水無月
DOODLEドムサブ小説「Come」の挿絵まとめ最後2枚はセリフ入れて遊んだやつ
※拘束・目隠し注意
本編→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20862670 5
水無月
DONEオメガバース墓囚※モブ囚匂わせあり
※なんでも許せる人向け
11/5 おまけの後日談追加
続きできました→https://poipiku.com/3917252/8138411.html 6
puHpus
DONE2021年に描いた奴。管理がザルすぎて網羅できている気がしないし、掲載順も滅茶苦茶です。
ルのショタ化複数点あり。
しゃしょおに/日レー/チーカビ/ブルレ灰/車ボア/日バイ
2021年は6月からフォロワーさんの誕生日テロしてたので、無節操な感じです
(2022年は辞めてます。1月~5月生まれへ不平等感で一杯です。反省) 21
chanuitei
DONE2022.1.15#墓囚版深夜の60分一本勝負
お題
甘いをお借りしました。
遅刻参加失礼しました💦
甘い深夜の珈琲は生存確認
お湯を沸かして珈琲をいれる。ルカが部屋にこもって出てこない時の決まり事だ。
僕は紅茶が好きだ。スプーン1杯の砂糖とミルクをたっぷりと入れる。
ルカは珈琲が好きだ。
砂糖もミルクも入れない熱い珈琲を啜る姿を見つめる。苦いお湯を飲んでいるというのに、ルカは美味しそうにほうっと息を吐いた。
僕はこの時間がとても好きだ。ルカの綺麗な横顔を見ながらぼんやりと思う。
ダークグレーの瞳。機械弄りに没頭しいる時はいつも垂れている目尻がキリリと吊り上がっている。
過集中がぷっつりと切れた時に、僕の存在に気が付いた時の申し訳なさそうに下がる眉尻。
「アンドルー。来てくれていたのか。すまない」
耳を優しく撫でるような僕よりも少し低い声。
773お湯を沸かして珈琲をいれる。ルカが部屋にこもって出てこない時の決まり事だ。
僕は紅茶が好きだ。スプーン1杯の砂糖とミルクをたっぷりと入れる。
ルカは珈琲が好きだ。
砂糖もミルクも入れない熱い珈琲を啜る姿を見つめる。苦いお湯を飲んでいるというのに、ルカは美味しそうにほうっと息を吐いた。
僕はこの時間がとても好きだ。ルカの綺麗な横顔を見ながらぼんやりと思う。
ダークグレーの瞳。機械弄りに没頭しいる時はいつも垂れている目尻がキリリと吊り上がっている。
過集中がぷっつりと切れた時に、僕の存在に気が付いた時の申し訳なさそうに下がる眉尻。
「アンドルー。来てくれていたのか。すまない」
耳を優しく撫でるような僕よりも少し低い声。
chanuitei
DONE #墓囚版深夜の60分一本勝負2021.12.18
お題『横顔』
お借りしました。
荘園を出たあとのお話
横顔あれから、もう何度季節を見送っただろうか。
荘園でのゲームをクリアして、各々が自ら望む場所へと帰っていった。荘園で出会った一部の人間とはたまに手紙のやり取りをしている。中でも、ビクター・グランツとはよく連絡をとっている。手紙の内容は代わり映えのない近況報告。それでも、友人と呼べる人間なんていなかった僕からしたら、とても価値のあるものだ。
荘園でのゲームはクソッタレな内容だったが、大金以外にも僕に沢山のものを与えてくれた。
一つ目は他人との関わり方……いや、この言い方だとビクターに怒らてしまいそうだから
、友人、と言い変えよう。
ゲームは他サバイバーと協力、意思の疎通ができないと勝てない。これが僕にはとても難しかった。化け物の僕となんて、誰も話したがらない。ましてや、協力なんて無理な事だ。そんな僕に荘園のメンバーは根気よく付き合ってくれた。中でも、同じ頃に荘園に来たビクター、ルカは僕に寄り添ってくれた。ルカとは言い合いにもなった。ルカは柔らかそうな顔の裏でとても頑固で自分の意思を曲げない。一度火がつくと感情を面に出すくせに、ほとぼりが冷めると言い過ぎたとしょぼくれる。そんな僕達をビクターは呆れることなく、見守ってくれていた。
