月海 故
DONE2023年1月29日発行の無配。セフレの無惨と縁壱のバレンタインデー。
キャラクター崩壊が顕著。なんでも許せる人向け。
後半は別の話かのように仲睦まじいです☺️
💝冊子版を手に取ってくださった方はありがとうございました🫶🏼
Better Than Bitter ◇
無惨に呼び出されるのは、いつも突然。
その頻度。二週、三週に一度の間隔ならば早い方。大抵はひと月以上開く。お声が掛かるのは決まって前日。指定場所は相手の自宅。時間はまちまち。
俺はそれに、イエスかノーかで答えるだけ。
こちらの誘いにあちらが乗ってきたことは、これまで一度だってない。だから俺から誘うのは早々にやめた。どれだけ会いたくても、連絡を待つしかない。呼び出された日時に先約があれば出来うる限りそれを動かし、無惨を優先させた。あちらの誘いにはなるべく〝ノー〟を唱えたくなかった。次にまた誘ってもらえる確証はないし、断れば即座に切られかねないから。
無惨と俺に心の繋がりはない。カラダだけの関係だ、仕方がない。
14672無惨に呼び出されるのは、いつも突然。
その頻度。二週、三週に一度の間隔ならば早い方。大抵はひと月以上開く。お声が掛かるのは決まって前日。指定場所は相手の自宅。時間はまちまち。
俺はそれに、イエスかノーかで答えるだけ。
こちらの誘いにあちらが乗ってきたことは、これまで一度だってない。だから俺から誘うのは早々にやめた。どれだけ会いたくても、連絡を待つしかない。呼び出された日時に先約があれば出来うる限りそれを動かし、無惨を優先させた。あちらの誘いにはなるべく〝ノー〟を唱えたくなかった。次にまた誘ってもらえる確証はないし、断れば即座に切られかねないから。
無惨と俺に心の繋がりはない。カラダだけの関係だ、仕方がない。
月海 故
DONE2022年3月27日発行の無配。植物研究者の無惨とカフェ店員の縁壱の話・第1話。
キャラクター崩壊が顕著。なんでも許せる人向け。むざより未満。
💝冊子版の頒布が終了したためエアブー230212にて公開いたします。
お手に取ってくださりありがとうございました。
カフェ・ボタニカル 私の行きつけの喫茶店には、花を咲かせるように笑う店員がいる。
だがその男、始終ニコニコとしているわけではなく、どちらかといえば仏頂面を見せていることの方が多い。ただ、目が合うと綻ぶように表情を和らげるし、問い掛けに答えればそれを満開にさせるのだ。
人と触れ合うのが好きなのだろう、私とは違って。
早春、新たな仕事に就くためこの地へ来た。
職場近くにあるその店の外観を気に入って立ち寄ったのがきっかけだったが、出す料理もコーヒーもなかなかに美味い。
それからもう三ヶ月ほど通い詰めているが、今は週に数回、食事や茶を楽しんでいる。
件の店員は二十代半ばといったところだろうか。主な仕事は給仕。
座席数はカウンターの他、テーブル席が十席ほどの店内だ、そこまで広くはない。給仕の男はそのテーブルの間をデカい図体で行ったり来たりする。
6952だがその男、始終ニコニコとしているわけではなく、どちらかといえば仏頂面を見せていることの方が多い。ただ、目が合うと綻ぶように表情を和らげるし、問い掛けに答えればそれを満開にさせるのだ。
人と触れ合うのが好きなのだろう、私とは違って。
早春、新たな仕事に就くためこの地へ来た。
職場近くにあるその店の外観を気に入って立ち寄ったのがきっかけだったが、出す料理もコーヒーもなかなかに美味い。
それからもう三ヶ月ほど通い詰めているが、今は週に数回、食事や茶を楽しんでいる。
件の店員は二十代半ばといったところだろうか。主な仕事は給仕。
座席数はカウンターの他、テーブル席が十席ほどの店内だ、そこまで広くはない。給仕の男はそのテーブルの間をデカい図体で行ったり来たりする。
月海 故
MEMO『誤算』のハピエン後、会話文小ネタ余談ですが、奥歯は国費(防衛予算から)でインプラントしたので、ふたりで美味しくご飯食べてます😋
