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    CAN’T MAKE悪魔ブvs神父ネ

    微々たる書きかけ
    鬱蒼とした、深い森の奥。
    一人で歩くには些か不安や心細さも芽生える暗い道でも、ネロはランタンを片手に確かな足取りで進む。
    (……いつ来ても、気色悪いな)
    ガァガァと何か分からない鳥が頭上を旋回し、木々が蠢く薄気味悪い森の中は、いつだって見張られているような視線が付き纏う。
    ネロはこの森が好きでは無かった。
    何十、何百回と足を運んでもきっと、それは変わらない。
    (早く終わらせよう)
    小さく身震いして、足を早める。一歩一歩を進めるごとに、足元の枯葉が音を立てた。

    誰もいないのに呻き声のする屋敷。
    毎夜人が変わり残忍になる娘。
    綺麗に血が抜かれ花の手向けられた変死体。
    こういった不可思議な怪奇に苦しめられている人間というのは、存外多い。そうなれば当然、怪奇を相手取る職ーー所謂、悪魔祓いも存在する。何を隠そう、ネロ・ターナーもその一人だった。表向きは神父見習いとして街にある教会に所属しながら、夜な夜な怪奇に赴き悪魔と呼ばれるモノを祓う役目。危険が無いわけではないが、報酬がいいこの仕事を、ネロは気に入っていた。

    しかし、今回ばかりはそうも言っていられない。
    (くそっ、貧乏くじを引かされた)
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    DONE #ブラネロ版お絵描き文字書き一本勝負
    @brnr_60
    お題:「箒」「偶然」

    参加させて頂きます。
    いつも素敵なお題をありがとうございます。


    『間一髪』
    それはほんの、気まぐれだった。

    「ねえ…本当に箒で帰るの?」
    オーエンが怠さを隠そうともせずに眉を歪める。ブラッドリーは自分の箒に跨りながら口角を上げた。
    「いいじゃねえか、たまにはよ。今日は寒くもねえし、絶好の箒旅日和だろ」
    「勝手にやりなよ。ねえ、ミスラもそう思うでしょ」
    「まあ、どうでもいいんですけど」
    ミスラはそう言いながらも、掌に箒を出している。ミスラに扉を繋ぐ気がないなら、オーエンとてどうしようもない。
    「早く来いよ!」
    上から急かす楽しげな声に、何も考えていないようなミスラが先に浮上した。オーエンも仏頂面のまま浮かせた箒に横向きに座って、ふわり、と上空に舞い上がった。


    「おい、山火事か?」
    異変にいち早く気づいたブラッドリーが、怪訝な顔をしてスン、と鼻を鳴らした。焦げたような匂いがするが、いま飛んでいる辺りには見渡す限りの山しかない。そのまま飛ぶと、すぐに山火事の正体が見え始めた。
    「いや、ちげえな…動いて、る…し、誰かいる?」
    遠くの方で赤く燃え盛る小さな山は、うねるように蠢いていた。時折口から火を噴いているようにも見える。そしてそれだけではなく、動く火の山の上で 2670