バレンタイン※ぐだロビ。ふんわり大学生
「あ、えっと……この後とかって空いてますか?」
「はあ、まあ……ああ言った手前、空いてなくても空けますけど……」
「空いてたらで大丈夫なので」
「冗談ですよ。空いてるから安心してくれ」
そう言うと隣に並んで歩く同じ大学の一つ下の後輩、藤丸立香は人の良さそうな顔でほっと小さく息を吐いていた。
マズイ……。見えてんだよなぁ、藤丸のその可愛いような可愛いくない様なキャラクターの書かれた白いトートバッグから覗く、明らかにバレンタインのチョコレートが。
友人のバイト先の知り合いで、なんとなく知り合った藤丸立香という男。
青い瞳をキラキラと輝かせて自分を見つめる瞳は何処か自分を遠巻きに、でもじっとりと見詰める女性陣のそれよりももっと厄介な輝きだった。
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