Lasen73
MAIKING【実燭】極上の獲物に魅せられて魔王実休✕吸血鬼燭台切
の続きです。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20938441
極上の獲物に魅せられて 僕は、古き城の一室で数ヶ月に一度開かれる吸血鬼たちの会合に参加していた。
吸血鬼は、食料となる人の血を求めて人界に住んでいることが多いから、魔界の情報には疎くなりがちだ。それに吸血鬼ハンターやエクソシストたちの動向なども気になるから、定期的に集まって情報交換をしている。
「……そういえば、聞いたかい? あの魔王が、ある吸血鬼に惚れ込んで、血を捧げてるって噂だぞ」
長い銀髪を束ねて前に流している吸血鬼が、ワイングラスを優雅に傾けながら話す。
「……ッ!」
僕は口に含んでいたワインを吹き出しそうになって、必死に飲み込んだ。
以前、魔王が代替わりしたという話をいち早く持ってきたのも彼――大般若くんだ。彼の血族のひとりが旅好きらしく、色々な情報を集めてくるのだという。
3338吸血鬼は、食料となる人の血を求めて人界に住んでいることが多いから、魔界の情報には疎くなりがちだ。それに吸血鬼ハンターやエクソシストたちの動向なども気になるから、定期的に集まって情報交換をしている。
「……そういえば、聞いたかい? あの魔王が、ある吸血鬼に惚れ込んで、血を捧げてるって噂だぞ」
長い銀髪を束ねて前に流している吸血鬼が、ワイングラスを優雅に傾けながら話す。
「……ッ!」
僕は口に含んでいたワインを吹き出しそうになって、必死に飲み込んだ。
以前、魔王が代替わりしたという話をいち早く持ってきたのも彼――大般若くんだ。彼の血族のひとりが旅好きらしく、色々な情報を集めてくるのだという。
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MAIKINGおっぱい揉まれる燭台切の実燭「……ぁ、んんっ」
僕は昼下がりの和室で、ベストとシャツの前を開けられ、実休さんに丹念に胸を揉まれていた。素手になった実休さんの指が乳首を掠めると、出したくないのに声が出てしまう。
どうしてこんなことになったんだ。
僕はらしくない冗談を口にしたことをめちゃくちゃ後悔していた。
正月くらいは休みがあったものの、実休さんは練度上げのために年末から約三週間、ひたすら連隊戦の隊長として出陣していた。僕の本丸の主は、極になる前から入念に鍛え上げておくタイプなんだ。
恋刀の実休さんが主に目をかけられているのはいいことなんだけど、さすがの実休さんも、連日の出陣で疲れきっているようだった。
「やっと……終わったよ……」
620僕は昼下がりの和室で、ベストとシャツの前を開けられ、実休さんに丹念に胸を揉まれていた。素手になった実休さんの指が乳首を掠めると、出したくないのに声が出てしまう。
どうしてこんなことになったんだ。
僕はらしくない冗談を口にしたことをめちゃくちゃ後悔していた。
正月くらいは休みがあったものの、実休さんは練度上げのために年末から約三週間、ひたすら連隊戦の隊長として出陣していた。僕の本丸の主は、極になる前から入念に鍛え上げておくタイプなんだ。
恋刀の実休さんが主に目をかけられているのはいいことなんだけど、さすがの実休さんも、連日の出陣で疲れきっているようだった。
「やっと……終わったよ……」
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DONE恋仲になって初めての冬。一夜明けると外には雪が積もって真っ白になっていた。初めての冬 二十四日の朝。
「光忠!」
僕が朝の支度をしている間に、先に外に出た実休さんが、弾んだ声で僕を呼んだ。
昨夜から結構冷え込んでいたと思うけれど、何かいいことがあったのかな?
「どうしたの? ……わ、真っ白だね」
僕も外に出てみると、部屋の前の庭は一面銀世界になっていた。一夜の内に積もったらしく、実休さんの脛の中ほどまで雪が積もっていた。
東の空は晴れていて明るいけれど、今もちらちらと雪が舞い落ちてきている。
実休さんは初めての雪が珍しいのか目を輝かせ、さらさらの雪を掬い上げて楽しんでいた。
普段は格好良いひとだけど、こんな純粋なところは可愛いくて愛しさが募る。
「今年は暖冬かと思ってたけれど……ちょうどホワイトクリスマスになって良かったね」
972「光忠!」
僕が朝の支度をしている間に、先に外に出た実休さんが、弾んだ声で僕を呼んだ。
昨夜から結構冷え込んでいたと思うけれど、何かいいことがあったのかな?
