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    桃木龍華

    @mukimuki02
    主に好きな物を書きます
    文アルのクメさんが最推し
    akkmが好きです

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    桃木龍華

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    南国忌に寄せて
    以前にTwitterのフォロワーさんに教えてもらったクメさんの墓向けの句を思い出して、書きました。
    図書館のなお+くめ

    #なお+くめ
    notes+CriesOfPain

    春温か温かな日差しが図書館を包み込む。
    風はまだ冷たいが春の訪れを感じさせる。
    そんな昼下がり。
    久米は直木の部屋に向かう。
    なんの気なしに、雑談や文学談義もしくはた
    だダラダラと直木の部屋でくつろぐのでもいい。
    そんな事を思いながら直木の部屋の引き戸を叩く。
    しかし、反応は無し。
    あれ?居ないのかと思って引き戸に手をかけるとすんなりと開いた。
    「なんだ、いるんじゃないか、直木」
    久米は勝手に部屋に入る。
    まぁ、直木とは友人なのだから。
    「直木ー」
    少し大きい声で呼ぶが
    部屋の奥に主が居るが見えるのだが返事は無く、側まで近付く。
    「直木?」
    覗くと窓際にうつ伏せで寝てる。
    「また、話書いてて寝ちゃったのか」
    久米は苦笑しながら薄い毛布を持ってくる。
    「風邪引くよ」
    ふわっと直木に毛布を掛けた時に曇天の空が見えて、その空の下に人の姿と墓石が見えた。
    久米はハッとする。
    直木が亡くなって、生きていれば60だと思った時に読んだ句。
    春なのに寒く、寂寥感を覚える。
    まるでその光景の中に居るかの様にぶるりと身震いをする。
    寒い、久米はそう思って直木の傍に座る。
    温かい。
    日差しがあるのもあるが直木の体温に安心する。
    「今度は君のそばに居るよ」
    久米は直木の手を握り、直木の身体に寄り掛かる。

    「...うぅん?」
    寝ていた直木は謎の質量で起きる。
    そこには久米が直木の手を握って気持ち良さそうに寝ていた。
    「ったく」
    そう言って直木はまた眠る。
    温かな春の日差しに2人は照らされている。
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