不思議な夢と誕生日「...く...くめ..久米!」
ハッとそんな声がして目が覚める。
「あれ?あくたがわくん?」
目を開けて真っ先に見えたのは芥川だった。
「全く、昨日は楽しみで寝れなかったのかい」
芥川は微笑む。
「え?昨日?」
久米は思い返す。
昨日は吉井くんや山本や他の文士と呑んでいた。
その後に部屋に帰って寝たと久米は記憶していた。
ならば
「これは夢か...」
久米が呟くと
「夢?そんな訳ないじゃないか」
芥川は不思議そうな顔で言い切る。
「こうして君に触れられるのに?」
芥川は久米に抱き着く。
「やめてくれ、暑いから...?」
芥川が抱き着いてきて、咄嗟に出た言葉に久米は疑問に思う。
暑い?おかしいな?
今はまだ冬に近い春じゃないか、暑い訳ないのにと。
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