「どうしたの? ……わ、真っ白だね」
僕も外に出てみると、部屋の前の庭は一面銀世界になっていた。一夜の内に積もったらしく、実休さんの脛の中ほどまで雪が積もっていた。
東の空は晴れていて明るいけれど、今もちらちらと雪が舞い落ちてきている。
実休さんは初めての雪が珍しいのか目を輝かせ、さらさらの雪を掬い上げて楽しんでいた。
普段は格好良いひとだけど、こんな純粋なところは可愛いくて愛しさが募る。
「今年は暖冬かと思ってたけれど……ちょうどホワイトクリスマスになって良かったね」
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MAIKING紫焔・ピアス編紫焔・ピアス編 ようやく想いが通じ合って、実休さんに抱かれた夜。抱かれるのは久しぶりだったのに、前よりもずっと気持ちが良くて、福島さんが『あれはすごくいいものだ』と言った理由が、実感できた。
抱き合って、満たされて――身体は疲れているけれど、この余韻をもう少し味わっていたい。
僕たちは裸の肌を触れ合わせたまま、密やかに言葉を交わしていた。
実休さんの手が愛しげに僕の髪に指を通して撫で、頭に頬擦りしてくる。そうして可愛がられて甘えられていると、本当に僕のことが好きなんだな、と感じられて心底幸せだった。
左の耳朶を指で挟んですりすりと撫でられる。実休さんの熱い指が心地いい。
「ここに……穴を、開けたいな」
耳朶の中心に軽く爪を立てられる。
1208抱き合って、満たされて――身体は疲れているけれど、この余韻をもう少し味わっていたい。
僕たちは裸の肌を触れ合わせたまま、密やかに言葉を交わしていた。
実休さんの手が愛しげに僕の髪に指を通して撫で、頭に頬擦りしてくる。そうして可愛がられて甘えられていると、本当に僕のことが好きなんだな、と感じられて心底幸せだった。
左の耳朶を指で挟んですりすりと撫でられる。実休さんの熱い指が心地いい。
「ここに……穴を、開けたいな」
耳朶の中心に軽く爪を立てられる。
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MAIKING顕現したての実休×極燭台切紫焔に熔ける琥珀の夜・1「おかえり、実休さん。酒盛り、楽しかった?」
「ああ、ただいま。楽しかったよ」
文机に向かい、来週の献立表の作成と必要な仕入れの計算をしていたところで、実休さんが僕の部屋に戻ってきた。
実休さんはつい先日この本丸に顕現したばかりだ。それで、極の練度も上がりきって時間がある僕が、兄弟刀ということもあり彼の教育係を担当していた。本丸の生活に慣れるまでの一ヶ月間は、同じ部屋で寝起きすることになっている。
今夜は中規模の酒盛りが行われていたけれど、僕はあまりお酒が得意ではないのと、献立表作りの仕事があったから、最初だけ顔を出して早めに引き上げていたのだった。
「光忠は……まだ仕事が?」
実休さんと福島さんは僕のことを『光忠』と呼ぶ。ふたりとも『光忠』なのだから、そう呼ばれるのはどうかと思ったのだけれど、彼らの中でこの本丸の『光忠』は僕のことらしい。
6270「ああ、ただいま。楽しかったよ」
文机に向かい、来週の献立表の作成と必要な仕入れの計算をしていたところで、実休さんが僕の部屋に戻ってきた。
実休さんはつい先日この本丸に顕現したばかりだ。それで、極の練度も上がりきって時間がある僕が、兄弟刀ということもあり彼の教育係を担当していた。本丸の生活に慣れるまでの一ヶ月間は、同じ部屋で寝起きすることになっている。
今夜は中規模の酒盛りが行われていたけれど、僕はあまりお酒が得意ではないのと、献立表作りの仕事があったから、最初だけ顔を出して早めに引き上げていたのだった。
「光忠は……まだ仕事が?」
実休さんと福島さんは僕のことを『光忠』と呼ぶ。ふたりとも『光忠』なのだから、そう呼ばれるのはどうかと思ったのだけれど、彼らの中でこの本丸の『光忠』は僕のことらしい。