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    ・中学生夏秋
    ・体格差わからせ擬似セッ
    ・夏モブあり

    #夏秋
    summerAndAutumn

    【夏秋】体格差わからせ擬似セッ 玄関の扉が開く音を聞いて、夏彦は机上のデジタル時計を確認した。午後9時半。いつもより1時間ほど遅い帰りだ。
     この間に溜め込んだ胸のムカムカのせいで手をつけられなかった宿題のワークブックを閉じた夏彦は椅子から立ち上がる。階段を上がってくる足音を聞きながら部屋のドアを開けると、ちょうど階段を登り切った秋斗と目が合った。
     野球バッグを肩にかけた秋斗は、いつもの練習終わりよりもいささか疲労の色が濃く出ていた。夏彦が待ち構えていたことくらい分かっているだろうに、秋斗は無言のまま自室に入ろうとする。目の前で閉まってゆくドアを掴んで秋斗の部屋に一歩踏み入れると、秋斗は迷惑そうに夏彦を見た。
    「今日は遅かったんやな」
    「大会前やからな」
    「ちょっと長く練習したところで意味ないやろ。どうせ陽盟には行かれへんのやから」
     もう何度伝えたかも分からない夏彦の言葉に返事をする代わりに、秋斗はため息で応えた。
    「なんか用? もう休みたいんやけど」
     夏彦が秋斗の部屋に押し入ってドアを閉めると、秋斗は露骨に顔を顰めた。
    「野球まだ辞めへんの?」
    「しつこいわ、ほんまに。何遍言わせんねん」
    「何遍言うても理解せえへんからやろ。意味ないねん、そんな野球やっても」
    「お前はそう思っとったらええよ」
    「そういうんちゃうねん。そんなちっこい身体で野球なんかできるわけないやろ」
    「あほか、これでも平均よりかはでかい方やねん。お前のタッパがおかしいだけや」
    「ちっこいやろ、兄貴は」
     付き合いきれないと夏彦に背を向けた秋斗は、肩にかけたバッグを下ろして中を整理し始めた。その背中はやっぱり抱え込めるほどに小さくて夏彦の苛立ちは募った。
     しかしこの感情に耐えるのも今日までだ。夏彦はこれを最終通告とすることに決めていた。



     夏彦は数ヶ月前、同級生の女とセックスをした。親が不在だという彼女の家で、夏彦は女の身体を初めて知った。その時の夏彦が知ったのは、セックスの快楽と、女の体の脆さだった。ベッドの上の女の身体は細くて、軽くて、柔らかくて、握った腕に少し力を加えれば折れてしまいそうで、その気になれば片手でだって首を捻って殺せてしまうであろう自分のフィジカルの凶悪さを夏彦は初めて自覚した。
     この日以来、夏彦が二度目のセックスを持ちかけることも、彼女から誘いを受けることもなかった。

     それから数日後、家の脱衣所で秋斗にかちあった夏彦は、思わず手に持っていたタオルを取り落としてしまった。風呂上がりの秋斗はまだ上に何も着ておらず、その肉体を夏彦の目の前に晒していた。狭い肩幅に薄い胸板、細い腰。裸の秋斗なんて見慣れているはずなのに、記憶よりもずっと華奢に見えた身体に夏彦は動揺を隠せなかった。肉体は鍛えられてはいるが、その骨格にいくら筋肉をつけたところで大した力は出ないだろう。
     夏彦の無遠慮な視線に、「なんや」と秋斗から抗議の目を向けられ、夏彦は落としたタオルを拾って脱衣所の扉を乱暴に閉めた。
     秋斗だって日々成長はしているはずだが、体格の差が広がるにつれ、秋斗が縮んでいくかのように錯覚してしまう。今日見た秋斗の身体は今までで一番小さく、そして頼りなく見えた。

    ──あんな身体で野球なんかできるわけないやろ。

     ドクドクと鼓動が夏彦の胸を叩く。夏彦は秋斗から野球を取り上げなければならない。これは夏彦に与えられた使命だった。

    「今日また打たれたらしいな。しょっぼ。野球やめた方がええで」
    「野球にこだわる必要ある? どうせプロになられへんのやから別のスポーツしたら?」
    「なあ、もう野球やめろや。俺がプロになって稼ぐから兄貴はやらんでええやん」

     しかし、何度伝えても、どう伝えても、全く聞き入れる様子のない秋斗に、夏彦は次第に焦燥を隠せなくなった。そして秋斗はうんざりといった様子で夏彦を避けるようになり、兄弟仲はかつてないほど険悪になっていく。
     痺れを切らした夏彦は手段を切り変えることにした。口で言っても解らないなら、その身を以て知ってもらわねばならない。
     夏彦は今日をその決行の日とした。



