翌朝の話「ん～っ……」

　もうあさ……？　まだねむい……。
　ボクのスマホ、どこだっけ……あ、あった。
「え、まだ７時になってないじゃん」
　っていうかこれ、クロムのスマホだ。まぁ、いいや。
「もっかい寝よ……」
　だって今日はオフだもん。なんだか気だるいし、クロムもまだ寝てる。


　……クロム、あったかい。
　さっきまでちょっと寒かった。
　いつもあったかいのになーって思ったら、クロム、今日はボクのこと“ぎゅっ”てしてない。
　だから寒かったの？

「ん……？」
　膝になんか当たった。クロムの手？　いや、服のなかだ……。
　なにこれ？　グリップ？
　それにしてはおっきいような……。硬さも違う。ボクがいつも使ってるやつじゃない。

　……。

無防備すぎるのが悪い！　むずがゆさに目が覚めた。一緒に昼寝をしていたはずのカレンが、わたしのわきをくすぐっていた。
「もう、やめてよ」
「無防備すぎるのが悪いのよ！」
「だって！」
　いつもは隙を見せないようにしているが、カレンは一度眠るとなかなか起きないので、わきを丸出しにして寝てしまっていたのだ。