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    もちこの本棚📖

    @zunnda_motico

    Twitter(X)で投稿したものをこちらにも上げています✍️
    現在GW:T(K暁とCPなしメイン、たまに暁K、)作品になります
    (アイコンはいかてんころもさん(@Ikaten_koromo)作です☺️ありがとうございます☺️)

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    某睡眠アプリネタです、幽霊けっけならこれやるよねっ!ていう…
    ちなみに私も入れたのですが、4時ぐらいにうなりまくっててちょっとひきましたね

    #K暁

    「最近、睡眠を記録して解析してくれるアプリを入れたんだよね」
    ふよふよと隣に浮いているKKに暁人はスマホの画面を見せる。睡眠時間やどれくらいぐっすり眠れているかが記録されるそうだ。最近は便利なものがあるな、とKKは少し興味を持つ。
    『人のことを言える立場じゃねぇが、オマエ睡眠時間短すぎねぇか?』
    「いろいろやってると時間が無くなっちゃうんだよね」
    暁人の平均睡眠時間は四時間ほどで、一般的に推奨されている七時間には届かない。何も予定のない休みの日は寝溜めするように八時間ほど寝ることもあるが、健康上あまり良くないのは事実だった。
    「このアプリさ、睡眠時間が長ければ長いほどこのキャラクターが育つんだって。これなら僕も意識して睡眠を取るようになるかもって思ったんだよ」
    ほら、この子KKに似てるだろう?と画面のキャラクターを指差す。目付きが悪くて真っ黒の生き物が画面上でちょこちょこ動いていた。
    『可愛くねぇな』
    「可愛いよ」
    暁人は画面上のその生き物を愛おしげに指先で撫でると、それを見たKKは少し嫉妬する。嫉妬の感情が伝わったのか「霊体のKKには触れないから、代わりにね?」とまた画面上の生き物を撫でる。
    少ししんみりとした空気が流れる中、暁人が思い出したようにアプリを操作する。
    「そういえば、寝ている間に寝返りとか寝言の音声データも記録してくれるんだって!気になってたんだよね」
    データを確認すると、寝返りを打ったような音と微かな寝息しか記録されておらず暁人は少しだけガッカリした。
    『…というか、オレがいるんだからそんなので記録しなくても寝言とかイビキかいてたら教えてやるよ』
    「KK、ちょっと対抗しようとしてない?」
    『うるせぇよ、んな訳あるか』
    「ははっ、でも良かった。ラップ音とかそういう霊的な音が入ってるって人もいたみたいでさ」
    この家はそういうのがいないってことだね、と暁人は呑気に言うも
    『いや、オレがそうだろ』
    そんなKKのツッコミで二人は大笑いしてしまった。

    翌朝、モーニングコールならぬ金縛りコールで目を覚ました暁人はKKに寝ぼけた声でおはようと呟きながら早速アプリで睡眠解析を確認する。
    今日は六時間も寝た上に、ぐっすり眠っている時間も長かったようで画面上のキャラクターも少し育った。満足気に暁人はKKに似た生き物を指先で撫でる。音声データを確認すると、昨日よりも明らかに件数が多く暁人は二度見した。
    「え、もしかしてイビキかいてた…?」
    順に再生していくと、昨日と同様に寝返りをうつ音と寝息とは明らかに違うデータがあった。再生すると、ボソボソと人の声が入っている。音量を上げてみたがはっきりと聞こえずスマートフォンのスピーカーに暁人が耳を近づける。
    近づけた瞬間、わッッ!!!と大きな声が耳元で再生されて、驚いた暁人が叫びながら思わずスマートフォンを投げそうになった。
    こんなイタズラ、誰がやるかなんて明白で
    「けぇーけぇー……?」
    おっと、やりすぎたかとKKが少し反省したのも遅く、暁人が静かなる怒りを隠した笑顔でKKを見つめる。
    「今日はタバコのお供えなしだからな」
    『お、おいおい、勘弁してくれよ』
    「ダメったらダメだ、お酒も今日はナシ!」
    『なッ』
    珍しく動揺するKKが面白くて、実はそんなに怒っていなかった暁人はむしろ良い気分でベッドから降りた。
    子供みたいなことをするKKが、愛おしくなってしまった暁人なのであった。
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    DONE過去に幽霊けけシリーズの短編で書いたものを加筆修正しました。お題は「傘」をお借りしています。

    幽霊けけシリーズってなぁに?という方は本編後の暁人くんの元に幽霊として帰ってきたKKが再び一心同体状態で生活を共にしている、という設定が前提にあるおはなし、と解釈していただければ…!
    (過去作を読んでいただけると尚のこと嬉しいです………!)
    幽霊の相棒と、傘と ――スマートフォンのアラーム音が鳴る。
     うーん、と軽く唸りながら暁人がスマホに手を伸ばし、画面も見ずにアラーム解除をタップした。まだ眠り足りない暁人が再び眠りにつこうとすると、突然金縛りにあったように体が動かなくなり、目がバチッと開かれ閉じることが出来なくなる。ずしり、と体の上に何かの重さを感じ、恐る恐るソレの正体を確認…することはなく
    「けぇけぇ……金縛りで起こすのやめてくれる…?」
     寝起きの少し掠れた声で暁人が困った顔をした。
    『こうでもしないと起きないだろ、オマエ』
     金縛りを起こしたのは幽霊の相棒である、KKの仕業だった。霊体姿で暁人の上に胡座をかいて座っている。
    「大丈夫だよ……二度寝したって間に合うようにアラームセットしてるんだから……」
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    DONE2024年2月25日
    K暁オンリーイベント、開催おめでとうございます🥳
    K暁デーネットプリント企画、お題「バレンタインデー」で書かせていただきました。
    同棲軸の二人のはなしです🍚
    ※既にお知らせしていますが、本部様のネップリアンソロに申請させていただいた予約番号は不備があったためすでに削除しています。白黒版、修正したカラー版を登録し直したので、詳細はTwitter(X)をご覧下さい!
    ビターな思い出を塗り替えて「KK、いつもありがとう」
     お皿の上にちょこんと乗せられたそれは、どうやらチョコレートケーキのようだ。
    「あ?……昨日作っていたのは、それだったのか」
     昨日の夕方頃、帰宅すると部屋中チョコレートの甘い香りで包まれていて、その残り香が甘ったるくてつい顔を顰めてしまった。その香りの正体が、これだというわけだ。
    「甘さ控えめにしたからさ、KKでも食べられると思うよ」
     食べてみて苦手なら残してもいいからさ、と暁人は皿をずずいっとオレの前に差し出してくる。残してもいいと言うが、せっかく作ってくれたものを食べないわけにもいかない。とりあえず一口、と控えめにスプーンですくって口へと運ぶ。
    「…………美味いな、これ」
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    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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