おっぱい揉まれる燭台切の実燭「……ぁ、んんっ」
僕は昼下がりの和室で、ベストとシャツの前を開けられ、実休さんに丹念に胸を揉まれていた。素手になった実休さんの指が乳首を掠めると、出したくないのに声が出てしまう。
どうしてこんなことになったんだ。
僕はらしくない冗談を口にしたことをめちゃくちゃ後悔していた。
正月くらいは休みがあったものの、実休さんは練度上げのために年末から約三週間、ひたすら連隊戦の隊長として出陣していた。僕の本丸の主は、極になる前から入念に鍛え上げておくタイプなんだ。
恋刀の実休さんが主に目をかけられているのはいいことなんだけど、さすがの実休さんも、連日の出陣で疲れきっているようだった。
「やっと……終わったよ……」
昼過ぎまでの出陣をこなして帰ってきた実休さんを、僕は自室で迎えた。書き物をしていた筆を置いて、実休さんの方に向き直り、両手を広げる。
「お疲れ様、実休さん。……おっぱい揉む?」
僕自身に女性のような胸がないことは承知しているから、気分を解そうと冗談のつもりで言ったことだった。
「揉む」
なのでまさか実休さんの口から即答が帰ってくるとは思いもしなかったんだ。
「えっ……、え、ほんとに?」
真顔の実休さんは後ろ手に障子を閉めて僕のところに来ると、僕のベストのボタンを外し、シャツのボタンも外し始めた。
僕は実休さんの気迫に押されて、彼が黒い革手袋の指先を噛んで乱雑に脱ぐのを呆然と見ていた。