あのホリデーを経てオレとジャミルの関係は表面上は変わらないように見えても今までのものとは確実に変わっていた。
ジャミルがオレの世話をしてくれるのは、仕事だからでオレのことはただの主人としか見てなかった。オレはジャミルのことずっと家族のような存在だって思ってたのに、一番の親友だって思ってたのに、全部違ってた。オレの独り善がりだったんだ。
ジャミルにとってはそうじゃなくっても、オレにとってはジャミルは一番大切な存在で、生きていくのに欠かせない。なんとかしてこれからも隣に繋ぎ止めておきたい。ワガママなんて言える立場ではないことはわかっているのにどうしても譲れないのは、オレが「傲慢」だからだろう。
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