逸話の真偽「確かお前あの時…象に使う麻酔量、とか言っていたよな…死んだらどうするつもりだったんだ」
「死んでない」
「結果論だ」
「噂で聞いたんだよ。〝継国縁壱〟にホッキョクグマを昏倒させる麻酔銃を使ったが、欠伸をしながら一個中隊をものの数分で壊滅させた、ってな」
「嘘だそんなの」
「どうだか」
「お前以外に薬を打たれたことはないし」
「一個中隊の方は否定しないのか」
「うん。でも、」
「否定しないのか?」
「うん」
「……フーン」
「でもな、北極でとある作戦に参加した時、ホッキョクグマに遭遇して、」
「どちらがデカかった」
「なにが」
「お前とホッキョクグマ」
「もちろん向こうに決まってるだろ?」
「お前、3メートルもあるのにか」
「そんなにない」
753「死んでない」
「結果論だ」
「噂で聞いたんだよ。〝継国縁壱〟にホッキョクグマを昏倒させる麻酔銃を使ったが、欠伸をしながら一個中隊をものの数分で壊滅させた、ってな」
「嘘だそんなの」
「どうだか」
「お前以外に薬を打たれたことはないし」
「一個中隊の方は否定しないのか」
「うん。でも、」
「否定しないのか?」
「うん」
「……フーン」
「でもな、北極でとある作戦に参加した時、ホッキョクグマに遭遇して、」
「どちらがデカかった」
「なにが」
「お前とホッキョクグマ」
「もちろん向こうに決まってるだろ?」
「お前、3メートルもあるのにか」
「そんなにない」
月海 故
DONE1106#エアブーSPECIAL 展示用短編。期間中、遊びに来てくださった方には愛を😉💕
ありがとうございました!!
★★★
特殊工作員の縁壱と、彼の愛してやまない男の話。
⚠️暴力、薬物使用の表現があります。フィクションとしてご理解ください。
⚠️ふわっとした設定で書いているのでさらっと読み飛ばすのが正解。 8302
月海 故
DONE1106#エアブーSPECIAL 展示用短編。期間中、遊びに来てくださった方には愛を😉💕
ありがとうございました!!
★★★
リーマンパロ。
全年齢ですが、後半に♡喘ぎ表現があります。
苦手な方は閲覧をお控えください。
全く、想定、外継国縁壱、26歳。大手外資系IT企業のグループ会社勤務。
彼は鬼舞辻無惨の、このところの一番のお気に入りだ。
大企業に勤め、社の稼ぎ頭として働く鬼舞辻はもう限界だった。
休みがないわけでも、仕事が辛いわけでもない。睡眠は十分取れているし、趣味である芸術鑑賞を愉しむ時間と心の余裕もあった。
しかし日々、とにかく苛立ちを募らせていた。業務上、思う通りにいかないことは大なり小なり誰にでもあるだろう。鬼舞辻は人の倍、それにイラつく。いつも何かしら、誰かしらにキレている。
そんな鬼舞辻が現在任されているいくつかのプロジェクトのうち、最も大きな業務の一部タスクをグループ会社に委託していた。その担当者が継国だ。
体躯の良さだけやたら目に付くが存在感は然程でもなく、控えめであり実直で、人当たりの良い好青年。だがそれだけならば鬼舞辻のお眼鏡にかなうことはない。
15454彼は鬼舞辻無惨の、このところの一番のお気に入りだ。
大企業に勤め、社の稼ぎ頭として働く鬼舞辻はもう限界だった。
休みがないわけでも、仕事が辛いわけでもない。睡眠は十分取れているし、趣味である芸術鑑賞を愉しむ時間と心の余裕もあった。
しかし日々、とにかく苛立ちを募らせていた。業務上、思う通りにいかないことは大なり小なり誰にでもあるだろう。鬼舞辻は人の倍、それにイラつく。いつも何かしら、誰かしらにキレている。
そんな鬼舞辻が現在任されているいくつかのプロジェクトのうち、最も大きな業務の一部タスクをグループ会社に委託していた。その担当者が継国だ。
体躯の良さだけやたら目に付くが存在感は然程でもなく、控えめであり実直で、人当たりの良い好青年。だがそれだけならば鬼舞辻のお眼鏡にかなうことはない。