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    tamahibari369

    @tamahibari369

    二次創作のrkgkとか補足とか用

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    tamahibari369

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    幼少期大幅修正その2
    桂との会話はそのまま、高杉と忍の話を完全に書き換える予定でした。

    でもこうすると松陽目線ばかりになるし剣の話かしてないなと
    まぁある意味タイトル通りか

    #転生剣士忍の血風録

    もし世界線2を作ってたなら入れてた話②4-2 結局カルシウムとっても身長は伸びない



    高杉が銀時から初めて一本取ったまさかの翌日に、あの事件は起こった。
    講武館の悪ガキ共が、幕府の役人に嫌な噂を流して……ってやつ。
    ヅラが僕と銀時に逃げるように伝えに来たけど、僕が松陽先生と一緒に塾生を逃がしている間に、銀時はヅラと高杉の元に行っていた。
    その後僕の報告で3人の元に松陽先生が行って……
    いやーかっこよかったな先生。てか怖かった。
    傍から見てた僕ですら、空気の温度がガクンと下がったのを感じたもん。
    ワンチャン虚よりブチ切れた松陽先生の方が怖いと思う。同一人物だけど。
    そんなこんなで、松陽先生と銀時と僕の暮らしに、ヅラと高杉が加わった。



    これは、それから数日も経ってないある日のこと。



    「いーやーだーっ!!」
    「なんでそんな拒否るんだよ!おいてめっ」

    珍しい僕の癇癪声に、何があったと松陽先生、銀時、ヅラが寄ってくる。
    その時僕は高杉に引きずられてた。
    なんでこうなったかって?僕が訊きたいよ!!

    「てめェ銀時に勝ったことあるんだろ!?
    俺と勝負しろよ!」
    「イヤったらイヤ!!
    僕も銀に負けてるもん!
    高は銀に勝ったんだから僕じゃ相手にならないって!」
    「俺だってまだ1回しか勝ってねェ!
    なんでそんな嫌がるんだ!」
    「やだよ打ち合いキライだもん!」
    「打ち合いキライってどういうことだよ!?」

    ……とまぁ、こんな感じです。()
    松下村塾の場所を移し、高杉とヅラが一緒に住むことになり早数日。
    高杉が全力で僕に打ち合いを申し込んできたのを、僕が全力で断ってる。
    ちなみにタカと呼んでるのは、一人だけ一生名字呼ばわりだったからあだ名つけたいなと思って。晋ちゃんでもよかったけど、新八と被るからな……

    「道場破りの時から思っていましたが……
    晋助は中々に強引な子ですね」
    「はい。
    奴は一度やると決めたことは意地でもやり通すタイプで……
    あれは忍が折れない限りは追いかけるやつですね」
    「めんどくせーのに引っかかっちまったな、忍」
    「ねぇ見てないで誰か助けてよ!!」

    少し離れた所から他人事のように見てる先生と銀時とヅラに全力で助けを求める。
    その間も高杉は僕の手を全力で引き道場の方に向かおうとする。
    ほんと強引なんだけどこの子!なんで!?
    僕の知ってるセカコワ高杉くんこんな強引なキャラじゃなかった気がするんだけど!?もっとクールなイメージだった気がするんだけど!?

    「……すまないが忍、高杉の相手してやってくれ。
    でないと、毎朝毎晩“勝負しろ”と竹刀持って待ち構えるぞ、コイツは」
    「もはや怪談話じゃないそれ!?」
    「こんなチビの怪談なら怖くねーかもな」
    「おいクソ天パ何か言ったか?」
    「なんでチビにだけは反応すんだよ」

    銀時の言葉で、高杉がようやく僕から手を離し銀時に詰め寄る。……銀時、遠回しに僕を助けようとしてくれたのかな。
    そういや僕と知り合う前から銀時のお化け嫌いは発覚してたらしく、夜厠に行きたい時、僕毎度起こされてる。「絶対どっか行くなよ!攫われるぞ!」なんて言ってんの可愛すぎて、今はまだ大人しくついてってるけど、次連れてかれたらお化けのフリしようかなとか考え中。
    なんてことを思い出してたら、喧嘩勃発した銀高に松陽先生がげんこつ食らわせてた。痛そ。

    「……分かったよ、やるよ」

    仕方なしに、本っ当に仕方なしに、ようやく僕は高杉の申し出を受けることにした。
    これ以上の争いを生みたくないし、なんか断るのめんどくさくなってきた。駄々こねるのもラクじゃないんだ、精神が身体に引っ張られてても中身は一応おっさんだから。
    僕の言葉に高杉は驚いたようだったけど、「そうと決まれば」とそそくさと道場に足を運び準備をし、5分後には竹刀を持って向き合ってた。いや早すぎな。

