お昼寝歩きながら腕につけた時計に目線をやると、いつもより短針が3、4つほど前の数字を指している。今日は昨日までの分刻みのスケジュールが嘘かと思えるほどの早いご帰宅だ。
それもこれもオレの上司であり同い年の友人であり恋人である副所長サマの手腕なのだろう。そんな彼は今日は在宅でお抱えの会社の仕事を処理する日…実質オフと言っていた。
久しぶりの恋人と2人きりで過ごせる時間、浮かれない訳もなく調子に乗ってコンビニでプリンやらなんやらを買って帰路についている始末だ。
スキップでもしそうなくらい弾む心を押さえつけて自宅のドアを開く。
少し乱雑なまま置かれている茨の靴を見ると、同じ家に住むことの良さを感じる。
オレのスニーカーをその隣に置いて、手を洗ってからリビングへ足を踏み入れる。
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