浮気だって許されるって! いつまでも手を出してもらえない。
キスだって、そんなにしてもらえない。
もう俺は成人した。そして、晴れてダイゴさんの恋人になれた。
なのに、ダイゴさんとは恋人になる前と同じ態度だ。
俺……我が儘で、ダイゴさんを困らせていたのかな……?
「……ユウキくんって、変なところで自分に自信がないよね。」
一緒にお茶をしていたハルカが、そんなことを言う。
「は、ハルカ……さん?」
「なーに、いきなり『さん』付けして。」
「いや、その……『変なところで』って、何さ?」
ハルカはジャム入りの紅茶を一口飲んで、ふぅ、と一つだけ溜息を吐いた。
「それがね、言葉にするのが難しいんだ……」
「何だよ、それ。」
思わず溜息を吐いて俺もミルクティーを一口飲む。カロス地方のブランド紅茶とクッキーのセットの手土産は正解だったみたいだけど、ハルカの眉根は難しく寄ったままだ。
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