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DOODLEカルヴィンの話エピグラムつえ〜ですね
昔ちょっとやらかしただけさ ●
「――それじゃあハーブ、また明日」
「うん、またねカル〜」
行きつけのアイリッシュパブからの帰路、友人と別れる。コイントスで負けたから、今宵はカルヴィンが奢りだった。
暗い夜の路地を行く。
昼間に降った雨は、未だ路地の隅を濡らしていた。ほんのり湿った空気に、カルヴィンは故郷を思い出す。
建物に挟まれた空を見上げた。都会の、星が見えない暗い空。帰ってからのこと、明日の予定を、ぼんやりと考える。
そうして顔を前に戻した、その時だった。前から歩いてくる男が、コートの中から拳銃を取り出すのが見えたのは。
「赤のピトフーイ絡みか」
瞬間的な洞察。強盗ではない、通り魔でもシャブ中でもない、明確に『カルヴィン・リックウッド』を狙っている――ただのガンドッグが狙われるとも考え難い、ならば『組織』時代の、テロリストとしての自分を狙っているのだろう。
1631「――それじゃあハーブ、また明日」
「うん、またねカル〜」
行きつけのアイリッシュパブからの帰路、友人と別れる。コイントスで負けたから、今宵はカルヴィンが奢りだった。
暗い夜の路地を行く。
昼間に降った雨は、未だ路地の隅を濡らしていた。ほんのり湿った空気に、カルヴィンは故郷を思い出す。
建物に挟まれた空を見上げた。都会の、星が見えない暗い空。帰ってからのこと、明日の予定を、ぼんやりと考える。
そうして顔を前に戻した、その時だった。前から歩いてくる男が、コートの中から拳銃を取り出すのが見えたのは。
「赤のピトフーイ絡みか」
瞬間的な洞察。強盗ではない、通り魔でもシャブ中でもない、明確に『カルヴィン・リックウッド』を狙っている――ただのガンドッグが狙われるとも考え難い、ならば『組織』時代の、テロリストとしての自分を狙っているのだろう。
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DOODLE●諸注意とか・リイルさんと行なった、ガンドッグのチュートリアル回のセッションログをリプレイノベルっぽくしたものです。
・ルールミスや判定処理ミスがあっても気にするな!
・ジェリーさん:https://privatter.net/p/11132698
・サクラ:https://privatter.net/p/11131634
チュートリアル:リプレイノベル●オープニング
アメリカ某所、日中――。
からりと晴れた海岸沿いの空き地に、この地を拠点とする民間保安企業『アルテミシア・セキュリティ社』のガンドッグ達が並んでいる。
日本にも支部を新設したその会社は、まだ中小規模ながらも日々業績を伸ばしている新進気鋭の民間軍事会社である。
さて、ガンドッグ達がここにいるのは他でもない――合同訓練の為だ。
●訓練1:フィジカルトレーニング
-----------------------------------------------------
ターゲットレンジシステムによる訓練。
目標:アスレチックコースをクリアせよ!
カウントアップ形式。
リミット1
22140アメリカ某所、日中――。
からりと晴れた海岸沿いの空き地に、この地を拠点とする民間保安企業『アルテミシア・セキュリティ社』のガンドッグ達が並んでいる。
日本にも支部を新設したその会社は、まだ中小規模ながらも日々業績を伸ばしている新進気鋭の民間軍事会社である。
さて、ガンドッグ達がここにいるのは他でもない――合同訓練の為だ。
●訓練1:フィジカルトレーニング
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ターゲットレンジシステムによる訓練。
目標:アスレチックコースをクリアせよ!
