閉じたカーテンの隙間から漏れる白い光で朝を知った。時刻を見るのにスマホに手を伸ばそうとして、やっぱりやめる。今日は完全オフで早く起きる必要はないし、なにより隣で眠る人を起こすのは忍びなかった。
雨彦さんの大きな体に合わせたベッドの中にふたりでぎゅうと収まっている。こちら側を向いて目を閉じている雨彦さんの前髪は無造作に額にかかっていて、昨晩の名残りに記憶がぽつぽつと呼び起こされる。昨夜、僕と雨彦さんは初めて繋がった。終わる頃の意識は曖昧だけれど、雨彦さんに介添されながらなんとかシャワーを浴びた気がするし、嘘みたいに痛い下半身があの記憶は事実だと教えてくれている。決して激しくされたわけではないのだが、それでもこんなに身体に響くのだなあと他人事みたいに考えて、今日が休みでよかったと思った。
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