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    mohuinu3

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    現パログラ♀シス(二人とも高校生)

    #グラシス
    glacis
    #女体化
    feminization

    現パログラ♀シス(二人とも高校生)が夏の海に出かける話※注意!シエテも♀です。

    水着に着替えたら更衣室の前で落ち合おう。
    そう言ってそれぞれプールバックを手に別れ、先に待ち合わせ場所に来たのはシスの方だった。更衣室からは若者達や家族連れが楽しげに喋りながら出てくる。海水浴場へ向かう後姿を見送りながら、肩に掛けた小さなポシェットの紐をぎゅっと握りしめた。
    ―グラン、早く来ないかな…。
    そう思いながらも、今の自分の姿をグランに見られることを考えるとそわそわと落ち着かない。
    淡いピンクの水着は、今日の為に買ったものだった。トップスとスカートに分かれたセパレートタイプのもので、胸元にもスカートにも愛らしいフリルがあしらわれておりシスが動く度にひらひらと揺れている。シスは今まで学校指定の水着しか着た事が無かったため、こんなに華美なものを身に付けるのは初めてであった。そもそも海水浴場自体、人が多く周囲の目に晒されるため行く事を避けていた。初めての派手な水着を着て、苦手な場所に自らやってきたのは、他の誰でもないグランが誘ってくれたからだった。
    「もし良かったら、今度一緒に海に行かない?」
    グランからそう言われた時、何が起きているのか分からずシスの思考は停止した。一緒に、海に?俺と…グランが……!?
    「父さんが海水浴場の監視員をするらしくて、お前達も一緒に行くか?って言われたんだ。あっ、シスが嫌なら無理にとは言わないよ!海って人多いし、やっぱりそういう場所苦手かな…?」
    最初はぼーっとグランの言葉を聞いていたシスだったが、こちらを気遣うように見つめるグランを見てはっと我に返る。心臓がばくばくと高鳴り、顔が熱くなってくる。頭の中が整理できず唇が震えているが、シスにただ一つはっきりと分かることはこの機会を絶対に逃してはいけないということであった。
    「い、行く…!!その、俺も…グランと一緒に、海に行きたい……!」
    「本当!?良かった!それじゃあ次の日曜日はどうかな?」
    そこから先は頭がふわふわとして、グランと何を喋ったかあまり覚えていない。頭ふわふわのまま日々を過ごしていたら、エッセルに「水着、どんなのにするの?」と聞かれて慌てて水着を買いに行った。当日どんな水着を着るかなんて、すっかり失念していたのだ。
    「ねえねえ、これなんか可愛いんじゃない?胸元にフリルでボリュームあるとおっぱいが小さくてもカバーできるし!」
    「シエテ………貴様………!!」
    「シス、抑えて。シエテ、そういう言い方は良くない…。」
    何故かシスよりも大はしゃぎで水着を選ぶシエテに拳を震わせるシスだったが、エッセルに制止された。憎たらしいがシエテのセンスは一応信頼できるので、シスは淡いピンクのフリルを手に取ったのであった。
    ―グランはこの姿を見たら何て言うだろうか…。
    意を決して着替えたのだが、小さな胸の内は不安でいっぱいだった。やっぱりこんな華美な格好、俺には―…。
    「シス、ごめん!待った?」
    「!!グラン…!!」
    待ち人の声がして、シスははっと顔を上げた。

    ※※※※※※

    「あの子、いつも一人でいるな…。」
    昼休み、中庭のベンチに見覚えのある姿をみとめてグランは呟いた。
    「ああ、Bクラスのシスじゃん。」
    「アーロン、あの子知ってるの?」
    「知ってるっつーか、ちょっとした有名人だぞ。」
    お前知らねーの?と幼馴染のアーロンに言われて首を傾げた。
    「家がカルムっていう格闘術の道場でさ、シスはそこの師範の娘なんだけど、免許皆伝?って言うのかな?シスもめちゃくちゃ強いらしい。街で絡んできた不良を何人も病院送りにしたって噂だ。」
    「へえ…そんなふうには見えないけど…。」
    ベンチに腰掛けて文庫本を読んでいる姿は、グランには普通の華奢な女子に見える。
    「基本無口で、人とあんまり関わろうとしないらしくてさ。十天の委員会の奴らとしか一緒にいるとこ見たことないな。すげえ美人だけど、なんつーか近寄り難いんだよなー。」
    「ふうん…。」
    遠くから見る彼女の表情はうかがい知れない。シスに関する話題はそこで途切れ、幼馴染と他愛もない会話が始まった。