1413荘園でのゲームをクリアして、各々が自ら望む場所へと帰っていった。荘園で出会った一部の人間とはたまに手紙のやり取りをしている。中でも、ビクター・グランツとはよく連絡をとっている。手紙の内容は代わり映えのない近況報告。それでも、友人と呼べる人間なんていなかった僕からしたら、とても価値のあるものだ。
荘園でのゲームはクソッタレな内容だったが、大金以外にも僕に沢山のものを与えてくれた。
一つ目は他人との関わり方……いや、この言い方だとビクターに怒らてしまいそうだから
、友人、と言い変えよう。
ゲームは他サバイバーと協力、意思の疎通ができないと勝てない。これが僕にはとても難しかった。化け物の僕となんて、誰も話したがらない。ましてや、協力なんて無理な事だ。そんな僕に荘園のメンバーは根気よく付き合ってくれた。中でも、同じ頃に荘園に来たビクター、ルカは僕に寄り添ってくれた。ルカとは言い合いにもなった。ルカは柔らかそうな顔の裏でとても頑固で自分の意思を曲げない。一度火がつくと感情を面に出すくせに、ほとぼりが冷めると言い過ぎたとしょぼくれる。そんな僕達をビクターは呆れることなく、見守ってくれていた。
chanuitei
DONE #墓囚版深夜の60分一本勝負2021.10.02
お題『読書』『重み』お借りしました。
私を呼ぶ声波間をたゆたう意識が、ぎい、ぎい、と音を立てて引き戻されていく。
呼吸をひとつする度に、指先に感覚が宿る。
どこかで雨の音がする。そして、火の爆ぜる音。
ぎい、ぎい、ぎい……
気づけば、私はロッキングチェアーに揺られていた。傍らには暖炉があり、薪がバチバチと音を立てながら火を踊らせている。
夢うつつで聞いた音はこの音だったらしい。室内は薄暗く、暖炉の灯り以外、頼れるものは無かった。
視線の先には窓があるが、木が打ち付けてあって何の灯りも見えない。ただ、雨が窓を叩くその音だけが聞こえてくる。
まるで、この部屋全体が暗闇に飲まれているようだ。
「やっと起きたのか」
声のした方に視線を下げると、声の主は傍らにしゃがみこみ、赤い瞳でこちらを見上げていた。
1397呼吸をひとつする度に、指先に感覚が宿る。
どこかで雨の音がする。そして、火の爆ぜる音。
ぎい、ぎい、ぎい……
気づけば、私はロッキングチェアーに揺られていた。傍らには暖炉があり、薪がバチバチと音を立てながら火を踊らせている。
夢うつつで聞いた音はこの音だったらしい。室内は薄暗く、暖炉の灯り以外、頼れるものは無かった。
視線の先には窓があるが、木が打ち付けてあって何の灯りも見えない。ただ、雨が窓を叩くその音だけが聞こえてくる。
まるで、この部屋全体が暗闇に飲まれているようだ。
「やっと起きたのか」
声のした方に視線を下げると、声の主は傍らにしゃがみこみ、赤い瞳でこちらを見上げていた。
chanuitei
DONE #墓囚版深夜の60分一本勝負2021.09.11
お題「鮮やか」お借りしました。
花ざかりアンドルー・クレスのとある日の日記
++
荘園には鮮やかな花が咲いている。庭師の女……エマ・ウッズが手入れをして花を咲かせているらしい。風に乗って香る花の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、心に暖かいものが灯る。
花は、好きだ。晴れた日の庭に出て、花を愛でたいが太陽は僕の肌を焼き尽くそうとしてくるので、それは叶わない。
若葉が育ち、蕾ができて、いのちにみちあふれていま開こうとするその瞬間をできるのであれば、僕は沢山見てみたい。青く澄んだ空の下で太陽の下でキラキラと光る色とりどりの花達。その花の周りを飛ぶ蜜蜂。花咲くことは命の誕生だ。その光り輝く命の中に僕はいられない事が凄く寂しくて、そして羨ましかった。
この荘園に来てからも、僕は隠遁とした生活を送っている。共に戦うサバイバーとは、ゲームをする上での最低限のコミュニケーションをするだけ。一部の奴等は、僕がテーブルに俯いて誰とも目を合わさないようにしているのに、そんなのお構い無しに話しかけくる。そいつらには真っ白で化け物と罵られてきたこの見た目が、普通の人間に見えているらしい。変な奴らだ。
