「ぁあ………ぁ……」
言葉にならないような声を出した赤瀬は、クマだらけの目をなんとか開け、ケータイで時間を確かめた。
14:07 と表示されるケータイ。「まだ深夜だ………」と呟いた彼は、また寝ようとした。しかし、彼は自分のことでまた目が少しずつ開いてきた。
天井を眺める。
眺めていた彼はスッと机の上に置いてある手帖に話しかける。
「僕ってさ……いつか、あの時みたいに……死ぬのかな…」
手帖はその声を聞き、ドキッとした。
そうだ、彼は自殺未遂をしたことがあった。図書館で赤瀬と出会った手帖はそのまま彼の所有物となり、長い間、彼と共に過ごした。自殺未遂をしたことも、彼の性格から浮き出る何気ない言葉により、なんとなく察知していた。
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