。視線を追い、六車も通りの先へと目を向けた。
通りの右脇には九番隊隊舎の広い敷地を囲う背の高い白壁の塀が延びている。それが途切れると、商店や住居やらの列が始まる。
その更に先。幾つもの屋根が重なる更に向こう。
こんもりと、薄い桃色が覗いていた。
「お……あそこのも、満開になったのか」
「みたいっす。やっぱここらでは、あれがいちばん見応えがありますよね」
2470陽の当たる時間が延び、まだ白々としている4月の夕刻。
一日の仕事を終え、隊舎を出た通りを馴染みの飯屋へと歩く六車は、左隣を歩く人物が溢した言葉に目を丸くした。
「あァ?」
見れば、その男――檜佐木修兵は、何処か遠くを見ている。視線を追い、六車も通りの先へと目を向けた。
通りの右脇には九番隊隊舎の広い敷地を囲う背の高い白壁の塀が延びている。それが途切れると、商店や住居やらの列が始まる。
その更に先。幾つもの屋根が重なる更に向こう。
こんもりと、薄い桃色が覗いていた。
「お……あそこのも、満開になったのか」
「みたいっす。やっぱここらでは、あれがいちばん見応えがありますよね」