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荘園には鮮やかな花が咲いている。庭師の女……エマ・ウッズが手入れをして花を咲かせているらしい。風に乗って香る花の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、心に暖かいものが灯る。
花は、好きだ。晴れた日の庭に出て、花を愛でたいが太陽は僕の肌を焼き尽くそうとしてくるので、それは叶わない。
若葉が育ち、蕾ができて、いのちにみちあふれていま開こうとするその瞬間をできるのであれば、僕は沢山見てみたい。青く澄んだ空の下で太陽の下でキラキラと光る色とりどりの花達。その花の周りを飛ぶ蜜蜂。花咲くことは命の誕生だ。その光り輝く命の中に僕はいられない事が凄く寂しくて、そして羨ましかった。
この荘園に来てからも、僕は隠遁とした生活を送っている。共に戦うサバイバーとは、ゲームをする上での最低限のコミュニケーションをするだけ。一部の奴等は、僕がテーブルに俯いて誰とも目を合わさないようにしているのに、そんなのお構い無しに話しかけくる。そいつらには真っ白で化け物と罵られてきたこの見た目が、普通の人間に見えているらしい。変な奴らだ。
chanuitei
DONE #墓囚版深夜の60分一本勝負2021.09.04
お題「青空」お借りしました。
荘園を出て、一緒に暮らす二人
晴れたら青い空が少しずつオレンジに傾く。それが混ざり合い、街を深い闇に沈めていく。
僕は一日の中でその時間が一番好きだった。
太陽の日差しは僕の肌と目を焼き、「お前は日陰の存在なのだ」と指を指す。だから、太陽が死ぬ夜が好きだ。
そう思っていたのに、いつからか、太陽は僕に指を指すどころか、日差しの下に連れ出すようになった。
「アンドルー!明日、晴れたら海に行かないか?」
ルカを見ていると、眩しくて目はチカチカと点滅するし、彼の視線は僕の肌をカッと赤く染めるからルカは僕にとって太陽と同じだ。
そして、荘園でルカと出会ってから、一番好きだった太陽の死ぬ時間……夕暮れが怖く感じるようになった。
ルカは、事故の後遺症の頭痛に苦しんでいる。発作が起こると、いつもは眩い瞳からは輝きが消え、ドロドロとしたものが体から染み出す。その染みが地を這って僕の心を暗闇へと引き摺り込む。
1189僕は一日の中でその時間が一番好きだった。
太陽の日差しは僕の肌と目を焼き、「お前は日陰の存在なのだ」と指を指す。だから、太陽が死ぬ夜が好きだ。
そう思っていたのに、いつからか、太陽は僕に指を指すどころか、日差しの下に連れ出すようになった。
「アンドルー!明日、晴れたら海に行かないか?」
ルカを見ていると、眩しくて目はチカチカと点滅するし、彼の視線は僕の肌をカッと赤く染めるからルカは僕にとって太陽と同じだ。
そして、荘園でルカと出会ってから、一番好きだった太陽の死ぬ時間……夕暮れが怖く感じるようになった。
ルカは、事故の後遺症の頭痛に苦しんでいる。発作が起こると、いつもは眩い瞳からは輝きが消え、ドロドロとしたものが体から染み出す。その染みが地を這って僕の心を暗闇へと引き摺り込む。
chanuitei
DONE #墓囚版深夜の60分一本勝負第47回 お題『望遠鏡』お借りしました
telescope「今夜二人で星を見ないかい?」
ルカのその誘いにアンドルーは二つ返事で頷いた。
約束の時間、待ち合わせの庭へ行くと白くて長い筒を覗き込むルカの姿がある。
「なんだそれ」
「ああ、ちょうどいいところに来たね」
白い息を吐きながらこちらを振り返る。焦げ茶色のしっぽのような髪が揺れた。
「覗いてごらん」
上を見上げれば満天の星空があるというのに、筒を覗けとはどういう事なのか。頭の良い奴の考える事は僕にはわからない。
言われるがままに筒を覗き込むがぼんやりとしてよく分からない。
「ああ、違う違う。片目で見るんだ」
ルカは僕の背後に回って、筒を握る僕の手に手を重ねてこうやるんだと教えてくれた。
近い距離に跳ねる心臓の音が聞こえませんようにと祈りながら、言われた通りに筒を覗く。
940ルカのその誘いにアンドルーは二つ返事で頷いた。
