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    暁月さん

    会話文だけの小ネタをぽこぽこしてる。主にFGOで「FA○ZAとpixiv R-18で余計な知識をもぐもぐしてはカルデアを振り回しゴッフに『ペッしなさい!』て怒られるスットコドッコイマスター藤丸くん」略してFAN丸くんのくっそ下らない下ネタギャグ。極稀に自審神者とうらぶ小話がまろびでるかも。

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    暁月さん

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    刀剣乱舞、自本丸審神者です。
    初期刀とちょっと蟠りがある審神者が近侍と喋ってるだけ。本当は連隊戦前に完成させたかったぁ……!!!

    雪解け、あと少し「なぁ、大将。10年だぜ」
    初雪の舞う12月のある日。厚藤四郎は展望の間の手摺に落ちては溶ける結晶を見ながら、静かに主へと声をかける。
    「ん、そうだねぇ」
    「……そろそろ、いいんじゃねぇか?」
    審神者は、両手で包んだマグカップの中のカフェオレに視線を落としたまま、思案するように微笑んでいる。何かの決断を促すような近侍へと答える声は、しかし心を決めかねているかの如く要領を得ない。
    「んー……そう、だ、ねぇ……」
    「最初みたいにとは言わねぇけどさ。やっぱ大将からじゃないと、どうにもなんねぇと思うぜ?」
    手摺から顔を上げれば、雪を降らせる雲間から陽の光が筋を作っていた。天使の梯子というのだったか、と厚はぼんやり考える。
    「……ねぇあっくん」
    「うん?」
    呼ばれて振り返れば、審神者も遠く、天使の梯子を眺めていた。
    「思い返せばほんと、うちの心が狭かっただけなんよね。7年って……長いよなぁ……」
    薄く笑うだけのその顔からは、審神者の思いは読み取れない。きっとなにか思うところはあるのだろう。厚は黙って主の言葉の続きを待つ。
    「さすがにね、陸奥には申し訳ないなとは……うん、思ってる」
    湯気の消えたカフェオレを一口飲み、審神者は厚と視線を合わせた。
    「連隊戦には、出てもらうつもりだよ」
    相変わらず感情の読めない表情ながら、そうはっきりと告げる主に厚は一瞬目を見開き笑い返す。
    「ん、わかった」
    と審神者の隣に座り、降り続く天気雪を眺めた。
    「それが終わったら、ちゃんと話す」
    「おう。俺にできることがあれば言えよ」
    「頼りにしてるよ、近侍さま」
    「調子のいい大将だぜ全く」
    雪はまだ止む気配はなく。しかし雲の切れ間は広がり、陽光は明るさを増していく。
    本丸の小さな蟠りが溶ける予感を、展望の間で厚は感じていた。
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