igomori_DGS
DONE龍→(←)アソ。1–1前の夏の二人。ネタバレ要素はほぼないですが一応2クリア推奨です。この時代の大学は九月始まりらしいって書いてる途中で知りました。許して。二度目の春。 ぼたっ、と騒がしい蝉の大合唱の中で何故かやけに耳についた音につられて右を振り向けば、試験勉強のためしばらく部屋に閉じこもっていた白い頬を大粒の汗が伝い、少し痩けたように見える顎先から滴り落ちた。
ぼたたっ、と今度は続けて地面に染みが作られる。
「亜双義、鉢巻すごい色だぞ」
「……そうか」
限りなく黒に近づいた額の赤を指差せば、滅多にない虚ろな返事。空のラムネ瓶を握った右手はそのままに左手のみで結び目を解こうと悪戦苦闘していた亜双義だが、早々に諦めて額と鉢巻の間に指を入れて取っ払った。
犬か猫みたいに頭を振って雫を飛ばして、どっしりと汗を吸った真っ赤な輪っかを眺めてため息を吐いた。
「……楽になった」
4307ぼたたっ、と今度は続けて地面に染みが作られる。
「亜双義、鉢巻すごい色だぞ」
「……そうか」
限りなく黒に近づいた額の赤を指差せば、滅多にない虚ろな返事。空のラムネ瓶を握った右手はそのままに左手のみで結び目を解こうと悪戦苦闘していた亜双義だが、早々に諦めて額と鉢巻の間に指を入れて取っ払った。
犬か猫みたいに頭を振って雫を飛ばして、どっしりと汗を吸った真っ赤な輪っかを眺めてため息を吐いた。
「……楽になった」