「俺、七基のこと好きだから」
人生何度目かの告白を受けた。
告白なんて何度もされているのに、初めての体験をしているような感覚で、目を見開いたまま動くことが出来ずにいる。
「でもそれは今日でお終いにする。明日にはもうお前のことは好きじゃない」
好きだと言われたのに、その直後に言った本人が否定をした。もう好きじゃない、なんてそんなことが出来るのか。好きという感情はそんなにも割り切れるものなのか。自分に当て嵌めて考えてみたけれど、自分にはできることでは無いと思う。というか、人間そんなに都合よくできるわけがない。
「だから別に気にしなくていいし、忘れて。お前とどうにかなりたかったわけじゃない。俺の中でこの気持ちを終わらせたかっただけだから。…それじゃ」
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