N_satiwo
DOODLE水ゲタ/💧〓思いっきり季節感無視。
推しの肌には彫り物を泳がせるべきだな、と思って書きました。
副題は人間と人外の恋。
更紗琉金の行方自邸の風呂釜が壊れた。
元より隙間風の風情だったが、いよいよ幽霊屋敷も目前か、などと冗談でもないことを思いながら帰路に着く。
今朝方、倅を叩き起こして朝飯を食わせてやりながら、今晩は銭湯だぞと伝えていたが、果たしてちゃんと覚えているやら。
ジワジワ名残の蝉の声。嗚呼、何故に壊れたか風呂釜よ。背中にペタリ張りつくシャツが鬱陶しく、手で顔を仰ぎ仰ぎ歩く。
「ただいまー」
軋む引き戸を開けて、奥に向かって声をかける。
応(いら)えはない。
「帰ってないのか?おーい、キタロー」
玄関にはちょっと不恰好に揃えられた下駄が置いてある。その隣にいつもの履き潰したスニーカー。
靴はあるのに……。
不思議に思って、薄暗がりの廊下を進む。斜陽がフローリングにオレンジを落とす。夕暮れが迫っていた。
2594元より隙間風の風情だったが、いよいよ幽霊屋敷も目前か、などと冗談でもないことを思いながら帰路に着く。
今朝方、倅を叩き起こして朝飯を食わせてやりながら、今晩は銭湯だぞと伝えていたが、果たしてちゃんと覚えているやら。
ジワジワ名残の蝉の声。嗚呼、何故に壊れたか風呂釜よ。背中にペタリ張りつくシャツが鬱陶しく、手で顔を仰ぎ仰ぎ歩く。
「ただいまー」
軋む引き戸を開けて、奥に向かって声をかける。
応(いら)えはない。
「帰ってないのか?おーい、キタロー」
玄関にはちょっと不恰好に揃えられた下駄が置いてある。その隣にいつもの履き潰したスニーカー。
靴はあるのに……。
不思議に思って、薄暗がりの廊下を進む。斜陽がフローリングにオレンジを落とす。夕暮れが迫っていた。
N_satiwo
DONE裏路地で色を売るゲタ吉くんの話。水ゲタです。スパイス程度のモブゲタあり〼
ハッピーエンドです✌️
*
「悪い子のところにはな」
「悪い子のところには?」
「斧持った水木がやってくるぞ」
「斧」
「食いしばり過ぎて歯が抜けるほど鬼気迫る表情で」
「歯が」
「怖いじゃろ」
「怖……」
愛を乞う者小雨の裏通りを、ボロの唐傘を差して突っ立っている。傘に空いた穴から、ぽたりぽたりと水滴が滴って、色素の薄い傷んだ髪に落ちた。
雨は好きだった。
なにだか世の中の汚れとか未練だとか、そういうものが綺麗に流れてゆく気分だったし、それに。
「やぁ、一晩どうかな」
お互い顔を気にせずに済む。
「宿代だけで結構です」
低く響く良い声だったから、身を任せてみようと思った。軽く瞼を閉じて、あの人の姿を重ねてみる。思い込んでみる。
手慣れたものだった。
だが、薄暗がりの下卑た視線に、一気に興醒めしてしまった。また妄想の中ですら、あの人が遠退いてしまう。
ゲタ吉は、情事の色が濃く残るペラペラの布団に横になったまんま、酷く冷めた心持ちで寝こける男を見遣る。しばしボンヤリしていたが、朝日が昇ったかも分からない曇天の街へ、連れ込み宿から一人、ふらりと抜け出した。
11951雨は好きだった。
なにだか世の中の汚れとか未練だとか、そういうものが綺麗に流れてゆく気分だったし、それに。
「やぁ、一晩どうかな」
お互い顔を気にせずに済む。
「宿代だけで結構です」
低く響く良い声だったから、身を任せてみようと思った。軽く瞼を閉じて、あの人の姿を重ねてみる。思い込んでみる。
手慣れたものだった。
だが、薄暗がりの下卑た視線に、一気に興醒めしてしまった。また妄想の中ですら、あの人が遠退いてしまう。
ゲタ吉は、情事の色が濃く残るペラペラの布団に横になったまんま、酷く冷めた心持ちで寝こける男を見遣る。しばしボンヤリしていたが、朝日が昇ったかも分からない曇天の街へ、連れ込み宿から一人、ふらりと抜け出した。
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DOODLE昨今流行りに流行っている転生お義父さんものです!全部幻覚です!全部!助けてくださいモブ目線です
