理解できない尽力心棪堂と国崩大火の際に茶を飲みに行く約束をしてからというもの、棪堂と出掛けることも多少増えてきた。
その中で、気付いたことがある。
オレと会う時のアイツは何事にもオレ優先の所謂尽くしたがりであるということだ。
オレだって尽くされることが嬉しくない、という訳じゃない。
でも、オレ自身棪堂に与えてもらったものと同様なものを与えられているのか……それがとてつもなく不安だった。
だって……オレだけが、アイツに貰うだけだなんて、おかしいだろ……オレはなんにも返せちゃいねぇんだから。
「そういうの……やめろよ、棪堂」
「は……?」
棪堂はいつもの様にオレの意見ばかりを尊重して、自分の意見をなかなか言わない。
そのことに段々と苛立ちを覚えてはいたが、オレはつい口に出してしまった。
「お前はいつもオレ優先で物事ばかり考えてて、そんなんお前自身は楽しいのかよ」
「さ、桜……?」
棪堂はオレの言葉に困惑の色を示している、まるでこんなことを言われるだなんて思ってもいなかったらしい……。
「オレはお前と一緒に出かけてんだぞ、お前だってやりたいことはずなのに……オレの事ばっかり優先させんな……!」
二人きりで会っているのに、オレだけが楽しんでいるのはオレ自身気に食わない。
オレと一緒にいる時は、棪堂にも楽しんでいて欲しい。
「あー、桜の言いたいことは分かった。 でも……オレがそうしてーんだ、オレにとってお前に尽くせることこそが何よりの楽しみなんだよ、桜」
そう言いながら微笑む棪堂、オレはそんなアイツを見ながら「いみ、わかんねぇ」と無意識にん呟いていた。
アイツの心を少しでも理解をしたいと思っていたが、まだオレには理解できそうもない。
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