約束の時間、待ち合わせの庭へ行くと白くて長い筒を覗き込むルカの姿がある。
「なんだそれ」
「ああ、ちょうどいいところに来たね」
白い息を吐きながらこちらを振り返る。焦げ茶色のしっぽのような髪が揺れた。
「覗いてごらん」
上を見上げれば満天の星空があるというのに、筒を覗けとはどういう事なのか。頭の良い奴の考える事は僕にはわからない。
言われるがままに筒を覗き込むがぼんやりとしてよく分からない。
「ああ、違う違う。片目で見るんだ」
ルカは僕の背後に回って、筒を握る僕の手に手を重ねてこうやるんだと教えてくれた。
近い距離に跳ねる心臓の音が聞こえませんようにと祈りながら、言われた通りに筒を覗く。
chanuitei
DONE20210807#墓囚版深夜の60分一本勝負
お題
声 誤解
7-38-55目を開けると、白い天井と真っ白い人物が見えた。
頭がぼうっとして、現状が把握出来ない。私はいつ眠ったのだろうか。
だんだんと視界がクリアになってきて、私の顔を覗き込んでいるアンドルーだとハッキリと認識できた。
「ルカ。具合はどうだ?」
じっとアンドルーの目を見つめていたら、彼は眉間に皺を寄せて、目をそらす様に俯いた。
「まだ寝起きで頭がぼうっとするが、特に問題はなさそうだよ」
手を布団の中から出して、握って開いたり、足も動かしてみたがどこも痛みは無い。
「あんた、なんでここにいるのかわかっているか?」
「いや……それが全く思い出せない」
「3日も部屋から出てこないから心配で部屋のドアを開けたら、倒れていたんだぞ」
1290頭がぼうっとして、現状が把握出来ない。私はいつ眠ったのだろうか。
だんだんと視界がクリアになってきて、私の顔を覗き込んでいるアンドルーだとハッキリと認識できた。
「ルカ。具合はどうだ?」
じっとアンドルーの目を見つめていたら、彼は眉間に皺を寄せて、目をそらす様に俯いた。
「まだ寝起きで頭がぼうっとするが、特に問題はなさそうだよ」
手を布団の中から出して、握って開いたり、足も動かしてみたがどこも痛みは無い。
「あんた、なんでここにいるのかわかっているか?」
「いや……それが全く思い出せない」
「3日も部屋から出てこないから心配で部屋のドアを開けたら、倒れていたんだぞ」
puHpus
MOURNINGツイッターに載ってる初バージョンは、鬼ちゃんの後頭部がおかしかったので直した。最初も最後もバランス確認大事だなぁ...。
でもこれはマジで、その日のうちに描いて上げたかったので、細かい下書きの詰めは犠牲になってる。
ラフ~ペン入れ大体 ...1時間弱
続き~色塗り...1時間半
バランス直し(今朝)40分くらい 4
chanuitei
DONE20210724第42回墓囚ワンドロ・ワンライ
お題 太陽 氷
溶けた氷はもう戻らない溶ける 溶ける
僕の心に降り積もった雪は、今は氷のように頑丈に僕の心を守っている。
そうする事で、弱い自分を隠して何とかここまで生きてきた。
季節がいくら移ろっても、母がいなくなったあの時から僕の内側はずっと冬だ。吹雪いていて、凍えそうに寒くて、白い息ばかり吐いていたのに、そこに突然太陽の光が射し込んだ。
その光はあつくて、あつくて、僕の凍った内側を少しずつ少しずつ溶かしていく。
ああ、やめてくれ。僕はこの季節から出る勇気無いんだ。
僕の心が剥き出しになってしまうなんて、とんでもない!そんなことになったら、僕は死んでしまう!
まだ目的が果たされないまま死んでしまうのはごめんだ!なんのために僕はここまできたのかわからなくなる。
472僕の心に降り積もった雪は、今は氷のように頑丈に僕の心を守っている。
そうする事で、弱い自分を隠して何とかここまで生きてきた。
季節がいくら移ろっても、母がいなくなったあの時から僕の内側はずっと冬だ。吹雪いていて、凍えそうに寒くて、白い息ばかり吐いていたのに、そこに突然太陽の光が射し込んだ。
その光はあつくて、あつくて、僕の凍った内側を少しずつ少しずつ溶かしていく。
ああ、やめてくれ。僕はこの季節から出る勇気無いんだ。
僕の心が剥き出しになってしまうなんて、とんでもない!そんなことになったら、僕は死んでしまう!
