りんごアレルギー「せんせーこれあげる!!」
放課後、playerがあるものを持ってきた。
「やあplayer!今日も元気だね...って、それ、ボクにくれるのかい?」
「うん!もちろん!」
「それはとてもうれしいよ!なんたってりんごはボクの大好物だからね!」
そうだ。りんごはボクの大好物だ。りんごが大好きだ。......だいすきだ。
「とてもおいしいよ!ありがとうplayer!」
「せんせーがよろこんでくれてよかった!」
おいしい、おいしい、りんごおいしい、おいしい......
「気を付けて帰るんだよ!」
「はーい!せんせー!さよーなら!!」
「うん、さようなら!」
.........おいしい、のに。
「くちのなかが、かゆい」
「ピリピリする」
「からだが、かゆい、かゆい、かゆい...」
ボクは、りんごが大好きじゃないといけないのに。
からだが、言うことを聞いてくれない。
せっかくplayerがくれたのに。
とても、おいしいのに。
「...なんで、こんなに、苦しいんだろう。」
...次の日。
「せんせーおはよー!!」
「やあ、おはよう!今日も学校に来れて偉いね!」
「せんせー!あのね...」
「うん?どうしたんだい?」
「これ!あげる!」
「......!こんなにたくさん、どうしたんだい!?」
「パパとママが、せんせーにって!」
ある生徒から差し出されたのは、バスケットに入った6個のりんご。
「......」
「せんせー?どうしたの?」
「...!あ、いや、なんでもないよ!りんご、ありがとうね!○○のご両親にもありがとうございますって伝えておいてくれるかい?」
「うん!わかった!きょうもおべんきょうがんばる!」
「おっ!えらいね~!先生期待してるね!」
「......困ったな」
「1個食べるだけでも苦しいのに、6個なんて...」
「......いや、せっかくもらったのだから、食べないなんて選択肢はない。きっと食べられる。」
「だってボクは、"りんごが大好き"だから。」
「...まずは1個。いただきます。」