    ……本当は、本当にやりたくない。
    けど、高杉ならいつかこうすると思ってたし、その辺は妥協してた。思いの外その日が早すぎて全力抵抗したけど。


    けれど、もう退けない。
    やるしかない。

    そう思って、僕は静かに、高杉と向かい合った。



    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



    「でも、忍はなぜ、あそこまで打ち合いを嫌がるのですか?」

    高杉と忍を追って道場に向かいながら、桂は松陽に問う。

    「稽古でも、打ち合いの時はあまり出てきませんよね。高杉と銀時がやり合ってる時はいつも観戦してましたし……
    何か理由があるのですか?」

    桂の問いに、松陽は困ったように苦笑しながら、竹刀を持ち向かい合った二人に目を向ける。

    「私も、詳しい理由は分かっていません。
    ……ですが、彼も彼なりに、何かあるのかもしれませんね」

    高杉の合図で、二人は打ち合い始める!
    飛びかかってきた高杉に対し、動かない忍。

    しかし。

    バシィッ

    ……何が起こったのか、桂と高杉には理解できなかった。
    次の瞬間、忍が高杉の背を打ったのだ。

    「一本!」

    松陽の声で、勝敗が決定づけられる。
    床に打ち付けられたまま呆然とする高杉に、忍は息を深く吐いた後、振り替える。

    「……てことで、これで終わりでいい?」
    「……待て!
    何が起こった……いや、今のはマグレかもしれねェ、もう一本だ忍!」
    「えぇ……」

    立ち上がりながら高杉はもう一度忍に竹刀を向ける。
    何が起こったのか、何をされたのか。
    分からないけれど。
    それを解き明かすまで、彼に勝つまで、辞められない。
    そんな高杉の様子に、忍は「だから嫌だったんだよ…」と言いながら、それでも諦めたように高杉と向かい合う。


    「一本!」
    「一本!」
    「……一本!」

    5回繰り返し、5回とも一瞬で勝負がついた。
    忍の勝利で。

    「もう、さすがに終わろ?」

    そう言い放ち、「夕飯の支度しよ」と道場を去った忍を、床に転がったままの高杉は追いかけなかった。

    腕で目を隠し動かない高杉を、銀時が覗き込む。

    「……どうだ。強ぇだろ、アイツは」
    「……あァ。」

    確かに強い。
    力は銀時ほど強くないように感じだが、それを他の何かで補っていた。
    読めないあの剣筋は、桂の剣と似ている。
    桂と同じく、地頭がかなり良いのだろう。

    だが。

    「……気に食わねェ」

    高杉の中で、何かが引っかかっていた。

    「何と戦ってやがるんだ……てめェも、アイツも」

    忍と打ち合ってる時、自分じゃない何かと戦っているように見えた。
    確かに目は自分を見ていて、ちゃんと向かい合っていたはずだ。
    けれど……何故なのか。
    忍も、会ったばかりの時の銀時も、目の前の自分なんかを見ちゃいない。
    どこか違う所で、何かと戦っていた。

    「……さぁな」

    高杉の問いに対し、銀時は突き放すように言い去る。

    「だがよぉ、俺の倒すべき奴の所に、お前は這い上がって来た。
    アイツに勝てんのも時間の問題だろ」

    その言葉に、高杉はバッと起き上がり、去っていった銀髪の後ろ姿を見つめる。
    意味ありげな銀時の言葉の真意を、高杉はすぐには理解できなかったが。

    銀時が自分を認めてくれている。

    それだけは、なんとなく分かった気がした。




    「……優しい奴なんですね、忍は」

    一連の流れを見届け、桂は呟く。
    その言葉に、松陽は微笑んだ。

    「よく気づくことができましたね、小太郎」
    「だって、何度も勝ったのに、全然嬉しそうな表情をしていなかったので……」
    「その通りです。
    きっと忍は、勝負に勝っても負けた相手の気持ちを考え、または相手を傷つけてしまった悔いを抱えてしまう。かといって負ける訳にもいかない。
    勝っても負けても、彼は苦しい思いをしてしまう。だから、打ち合いを嫌うのかもしれませんね」

    銀時と打ち合う時も、どこか何かに怯えていた。
    それは、銀時を傷つけてしまう恐れをどうしても抱えてしまうからなのだろう。
    彼は、松陽との打ち合いの時だけ、躊躇いなく立ち向かって来てくれる。
    それは、松陽が最強で、かつ怪我をしても瞬時に回復するのを知っているから。

    「それでも彼が剣を握るのは、恐らく、私達を護るため。
    私達を護る力がないと、ここに居てはいけない……そう無意識に思い込んでしまっているからなんです」

    その言葉を聞いて、高杉はふと疑問を口に出す。

    「……アイツら、アンタと一緒に住んでんだろ?
    親とかはいねェのか?」

    高杉の問いに、松陽は、どこか辛そうに微笑む。

    「忍は少し前、道端で倒れているところを拾いました」
    「……!?」
    「彼の出生は、私も分かりません。彼自身も記憶に無いそうなので……
    ……記憶にあるのは、大怪我をして倒れた所を拾ってくれた老人に引き取られたこと。
    しかしその老人はその後すぐに病死し、家族は彼のせいだと虚言して、奉公と称して彼を奴隷や家畜のように扱ったそうです」
    「そんなことが……」
    「そして銀時は数年前、屍の転がる戦場跡から拾いました」
    「……っ!?」
    「彼は生き繋ぐ為に、屍から食料や衣服や剣を剥ぎ取って生きていた。
    そんな姿から、屍を喰らう鬼、そう言われ恐れられていた」
    「……なんだよ、それ……
    アイツらも俺達と同じ、ただの人間の子供ガキだろ」