まだ目的が果たされないまま死んでしまうのはごめんだ!なんのために僕はここまできたのかわからなくなる。
chanuitei
DONE20210717第41回墓囚ワンドロ・ワンライ
お題は『来世』
このまま愛し 殺されてしまえればなんて幸せ僕の狂った世界の中は皆醜かった
救いを求めて向かった荘園も、醜人達の集まりだった。でも、その人達は化け物の僕にも親切に接してくれた。そこは不思議な場所だった。
そんな中でも、一際醜い男がいた。
囚人服に、首には鎖を身に付けていかにも罪人といった見た目の男は、化け物の僕よりも醜くて、誰よりも綺麗だった。
罪人に対してそう思ってしまう僕は、もしかして狂っているのだろうか。
人とは違う見た目の僕を、あいつは笑い飛ばした。
そして、こう言った。
「この世界を蝕んでいる昔からある病気の名は「偏見」だ。
たまたま君は人と違う見た目に生まれてしまっただけで、誰しもが起こりうる事。
つまらない優越感で人を罵る言葉に、傷つく必要なんて無い。そんな奴らを相手にする時間も勿体無い」
713救いを求めて向かった荘園も、醜人達の集まりだった。でも、その人達は化け物の僕にも親切に接してくれた。そこは不思議な場所だった。
そんな中でも、一際醜い男がいた。
囚人服に、首には鎖を身に付けていかにも罪人といった見た目の男は、化け物の僕よりも醜くて、誰よりも綺麗だった。
罪人に対してそう思ってしまう僕は、もしかして狂っているのだろうか。
人とは違う見た目の僕を、あいつは笑い飛ばした。
そして、こう言った。
「この世界を蝕んでいる昔からある病気の名は「偏見」だ。
たまたま君は人と違う見た目に生まれてしまっただけで、誰しもが起こりうる事。
つまらない優越感で人を罵る言葉に、傷つく必要なんて無い。そんな奴らを相手にする時間も勿体無い」
chanuitei
TRAININGルカ視点のショート墓囚短文②雑音が煩い。それは私の思考を妨げ、掻き乱す。私の最優先事項は発明だというのに、煩わしくてたまらない。
その雑音の原因は「彼」だ。いつからか、視界に入るだけで心臓の奥からノイズが聞こえるようになった。
うるさいうるさいうるさいうるさい
頭が割れそうに痛い
対応として私は自分の壊れた脳みそを利用することにした。
そう、彼の事を忘れてしまえばいいのだ。それは意外と簡単にできた。
だが、何度忘れても、暫くするとまた雑音がする。
そして、頭痛と共に、忘れていた彼の事を全て思い出してしまうのだ。
私が何度忘れても、彼はぎこちない笑顔で「初めまして」を何度も繰り返す。壊れた人形のように。
何度も何度も何度も何度も何度も!!
どうしてだ。もう、やめてくれ。どうしてなんだ。
369その雑音の原因は「彼」だ。いつからか、視界に入るだけで心臓の奥からノイズが聞こえるようになった。
うるさいうるさいうるさいうるさい
頭が割れそうに痛い
対応として私は自分の壊れた脳みそを利用することにした。
そう、彼の事を忘れてしまえばいいのだ。それは意外と簡単にできた。
だが、何度忘れても、暫くするとまた雑音がする。
そして、頭痛と共に、忘れていた彼の事を全て思い出してしまうのだ。
私が何度忘れても、彼はぎこちない笑顔で「初めまして」を何度も繰り返す。壊れた人形のように。
何度も何度も何度も何度も何度も!!
どうしてだ。もう、やめてくれ。どうしてなんだ。
chanuitei
TRAINING墓囚短文①客を招くだなんて、緊張する。
部屋を歩き回り、何度も準備に遺漏はないかチェックをした。暖炉の前には小さなテーブルに二脚の椅子。
ティーカップと受け皿を並べて、キッチンから拝借したビスケットを皿に盛った。
足りないものは何も無い。あとは愛しの彼が来るのを待つだけだ。
外では肌を刺すような風が吹き荒び、窓をガタガタと揺らしている。
部屋の中は暖炉の火があかあかと燃えて、居心地がいい。ルカは向かいの椅子に腰掛けていて、その頬は炎の熱でほてっている。
触ると燃えるように熱いのだろうか。
触れて、その熱を確かめてみたい。
なんてそんな勇気僕にはまだ無い
//
ルカは夢想した。
自分の頬を、白い手で包まれる事を。暖炉の炎の熱のような熱い彼の手。瞳は踊る炎のように燃えていて、それをじっと見つめていると喉が熱くなって、カラカラに乾いた。
485部屋を歩き回り、何度も準備に遺漏はないかチェックをした。暖炉の前には小さなテーブルに二脚の椅子。
ティーカップと受け皿を並べて、キッチンから拝借したビスケットを皿に盛った。
足りないものは何も無い。あとは愛しの彼が来るのを待つだけだ。
外では肌を刺すような風が吹き荒び、窓をガタガタと揺らしている。
部屋の中は暖炉の火があかあかと燃えて、居心地がいい。ルカは向かいの椅子に腰掛けていて、その頬は炎の熱でほてっている。
触ると燃えるように熱いのだろうか。
触れて、その熱を確かめてみたい。
なんてそんな勇気僕にはまだ無い
//
ルカは夢想した。
自分の頬を、白い手で包まれる事を。暖炉の炎の熱のような熱い彼の手。瞳は踊る炎のように燃えていて、それをじっと見つめていると喉が熱くなって、カラカラに乾いた。