    「今日もここでいいかな?」
    別な日の昼休み、グランは一人温室の周りを歩いていた。
    グランは普段、昼休みは幼馴染や他の友人達と共に過ごすことが多かった。しかし時々一人になりたいことがあり、そんな時は静かな場所を探して昼寝をするのであった。
    学校の温室は滅多に人が来ることが無く、グランのお気に入りの昼寝スポットであった。格子のドアをギイ…と開けて中の様子を伺う。誰もいないと思い、いつも寝転んでいるベンチがある方向へ向かうと予想外にそこには先客がいた。
    温室に射し込む日差しを受けてきらきらと輝く銀髪、ふさふさとした獣耳。一番上まできちんとボタンを留めた白いシャツにチェックのタイを締め、同じチェックのスカートを膝丈にしている。ベンチに腰掛けたシスは、あの日と同じように一人、本を読んでいた。
    生来の好奇心のためなのか、何がグランの興味を引いたのかは分からない。ただ気が付くとグランはベンチに向かって歩みを進めていた。
    「何読んでるの?」
    「えっ」
    急に声をかけられて、シスはびっくりした様子でグランを見上げた。彼女も温室に人が来るとは思っていなかったのだろう、すみれ色の瞳がとまどいで揺れ、獣耳がピョッと逆立っている。
    「ごめん、びっくりさせちゃったね。前に君が中庭で本読んでるの見かけたから、なんとなく気になって…。」
    「あぅ、あの、これは……植物の本だ。その……庭いじりが、好きだから…。」
    「そうなんだ!」
    シスは顔を真っ赤にして俯きながらもグランに答えた。彼女が瞳を伏せたとき、左の目尻に黒子があることに気付いた。
    「僕はグラン。Aクラスの。君は確か隣のBクラスの……」
    「し、シスだ。」
    「シス、よろしく!君が嫌じゃなかったらだけど…隣に座ってもいいかな?」
    「あっ、ああ、構わない……。」
    「ありがとう。」
    それから二人は、時々話をする様になった。グランも父から武道を学んでいたので、シスとは通じ合える所があった。シスは最初は俯きながらぎこちなくグランの問いかけに答えるだけだったが、次第にグランの瞳を見て話をしてくれるようになった。やりとりの中で、彼女が国主催の武術大会に出場する程の武闘家であること、街で絡んできた不良を適当に追い払ったら噂に尾ヒレがつき病院送りにしたと言われるようになったことが分かった。武術の腕前や顔の半分を隠す仮面等、変わった所はあるが、真面目で少し人見知りで、庭木を愛する女の子なのだということをグランは知った。昼休み以外も話をする様になり、一緒に下校することもあった。そんな時、父から海に行かないかと声をかけられた。
    「友達も一緒に連れてくるといい。何なら彼女でも構わんぞ!気になる子はいないのか?」
    にこにこと絡んでくる父をあしらいながら、グランが考えていたのはただ一人の女の子のことであった。

    ※※※※※※

    父からの着信に出ていたら、更衣室を出るのが少し遅くなってしまった。
    青いサーフパンツを急いで身につけ、白いラッシュガードを羽織りポケットにスマホを突っ込む。ビーチサンダルを履き外へ出ると、待っているシスの姿が見えた。
    「シス、ごめん!待った!?」
    「!!グラン…!!」
    俯いていたシスがはっと顔を上げる。グランは慌てて彼女の側へ駆け寄った。
    「ううん、それ程待ってはいない。気にしなくていい。」
    「ごめんね、父さんからの電話に出てたら遅く……なって……。」
    グランはあらためてシスの姿を見て、言葉を止めた。
    シスは可憐な淡いピンクの水着に身を包んでいた。上下に分かれたタイプの水着で、トップスにもスカートにもティアードフリルがあしらわれている。彼女の白い肌に淡いピンクがよく映えており、華奢な腰周りをひらひらとフリルが彩っている。
    ―か、かわいい…!
    普段の慎ましい制服姿とは雰囲気が全く違う彼女を見て、グランは鼓動が早くなるのを感じた。
    一方のシスも、ラッシュガードから覗くグランの逞しい胸板と腹筋を前にして頬を熱くしていた。クラス合同の水泳授業で、遠目にグランの肉体をこっそり見て胸を高鳴らせていたことは秘密だ。
    ―かわいいって言いたい。言わなきゃ…!
    その言葉を口にしようとするのだが、何故だかできない。普段のグランは、同性異性関係なく「かわいい」という言葉を臆面なく言えるタイプである。彼の生来の純粋さと少し天然な性格がそうさせており、アーロンからは「人たらし」と言われたこともあった。しかし今、気になる異性を前にして言葉を紡ぐことが出来ずにいる。頬が熱くなり、鼓動は早くなるばかりだ。
    黙り込んでしまったグランを見て、シスはへにゃりと獣耳を寝かせた。
    「やっぱり、似合わないよな。」
    「えっ?」
    シスの言葉にグランはびっくりして彼女を見つめた。俯きながらシスはぽつぽつと話し出す。
    「こういう水着を着るのは、その…初めてなんだ。エッセルやシエテが選んでくれたんだが、やはり俺の様な陰気な女にはこのような華美なものは似合わな……」
    「そんなことないよ!!」
    言葉を遮るように大声で言ったグランに、今度はシスの方が目を丸くした。周囲の海水浴客の視線が一斉に二人の方に集まり、グランは慌てて声を抑えた。
    「ごっごめん、急に大きな声出して…!」
    「いや、大丈夫だ…。」
    「えっと、その、なんて言うか……。」
    頭を掻きながら、勇気を振り絞って言葉にする。
    「すごく…すごく似合ってるよ。かわいいと思う。」
    シスを見つめてそう言うと、きょとんとしていた彼女の頬がみるみる赤く染まっていった。そして、嬉しそうに、少しほっとしたように笑って言った。
    「良かった…!」
    その笑顔にグランは目を奪われた。温室で話をしたあの日から、時折笑顔を見せるようになったシス。けれども今日の笑顔は今までと違って見えて…。
    二人とも黙り込んで見つめ合っていたら、なんだかおかしくなりどちらからともなく吹き出してしまった。気が付くとグランとシスは楽しげに笑い合っていた。
    「海、行こうか!」
    「うん…!」
    眩しい笑顔で砂浜へと駆け出す。
    二人はまだ始まったばかりであった。
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