    明かされた二人の子供の壮絶な過去に、高杉は拳を握りしめる。
    親に愛されていないと思っていた自分でさえ、あたたかい寝床と食事と衣服は与えられていた。
    けれど、あの二人には、それすらなかったのだと。
    一方桂も、今は亡き親や祖母に愛されていた自分は、相当恵まれていたのだと思いしる。

    「あの二人にとって、剣とは、自分の身を護るための道具、または自分の居場所を確保するための道具。
    “生きるために必要なもの”に過ぎないのです」
    「……!!」

    ただ強くなるために剣を振るっていた自分とは違う。
    強くならなければ、生きてはいけないと。
    だからあの二人の剣は、あそこまで強いのだと。

    「晋助、小太郎。
    君達に、頼みがあります」

    ふと、松陽は高杉を呼び寄せ、桂と並ばせ、しゃがんで目線を合わせる。

    「来たばかりの君達に頼むのは、少々荷が重いかもしれませんが……
    あの二人の、銀時と忍の傍に、ずっと居てあげてください。
    あの二人は強い。きっと彼らは、自分自身の力だけで生きていける。
    ……それでも、今まで誰にも愛されたことのなかったあの二人が、もう独りにならないように。そのためには、君達の力が必要なのです」

    ……それは、この二人の、高杉と桂のためをも思っての頼み。
    松陽は忍から、二人のことを聞いていた。
    勘当された高杉に、天涯孤独の身となった桂。
    この歳で、彼らは既に、親も住処も失った。
    独りになってしまったこの4人を、親代わりとなって、護ってやりたい。救ってやりたい。

    けれど、自分にはどうしても、限界があるから。

    せめて、この4人が、手を取り合って共に生きていけるよう。
    彼らがこれ以上、寂しい思いをしないように。

    「頼まれて、くれますね?」
    「「……はい。」」

    真っ直ぐな眼差しで頷いた2人に、松陽は微笑んだ。


    ――どうか、頼みましたよ……
    松下村塾の、希望の光たちよ。



    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



    その日の夕食。


    「……オイ、なんだこれ」

    卵焼きとツナマヨおにぎりを真ん中に、豚汁を運んできた僕に、高杉が既に各席に並べといた乳飲料を手に取って訊く。

    「あーそれ、ヤクルコっていう乳飲料」
    「ヤクルコ?」
    「え、しらないの?」

    ……高杉、ヤクルコの存在既にしってると思ってたんだ。
    まさかまだしらないとは思ってなかったんだ。
    内心冷や汗ダラダラなのをなんとか隠しながら言う。

    「え、えっと……
    もう少し身長伸びれば僕に勝てるんじゃない?って……」
    「てめェも俺がチビだって言いてェのか?
    おちょくってんのかコラ」
    「言ってない言ってない!」
    「ププー、チビ杉くん煽られてやんのw」
    「……おいクソ天パ、クソくせっ毛、表出ろ」
    「僕もなの!?」
    「やめんか貴様ら!
    せっかくの夕飯が冷めてしまうぞ!
    そして忍、このおにぎり、最後の一つがやけに大きいな。最初から釜の中の米の量を考えて均等に配分できないとは、まだまだだな!」
    「うるっさいな!!
    じゃ明日作ってみろよ!もし均等にできなかったらふんどしで町内一周な!」

    ムカつきながらも、怒りながらも、今までになかった賑やかな食卓に、胸があたたかい。
    こんな日が、永遠に続けばいいな。
    そう、願わずにはいられなかった。


    ちなみに翌日の夜、ふんどしで町内を走る桂を見かけた塾生がいるとかいないとか。
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    tamahibari369

    DOODLE今回のシリーズの核心の部分の補足というか。
    ここまで読んでくれる人おらんだろうけど置いとく。読んでくれたら嬉しい。
    今回のシリーズでテーマになっていた“救い”について私は個人的に、ただ生き延びることが“救い”ではないと考えています。
    虚だって死にたがっていたし、忍だって4回目の転生で最初から「もういいよ」って言ってたし。ただ長く生きることだけが救いじゃない、そう思ってこの結末にしました。
    逆に忍は「いつ死んでもいいや」くらいに思っていたので、最初から最後まで銀時を中心に、誰かに尽くすためだけに動いていた。だから銀ノ魂篇最後で「自分を救うために」という課題を投げつけられてかなり混乱してたんですね。

    話が逸れたけれど、あれだけ救っといてアルタナ組の命を救わなかったのは、生身の人間である忍の限界を兼ね合わせた結果と、私の中で「救い=長生き」ではないから、でした。

    松陽先生と朧は忍が生まれる前からアレだったのでどうにもできず、高杉は銀ノ魂篇で忍が宇宙サイドに行けば救えたかもしれない、けれど真選組がある・白夜叉の影再来・オリ主vs虚が見たかった・朧の行動、これら含めて考えた結果、地球側に来てもらうことになりました。
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