シークレット・ナイト「おい黒髭。今夜、ワンナイトしないか」
「バッ……?!?!」
「んお? ……あー、今夜ね、ワンナイトね。はいはいはい、えぇえぇ、いいでつよ」
「ティーチ殿……?!」
「何をそんなにニヤついているんだ気色悪いな」
「いやいやいやいや何でも何でも。んっふっふ。まーでもワンナイトか、ちょーっと物足りねぇ気もするが久々だしな」
「(物足りない?! 久々?!)」
「最近未経験のメンツも増えただろう? たまにはいいんじゃないか」
「そうですな、初心者喰うのも悪かねぇ」
「(初心者を喰う?!?!)」
「じゃあ今夜、いつもの部屋で」
「おー、じゃーな」
「さーて、誰を呼ぶか……」
「……バ、バーソロミュー」
「うん? どうしたんだいパーシヴァル」
「いや、その、あの……」
「? 何も用がないなら私はこれで失礼するよ。今夜のメンバーを集めないといけないからね!」
「こんっ……あっ……はい……」
〜その夜、遊戯室にて〜
「よーぉ、遅かったじゃねぇのバーソロちゃん」
「すまない、もう何戦かやってるかい?」
「やつほーバソさん。やってるよーカルナさんちょー強いッスよ」
「やっぱり彼ピッピ連れて来たんでつね」
「どうしてもと聞かなくてね」
「げぇむ仲間が増えるのは良きことにございますね!」
「いや、パー氏のは多分そーゆーんじゃないでつよ巴サン」
「クソ髭貴様、昼のあの顔はパーシヴァルが勘違いしていたことに気付いていたからだろう」
「あったりめーじゃん。んな面白ぇことわざわざ言うかよ。んで? 何つって連れて来たんだよ」
「カルナたちも呼んでいたからね。『私とカルナを狼から護りたければ付いて来い』と」
「あながち間違ってなくて草」
「パーシヴァルさんが狼になる可能性もありありッスけどねー」
「さて、パーシヴァル。誤解はとけたかな?」
「えぇっと……」
「ワンナイト人狼。初心者でもやりやすい人狼ゲームさ」
「ワンナイト……人狼……」
「君が何と勘違いしていたかは……まぁ聞かなくてもわかるしここで言うことでもないが、私は全くやましい事など考えていなかったと、理解していただけたかな?」
「はい……誠に申し訳ない……」
「せっかくだから、パーシヴァルさんも一緒にやるッスよ!」
「とても簡単なげぇむでございますよ! 巴も人狼げぇむはこれが初めてですが、楽しいものでごさいますね」
「そうだね、騎士様にはぜひとも私を人狼から護ってもらわねばならないからね?」
「もっ! もちろん護るとも!! ぜひ私も参加させていただきたい!! バーソロミューは私が護ります!!」
「いやイチャつくなら帰ってくだちい〜」
「ちょうど向こうも終わったみたいッスよ。おーいカルナさんたち、バソさん来てるッスよ〜」
「やぁ、お待たせカルナ」
「む、遅かったな」
「おいおいまたデカいのが増えとるではないか」
「うっ……場所を取ってしまいすまない……」
「旦那が言うことじゃねぇだろ。気にすんなパーシヴァル」
「ヒェエ円卓の騎士ッ!! くくくくくろひー、姫の顔溶けてない?!」
「おっきーだいたいいつも溶けてまつけど?」
「ひどい!」
「9人か〜、最大7人だからふたり観戦だね。ボクがGMやるから、パーシヴァルさん一回見てなよ」
「はい、よろしくお願いします」
「じゃあカード配るよ〜」
「(バーソロミュー、本当に楽しそうだ……私はなんて失礼な事を考えていたのか。彼にはまた後できちんと謝罪せねば)」
「何を考えているんだい? パーシヴァル。謝らなくていい、今夜のゲームを楽しんでくれればね」