kirche_is_dcst
DONEお酒飲めないのかわいいよね酒癖の悪いゲの千ゲネタ「 ……飲まないの、ゲン?」
酒杯を手に問いかけられて、苦笑する。
目の前の青年は、先程からかなりのペースでグラスを空けているが、顔色ひとつ変えていない。高校生のような顔をして、かなりの酒豪であることが窺えた。
「 ん〜、俺はお酒よりコーラかな」
あまり強くないし、とやんわりゲンは辞退する。
「 何を言っている!せっかくの千空の二十歳の誕生日だ!遠慮せずに貴様も飲め!」
言葉を聞き咎めて、龍水は豪快に笑うと、ゲンのグラスに酒を注いだ。
千空の成人祝い。
そう言われると、固辞するのも躊躇われて。
「 千空ちゃん、お誕生日おめでとう」
そう声をかけて、グラスを鳴らす。
「 おう。……テメーが酒呑むなんて珍しいな」
普段はどんな宴席でも頑なに酒を飲まないことを知っている千空は、意外そうにそう応じた。
1964酒杯を手に問いかけられて、苦笑する。
目の前の青年は、先程からかなりのペースでグラスを空けているが、顔色ひとつ変えていない。高校生のような顔をして、かなりの酒豪であることが窺えた。
「 ん〜、俺はお酒よりコーラかな」
あまり強くないし、とやんわりゲンは辞退する。
「 何を言っている!せっかくの千空の二十歳の誕生日だ!遠慮せずに貴様も飲め!」
言葉を聞き咎めて、龍水は豪快に笑うと、ゲンのグラスに酒を注いだ。
千空の成人祝い。
そう言われると、固辞するのも躊躇われて。
「 千空ちゃん、お誕生日おめでとう」
そう声をかけて、グラスを鳴らす。
「 おう。……テメーが酒呑むなんて珍しいな」
普段はどんな宴席でも頑なに酒を飲まないことを知っている千空は、意外そうにそう応じた。
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DONEリハビリ用にお題いただいたss。復興後にルームシェアしてる千ゲ。ゲを甘やかしたい千の話ハピネス ── そういうのが、ハピネス。
……少し前から、ゲンとルームシェアを始めた。都心の高級マンションを引き払って、こちらに越してきたのはゲンなりの配慮なのだろう。
そう思うと、常にこちらの思考の先を読んで気遣われているのが、なんだか据わりが悪くて。いつまでもガキ扱いしてんじゃねぇぞ、と複雑な気分になる。
わかっている。
子供扱いしているから配慮しているわけではないのも、それが彼なりの愛情表現であるのも。けれど。
好きな相手にいつまでも一人前扱いされていないような、非合理的な感情に侵蝕されてしまって。ああなるほど、これが恋愛脳ってヤツかと苦笑した。
何かしてやりたい。
そう思っても、こちらが差し出す事象すべてをひどくうれしそうに受け取るものだから、逆に何をしてやれば喜ぶのかがわからない。
1403……少し前から、ゲンとルームシェアを始めた。都心の高級マンションを引き払って、こちらに越してきたのはゲンなりの配慮なのだろう。
そう思うと、常にこちらの思考の先を読んで気遣われているのが、なんだか据わりが悪くて。いつまでもガキ扱いしてんじゃねぇぞ、と複雑な気分になる。
わかっている。
子供扱いしているから配慮しているわけではないのも、それが彼なりの愛情表現であるのも。けれど。
好きな相手にいつまでも一人前扱いされていないような、非合理的な感情に侵蝕されてしまって。ああなるほど、これが恋愛脳ってヤツかと苦笑した。
何かしてやりたい。
そう思っても、こちらが差し出す事象すべてをひどくうれしそうに受け取るものだから、逆に何をしてやれば喜ぶのかがわからない。
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DONEフライミートゥザムーン月ロケット千ゲプロポーズネタ。
あれこれ捏造あり
フライミートゥザムーン
「 ……ここはさ、星が近いね」
天文台の窓から空を見上げて、夜空の色の瞳をした男はそう呟いた。視線だけをそちらに向けて、続きを促す。
「 現代ではさ、地上が光に溢れてたから。逆に、空の星が遠い気がしてた」
「 距離は変わらねぇぞ」
「 うん、そうなんだけど。……ここは、空が近くて。星に手が届きそうだなって。
落ちてきそうな星空って、きっとこういうのね」
いつになく饒舌に、夜空の色の瞳にきらきら星を映したみたいに言うものだから。
「 ……いつか」
「 え?」
「 ……いつか、テメーにひとつ、取ってやるよ」
ぼそりと。言うつもりもなかった言葉が、口をついて出た。
ゲンは、キョトンとこちらをふりかえったあと。しろい花が開くように、ふんわりとわらった。
