魔法の布巾は上の棚の奥の奥/🥞🎩「お茶請けにはホットケーキがいい」
そう言ったのは悪魔くんだった。
出会って三日ほど経った、天気の良い昼下がりのことだ。
パパとおじさんに引き合わされたのはいいけれど、いったい何をしたらいいのかまだつかみ切れていなかったおれは、なんとなく体にまとわりついてくる居心地の悪さを脱ぎ捨てようとした結果、おやつでも食べようかな、なんて言った。それに対して返ってきた言葉がお茶請けにはホットケーキがいい、だ。まあ、たしかにホットケーキはおいしい。
「それって、焼けってことかよ」
「ほかになにがあるんだ? おやつにしようと言ったのは、君じゃないか」
「それはそうだけど、だれも作るなんて言ってないだろ」
「そうなのか。じゃあ、チョコバーを買ってきてくれ」
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