💧→→→(超えてきちゃったあの世)→→→←〓くらいのイメージ
同級生(クラスメイト)曰く同じクラスの田中は風変わりな男だ。
浮世離れ、という言葉を体現した妖しい風情の男である。
重心をちょっと傾けて、肩から先に突き出るようにゆらぁりと歩く姿なんて特に。不健康な猫背で、通りすがりに不協和音の鼻歌が微かに聴こえる。そんな男。
田中の襟のよれたシャツからはいつも、薄ら紫煙の香りがしていた。だが、煙草というよりも線香の煙のような、掴みどころのない男だった。
欠席がちで、出席日数ギリギリのラインをいつも何とか埋め合わせている。一体なぜそうも学校に来られぬのか不思議に思っていたが、最近になってそのワケが解明されつつある。
数ヶ月前に転校してきた、水木という男子がいる。
凛々しい眉、涼しげな目元に甘い涙袋、通った鼻梁、勝気な唇と絵に描いたような男前。そのうえ成績優秀、柔道黒帯、寛仁大度ときては、遍く人類にモテそうで、俺は奥歯をギリギリ噛み締めたものである。
3006浮世離れ、という言葉を体現した妖しい風情の男である。
重心をちょっと傾けて、肩から先に突き出るようにゆらぁりと歩く姿なんて特に。不健康な猫背で、通りすがりに不協和音の鼻歌が微かに聴こえる。そんな男。
田中の襟のよれたシャツからはいつも、薄ら紫煙の香りがしていた。だが、煙草というよりも線香の煙のような、掴みどころのない男だった。
欠席がちで、出席日数ギリギリのラインをいつも何とか埋め合わせている。一体なぜそうも学校に来られぬのか不思議に思っていたが、最近になってそのワケが解明されつつある。
数ヶ月前に転校してきた、水木という男子がいる。
凛々しい眉、涼しげな目元に甘い涙袋、通った鼻梁、勝気な唇と絵に描いたような男前。そのうえ成績優秀、柔道黒帯、寛仁大度ときては、遍く人類にモテそうで、俺は奥歯をギリギリ噛み締めたものである。
N_satiwo
PAST💧←👹(〓)のようなものいかに攻めに見えようと受けは受けです、断固として
※謎の力が働いて👹の見た目が急成長した、という設定なので、一人称などは変更していません
※ゲ謎入村後、出村できず、墓場鬼太郎1話と6期鬼太郎数話、インターネットのにわか知識、多大なる幻覚をもとに、アツイ内に打て!と書いたものです
※様々な設定がゴチャゴチャと混ざり合っています
※分からない何も……気が狂いそう
義父が子を押し倒す話*
「ホラ、これで文句は無いですね」
「ひぇ……」
父・水木は困惑していた。
自ら手塩にかけて育てた愛くるしい化け物が、やはり化け物だったのである。ほんの数日前まで小学生ほどのちまこい少年であったのに。どうしたことか、今や立派な青年に育っていた。比喩ではなく。
柳のように何とも不可思議な色香を持った男である。薄く、血色のない瞼に長い前髪がかかり、ツイと耳にかける仕草さえ匂立ちそうな。その流し目で、女の一人二人射抜き殺しそうな艶っぽい男。
ソレに跨られ、壁際に追いやられ、ずずいと迫られている。
「好い加減、腹を決めてください。水木さん」
心中も厭わないとでも宣うように吐息まじりに色っぽく囁かれ、水木は父として、断固として絶叫した。
2099「ホラ、これで文句は無いですね」
「ひぇ……」
父・水木は困惑していた。
自ら手塩にかけて育てた愛くるしい化け物が、やはり化け物だったのである。ほんの数日前まで小学生ほどのちまこい少年であったのに。どうしたことか、今や立派な青年に育っていた。比喩ではなく。
柳のように何とも不可思議な色香を持った男である。薄く、血色のない瞼に長い前髪がかかり、ツイと耳にかける仕草さえ匂立ちそうな。その流し目で、女の一人二人射抜き殺しそうな艶っぽい男。
ソレに跨られ、壁際に追いやられ、ずずいと迫られている。
「好い加減、腹を決めてください。水木さん」
心中も厭わないとでも宣うように吐息まじりに色っぽく囁かれ、水木は父として、断固として絶叫した。