秋の実り「ここの主は雅というものを本当にしらないようだね?」
腰と顔に手を当てて、綺麗なお顔を歪ませて、雅代表と言えばこの方、歌仙兼定は呆れ混じりの声で呟いた。
「生まれ故郷は武蔵野の田舎の田舎の、水田ばかりで古の風習が未だに残るど田舎。柿は丸かじりが美味いのよ。文句ある?」
「剥くのが面倒なだけだろ!?貸し給え、少しまってなさい!!」
ぷりぷりと怒る、弊本丸の台所の守護神オカンの一人でもある歌仙兼定は残りの柿の箱を奪い台所に向かっていった。
「………主、あぁは言ってるけど歌仙は!」
「ん?わかってるわ。あぁは言いながらも、面倒見はいいからね。」
私の私室の縁側で、一緒に柿を丸かじるしてた小夜左文字が慌てて喋るの所を被せるように返事する。私の言葉に小夜はほっと顔をする。
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