カウントアップ形式。
リミット1
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DOODLEVSサイラス本人もこの通り反省していますので…… ●
民間保安企業のカフェテリア。次のミッションに備えての資料を、ジェラードがコーヒー片手に閲覧していた時のことだった。
ス、と一枚のメモ用紙程度の紙が、資料の上にかぶせられる。
「ん、……?」
コーヒーを飲もうとした手が止まる。それはジェラード宛の請求書だった。気取った英語でいやらしいほど几帳面に「紅茶代:セイロン」「紅茶代:アールグレイ」「ミルク代」「スコーン代」「クロテッドクリーム代」などが書かれており――請求者の欄にはこう書かれていた。「サイラス・ベンフィールド」と。
「はぁ⁉」
思わず弾かれたように顔を上げた。そこには例のオペレーターが、いつも通りの冷ややかな目でジェラードを見下ろしていた。
3217民間保安企業のカフェテリア。次のミッションに備えての資料を、ジェラードがコーヒー片手に閲覧していた時のことだった。
ス、と一枚のメモ用紙程度の紙が、資料の上にかぶせられる。
「ん、……?」
コーヒーを飲もうとした手が止まる。それはジェラード宛の請求書だった。気取った英語でいやらしいほど几帳面に「紅茶代:セイロン」「紅茶代:アールグレイ」「ミルク代」「スコーン代」「クロテッドクリーム代」などが書かれており――請求者の欄にはこう書かれていた。「サイラス・ベンフィールド」と。
「はぁ⁉」
思わず弾かれたように顔を上げた。そこには例のオペレーターが、いつも通りの冷ややかな目でジェラードを見下ろしていた。
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DOODLE練習会後の議事録訓練後、任務前 ●
「ついてくんなよ」
「ホテルこっちやねんもん」
訓練が終わり、デブリーフィングも終わり。
朝っぱらから苛め抜かれたくたくたの身体を携えて、ジェラードは帰路を行く。ありふれたアメリカの街の風景。いつもの光景。一つだけ異質なのは――隣に『新入り』の日本人のガキがいることで。
なんとなく、訓練を通して懐かれたなという気配はするが……ここまでじゃれついてくるとは思わなかった。
「自分、どこ出身~? 前はどこでメディックしてたん~? 戦地どゆとこ行ってた~? てか彼女おる~? どこ住み~?」
馴れ馴れしく、さも当然の顔をして、隣のサクラが首を傾けジェリーの顔を覗き込む。好奇心に満ちた黒い瞳。転校生が来た時の学生かよと思いつつ、ジェリーは隠しもせず溜息を吐いた。
2160「ついてくんなよ」
「ホテルこっちやねんもん」
訓練が終わり、デブリーフィングも終わり。
朝っぱらから苛め抜かれたくたくたの身体を携えて、ジェラードは帰路を行く。ありふれたアメリカの街の風景。いつもの光景。一つだけ異質なのは――隣に『新入り』の日本人のガキがいることで。
なんとなく、訓練を通して懐かれたなという気配はするが……ここまでじゃれついてくるとは思わなかった。
「自分、どこ出身~? 前はどこでメディックしてたん~? 戦地どゆとこ行ってた~? てか彼女おる~? どこ住み~?」
馴れ馴れしく、さも当然の顔をして、隣のサクラが首を傾けジェリーの顔を覗き込む。好奇心に満ちた黒い瞳。転校生が来た時の学生かよと思いつつ、ジェリーは隠しもせず溜息を吐いた。
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DOODLEさくらぜりーのはじめましてハウディ、ヨール ●
大人どもときたら。綺麗事ばかり抜かして憐れむくせに、実際何をするのかと問われたら何もしない。
子供が死んだら可哀想……だから未成年はガンドッグとして雇用しない。
だが、暴力しか食うツテのない子供に対して……補償も何もない。
子供が死んだら可哀想なのに、世界的大飢饉であらゆるものを奪われた子供が、戦場以外で野垂れ死ぬのはOKらしい。意味不明だ。
「クソがよ〜〜〜」
日本某所の安アパートの一室、サクラは不採用通知をビリビリに破り捨てる。片っ端から応募した民間保安企業は、どれもこれも「要らない」を彼に告げ続けていた。
「はあ……」
溜息を吐いて、日に焼けた畳に大の字になる。
3214大人どもときたら。綺麗事ばかり抜かして憐れむくせに、実際何をするのかと問われたら何もしない。
子供が死んだら可哀想……だから未成年はガンドッグとして雇用しない。
だが、暴力しか食うツテのない子供に対して……補償も何もない。
子供が死んだら可哀想なのに、世界的大飢饉であらゆるものを奪われた子供が、戦場以外で野垂れ死ぬのはOKらしい。意味不明だ。
「クソがよ〜〜〜」
日本某所の安アパートの一室、サクラは不採用通知をビリビリに破り捨てる。片っ端から応募した民間保安企業は、どれもこれも「要らない」を彼に告げ続けていた。
「はあ……」
溜息を吐いて、日に焼けた畳に大の字になる。