     物の管理がガサツな夏彦とは異なり、秋斗は潔癖気味で、汗で汚れた練習着やタオルは専用の袋に入れて家に持ち帰ってくる。部屋に居座る夏彦に構わず、バッグから取り出した水筒や洗濯物を持って階下へ向かおうとする秋斗を後ろから腕ごと強く抱き込んだ。手に持っていたものを取り落とした秋斗は、軽く身を捩って「おい、なんやねん」と夏彦に文句を言う。
    「振り解けんやろ、チビやねんから」
    「はあ?」
     夜ごとのベッドの中で繰り返した想像の通り、秋斗の身体は夏彦の腕の中で過不足なくすっぽりとおさまった。きつく巻きつけた夏彦の腕に、練習終わりの冷めきらぬ熱と、鍛えられた筋肉の弾力を感じる。この間抱いた女のすぐ壊れてしまいそうな弱い身体ではない、これこそが自分の腕の中にあるべき身体だと夏彦は思った。
     秋斗は身を軽くよじるだけで、大きな抵抗を示さないことに気をよくした夏彦は目の前の秋斗の髪に鼻先を埋めた。すんと嗅ぐと、制汗剤で隠しきれない秋斗の汗と頭皮の匂いに、夏彦が無意識のうちに求めていた何かが満たされるような気がした。
    「きっしょいねん」
     秋斗はそう言うと下を向いて反動をつけ、夏彦の顔面へ頭突きを喰らわせた。
    「いったッ」
     避ける間もなく正面から打撃を受けた夏彦の腕が緩んだ隙を突き、秋斗はさらに夏彦に肘を打ちつけた。鼻と脇腹の強い痛みのなか身体を捻られ、夏彦は秋斗に巻きつけた腕を離してしまった。
    「お前最近言うてることおかしいで。プロでも180超えへん選手はおるやろ。図体ばっかデカなって脳に養分いっとらんのちゃうか?」
     強烈な痛みに顔を顰める夏彦に秋斗は冷ややかな目を向ける。
    「俺を煽りたいんならもっと他に言えることあるやろ。抑え込んでどうすんねん。プロレスしたいんなら他所でやっとけや」
     秋斗が吐き捨てるようにそう言うと床に落としたものを拾い集める。
     返す言葉が見つからない夏彦は、痛みで感覚の鈍った鼻を抑えながらその場に立ち尽くす。鼻の奥からつぅと垂れてきたそれを拭うと夏彦の手の甲が赤く濡れた。その様子を見た秋斗はため息をひとつ溢し、机の上のティッシュを夏彦に差し出した。その顔には呆れと憐れみの表情を浮かんでいた。

    ──違う、こんな顔を見たかったんやない。

     手で拭いきれない血が口から顎を伝ってゆく。
    「受け取れや。垂れるやろ」
     鼻を抑えた指の隙間から漏れた一滴が床を汚した。秋斗は「言うたやん」と不機嫌そうにそれを拭きとろうとする。
     その瞬間、突如として湧いた怒りの感情が夏彦の胸の内を燃やした。

    ──なかったことにされてたまるか。

     夏彦は床に屈みかけた秋斗の腕を掴んで立たせて、血に濡れた手で秋斗を思い切り突き飛ばした。ベッドの上に倒れた秋斗は咄嗟に受け身を取りきれず、ベッドに面した壁に頭を強く打ちつけた。
     痛みにうめきを上げる秋斗に大股で近づき、身構えようとしたその身体をひっくり返して背中を押さえつけた。潰れた胸が苦しいのか、咳き込んだ秋斗は両手でマットレスを押して夏彦から逃れようとする。夏彦は背中を押した手はそのままに、秋斗の上にのしかかり体重をかけると秋斗は身動きが取れなくなった。
     ぼたぼたと落ちる血が秋斗の背中を、襟足を汚していく。
     拭き取られたくない。一滴残らず染み込ませてやりたい。
     夏彦の中に芽生えた欲望はさらに歪に形を変える。
     横を向いた秋斗の頭をベッドに押しつけ、もう一方の手を秋斗の腰に回して持ち上げる。服の上から秋斗の臀部に股間を押し付け、夏彦は前後に腰を振った。
     状況を飲み込めずにしばし固まっていた秋斗だったが、夏彦の行為が意味することを汲み取ったのか、屈辱に顔を赤らめた秋斗は先ほどよりも強く身体を捩って逃れようとした。
    「ふっざけんな!」
     秋斗の抵抗が強まるほどに血が落ちる早さが増し、秋斗の銀色の髪が赤く染まってゆく。力の差は笑ってしまうほどに歴然だった。
     いつの間にか固くなっていた中心の存在を教えるように秋斗の尻の間に押し付けると、秋斗は驚きに目を見開いた。ただ擦り付けているだけなのに、女とのセックスとは比較にならない快感に夏彦は身震いした。

    「なあ兄貴、野球辞めろや」

     秋斗の白い頬にぽたりと一滴、血が落ちる。頭を抑えていた手を外し、親指でそれを塗り広げると秋斗の頬が毒々しく色づく。
     さっきまでの激しい抵抗が嘘のように大人しくなった秋斗の身体は小刻みに震えている。夏彦に向けられた秋斗の目に浮かぶ色に夏彦は悦びの笑みを浮かべた。

    ──やっと伝わった。

     夏彦は唇を秋斗の口に寄せ、歪な愛情の味を分け合った。
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