新レオドンFF時のお話
響いた物音は大きかったがその一度だけでそれ以上何かが聞こえることはなかった。
とはいえ異変は確認しておくべきだと思い音のした方へ足を向ける。
そして辿り着いた先はいつもドナテロやコーディが作業をしているラボのようなところ。
「……大丈夫か?ドニー」
ドナテロの字で何か色々とメモが書かれた書類が散乱していて、一部何かの器具もテーブルから落ちていた。
タブレットや音声認識でいくらでも記録ができるのにどうしても落ち着かないと言って紙とペンを持ち出したドナテロに、コーディがよくわからない表情をしていたことを思い出す。
「あはは、久しぶりにやらかしたね」
そんな中片腕だけ椅子に乗せたドナテロは、地面に転がったまま困ったように笑っていた。
ポーズを見るに椅子からずり落ちたのだろう。
しかし起き上がる様子はなく、残っていた左腕もやむなく落ちて頭を地面に打ちつける直前に受け止めた。
見るからに力が抜けたかのような姿にレオナルドが問う前、ドナテロの方から口を開く。
「もうちょっと軽量化できないかなって考えてたんだけど、上手くいかなかったみたいで」
未来の世界で命綱になっている装備を改良しようとしたらしい。
今でも十分困っていないのだが身に着けているからこそ、色々改良したくなったに違いない。
ひとりでやっていてもし作動しなくなったらもしかしたら命にだって関わるかもしれないだろうに。
目を泳がせてるドナテロはそのことも理解している、だったらやらなければいいのにと少しだけ苛立ちはしたものの今のこの状況で説教するには気が引けた。
「呼吸が苦しいとかはないのか?」
「うん。ただちょっと身体起こすのとかは無理かなぁ」
ゆっくりとした仕草で持ち上がった腕は寝起きのけだるさに酷似している。
両の手がレオナルドに伸びて、請われるがままその身体を抱き上げる。
素直に預けられる重みはずっしりと腕に浮かんで、肩に落ちた唇から漏れる息は首筋を擽った。
「……レオ?」
きっとそのまま椅子に下ろされることを想像していたんだと思う。
そして改良したところを元に戻す、それが本来正しい流れだ。
「ええ、っと」
向かう先がレオナルドに宛がわれた寝室だとは気付いていない筈がない。
ただ思考が追いつかない様子で困惑した声を上げている姿に幼さを覚え、そんな姿は可愛らしく見えてつい頬が緩む。
「何か問題でも?」
「あーっと、僕こんなだから何もしてあげられないよ?」
「それがいいんだ」
何かとしてあげたがりな恋人がされるがままになる機会逃す筈もない。
上機嫌なレオナルドにドナテロは困惑した顔を浮かべたままだったが、首に回していた指先が僅かに食い込んだ。
ご都合故障はオタクの味方