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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    kirche_is_dcst

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    フライミートゥザムーン

    月ロケット千ゲプロポーズネタ。
    あれこれ捏造あり

    #現パロ千ゲ(復興後)

    フライミートゥザムーン


    「 ……ここはさ、星が近いね」
    天文台の窓から空を見上げて、夜空の色の瞳をした男はそう呟いた。視線だけをそちらに向けて、続きを促す。
    「 現代ではさ、地上が光に溢れてたから。逆に、空の星が遠い気がしてた」
    「 距離は変わらねぇぞ」
    「 うん、そうなんだけど。……ここは、空が近くて。星に手が届きそうだなって。
    落ちてきそうな星空って、きっとこういうのね」
    いつになく饒舌に、夜空の色の瞳にきらきら星を映したみたいに言うものだから。
    「 ……いつか」
    「 え?」
    「 ……いつか、テメーにひとつ、取ってやるよ」
    ぼそりと。言うつもりもなかった言葉が、口をついて出た。
    ゲンは、キョトンとこちらをふりかえったあと。しろい花が開くように、ふんわりとわらった。

    『 Fly me to the moon. And let me play among the stars. Let me see what Spring like On Jupiter and Mars. In other words, hold my hand〜……♪』
    月へ向かうロケットが完成間際となり、最終調整を行う合間、立ち寄ったレストルームから歌声が聴こえた。
    チョイスがまた、わざとらしいくらいだ。
    「 引きずってでも連れてくから、安心しまくれ。……月には何がいるかわからねぇ。
    だが、言語の通じる、意思疎通の可能な相手なら─── テメーの出番だ。メンタリスト」
    言葉に、振り返って。
    男はあの時と同じ、夜空の色の眸で剣呑にわらった。
    「 相変わらず無茶振りなんだから。……メンタリストにそう言う勝負、挑んじゃう?」
    一瞬、間があって。
    二人で顔を見合わせると、耐えかねたように互いに吹き出した。
    「 おう、頼りにしてんぞ、メンタリスト」
    けれど、今日はこんな話をしにきたのではない。危うく男の誘導に乗りかけて、ひとつ息をついて思考を切り替える。
     ……手のひらに、じわりと汗が滲む。
    こんなに緊張するのは、いつ以来だろう。
    それをなるべく表情に出さないように、男に向き直った。
    「 ……ゲン」
    普段あまり呼ばれ慣れない名に、わずかに動揺の色が浮かぶ。……よし、こちらのペースだ。
    「 ちぃっと、手ェ貸せ。……左手な」
    ゲンは小首を傾げながら、素直に左手を差し出してくる。
    「 先にテメーに言っとくことがある」
    靭い目で、じっと見上げた。結果的に拒否権は与えても、反駁は許さない。
    それを察したのか、ゲンは息を呑んでこちらの言葉を待った。
    「 テメーが好きだ。結婚してくれ。……今すぐ」
    そう言って、左手の薬指にそっとくちづける。ポケットからほっそりとした銀色の金属を取り出して、言葉を継いだ。
    「 ……コイツを受け取ってほしい」
    差し出された指輪の内側には、澄んだ緑色をしたガラス質の石と、四角い銀色の細石が嵌っている。
    緑の石は見たことがある。モルダバイト。宇宙を起源とする硝子質の石。……銀色のは何だろう。
    「 ギベオン。小せぇが、隕石だ。ジョエルに教わって俺が加工した」
    隕石。……星。それってまさか。
    目を見開くゲンに、千空はニヤリと笑った。
    「 ……いつか言ったろ。ひとつ、取ってやるって」
    あんな。
    その場の些細な口約束を覚えてくれていたなんて。そして、その約束を提げて、今、千空からプロポーズされているなんて。
    現実感がなさすぎる。
    茫然とするゲンの薬指に、指輪を嵌めて。
    もう一度。
    今度は指輪を嵌めた指にくちづけた。
    「 ……さっきの歌の続きだろ」
    え。と記憶を遡る。うた。
    Fly me to the moon(私を月まで連れてって)
    1950年台のジャズナンバー。
    原題は『 In other words』。
    ええと、それで?続き?
    混乱していると、千空はふっとわらって。
    伸びやかな声で歌を継いだ。
    『 In other words, hold my hand, in other words Darlin' kiss me〜……♪』
    言い替えると、手を繋いでて欲しいの。
    もっと言うと、キスしてほしいの、ダーリン。
    ……それに気づいて、顔から火が出るほど真っ赤になった。
    それにクククと笑いながら、ふと改まった顔をして訊いた。
    「 それで、返事は?」
    「 うん、じゃあ、俺も千空ちゃんに倣って」
    くすりとわらうと、すうと息を吸い込んでうたをつないだ。
    『 In other words, please be true  In other words 〜……♪ 』
    言い替えると、君に嘘はつかない。だから、ホントにして。
    「 俺も、千空ちゃんが好きだよ。……だから、結婚してください」
    改まってそう言うと、千空はわかりやすく赤くなって。誤魔化すように頭を掻きながら、
    「 お、おう……その…… 」

    「「 俺の家族になってください 」」

    最後は、二人同時にそう言って。もう一度顔を見合わせて笑いあった。

     ……千空に手を取られて向かった先には、これまで一緒に過ごしてきた皆んながいて。
    ブーケとベールを差し出してくれた。
    「 だって千空くんたら急に言い出すんだもの。前もって言ってくれたら、もっと二人に似合う服作ったのに」
    そうぼやく幼馴染に、千空は苦笑した。確かに、手順も何もあったものではなかったから、ご不満ごもっともだ。
    「 悪りぃな、杠先生」
    そう詫びると、ピンで胸に花を飾ってくれた。目が合ったところで、いつものおっとりした笑顔をうかべる。
    「 いいよ。……おめでとう、千空くん、ゲンくん。二人のお祝い出来てうれしいよ」

    急なことで豪華な衣装も御馳走も何もなかったけれど、祝福してくれるひとたちの笑顔に囲まれて、とてもしあわせなひとときを過ごした。

    「 ねぇ、ところで千空ちゃん」
    「 あ"ぁ?」
    「 今このタイミングで結婚式ってことはさ」
    脳裏を掠めた事柄を察したのか、隣で新郎はニヤリとわらう。
    「 あ"ぁ。……月で、ハネムーンと行こうぜ」
    帰ったら、朝まで離さねぇ。
    「 ジーマーで…… 」
    ムードがないことこの上ないが、いよいよ真実に迫れる、謎を解明できる。
    空を見上げて、そう目を輝かせるパートナーを見たら、そんなことはどうでもよくなった。
    「 じゃあ、速攻で片をつけて、あとはゆっくりハネムーンといこっか。……頼りにしてるよ、ダーリン♬」
    戯けた口調でそう言うと、
    「 あ"ぁ。……頼りにしてるぜ、ハニー」
    そう囁いて、そっとゲンを抱き寄せてキスをした。
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