戦闘後のロマンティクス1 ファウンデーションとの戦闘後、歓喜に沸くブリッジをノイマンはそっと抜け出した。あのままブリッジにいたら熱に呑まれてしまうような気がしていた。装甲を展開し回避もせず敵陣を最大戦速で突っ切るのも、衝角をもって敵艦に突撃するのも、初めてのことである。通常ならば死にに行くような操縦をした事でひどく興奮している自覚があった。パイロットスーツを着ているのも非日常な興奮に拍車をかけている。早く一人になって頭を冷やさなくては。その一心でロッカールームに駆け込み手早く着替え、部屋を出ようとして、その前に扉が開く。
「ノイマン大尉、こちらにいましたか」
アルバート・ハインライン技術大尉、プラントでは名の知れた開発者で先ほど使用した数々の武装も彼が開発したものだ。そしてミレニアムのクルーでもある。とはいってもノイマンとは出航前に設備や仕様の確認のために少し会話した程度での関係ある。用事があるような口ぶりだが、ノイマンには心当たりはなかった。
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