2706「 ……ここはさ、星が近いね」
天文台の窓から空を見上げて、夜空の色の瞳をした男はそう呟いた。視線だけをそちらに向けて、続きを促す。
「 現代ではさ、地上が光に溢れてたから。逆に、空の星が遠い気がしてた」
「 距離は変わらねぇぞ」
「 うん、そうなんだけど。……ここは、空が近くて。星に手が届きそうだなって。
落ちてきそうな星空って、きっとこういうのね」
いつになく饒舌に、夜空の色の瞳にきらきら星を映したみたいに言うものだから。
「 ……いつか」
「 え?」
「 ……いつか、テメーにひとつ、取ってやるよ」
ぼそりと。言うつもりもなかった言葉が、口をついて出た。
ゲンは、キョトンとこちらをふりかえったあと。しろい花が開くように、ふんわりとわらった。
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DONEJust married!ひとはほんとうにいとおしいものには、くちびるでふれたくなる。というエピソードから。
キスの日に書いた千ゲが結婚するまでの21日間のお話。
https://twitter.com/kirche_is_dcst/status/1395707714911629312?s=21
場所ごとの意味はこちらから
……今日から毎日、キスをしよう。
どちらからでもいい。ただし場所は頭の天辺から、爪先まで順番通りに。
まるでアドベントカレンダーだとわらって、同居人の男はその提案を受け入れた。
一日目は、隣に眠るたいせつなひとの髪に、くちづけを。
起きている時にはなかなか伝えられない、思慕を込めて。
二日目は、論文が賞を獲得したと言う君の額に、キスをした。精いっぱいの、俺からの祝福。
三日目は、そっと閉ざされた瞼に、くちづけを。たかだか四歳の差だと言うのに、こちらばかり面倒を見られている気がする。軽口を叩いていても、自分の仕事にだけは確固たるプライドを持っている、彼への憧憬。
四日目は、レポートに夢中でせっかくのオフなのに芸能人様のコイビトをほったらかしにしているお仕置きに、耳にキス。
1794どちらからでもいい。ただし場所は頭の天辺から、爪先まで順番通りに。
まるでアドベントカレンダーだとわらって、同居人の男はその提案を受け入れた。
一日目は、隣に眠るたいせつなひとの髪に、くちづけを。
起きている時にはなかなか伝えられない、思慕を込めて。
二日目は、論文が賞を獲得したと言う君の額に、キスをした。精いっぱいの、俺からの祝福。
三日目は、そっと閉ざされた瞼に、くちづけを。たかだか四歳の差だと言うのに、こちらばかり面倒を見られている気がする。軽口を叩いていても、自分の仕事にだけは確固たるプライドを持っている、彼への憧憬。
四日目は、レポートに夢中でせっかくのオフなのに芸能人様のコイビトをほったらかしにしているお仕置きに、耳にキス。
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DOODLE猫間さんのツイートに脊髄反射で書いたゲの惚気話に付き合ううっきょさんの小話。復興後ネタ「 ……久しぶり。千空とはどう?うまくやってる?」
ふいに出かけた店先で出会った見知った顔。
懐かしくなって、ゲンは声の主に笑顔を向けた。
「 なぁに?俺の惚気に付き合ってくれるの、羽京ちゃん?」
言葉に、羽京はお手柔らかにね、とやわらかく笑顔を返した。
カララン、と音を立てて、喫茶店のドアを潜る。カウンターでコーヒーと軽食を注文して、突き当たりの大通りに面した席に座った。
羽京の近況や、かつて共に過ごした友人、仲間たちについて。
こちらの近況や、仕事について。
話題は尽きなくて、さまざまな情報を交換した。
「 それでね、一緒に暮らし始めて、俺が一番千空ちゃんにキュンとしたのはね…… 」
そこで、一拍溜めを置いて。
741ふいに出かけた店先で出会った見知った顔。
懐かしくなって、ゲンは声の主に笑顔を向けた。
「 なぁに?俺の惚気に付き合ってくれるの、羽京ちゃん?」
言葉に、羽京はお手柔らかにね、とやわらかく笑顔を返した。
カララン、と音を立てて、喫茶店のドアを潜る。カウンターでコーヒーと軽食を注文して、突き当たりの大通りに面した席に座った。
羽京の近況や、かつて共に過ごした友人、仲間たちについて。
こちらの近況や、仕事について。
話題は尽きなくて、さまざまな情報を交換した。
「 それでね、一緒に暮らし始めて、俺が一番千空ちゃんにキュンとしたのはね…… 」
そこで、一拍溜めを置いて。