1100円の笑顔をどうぞあなたにあー……最悪。
本日何度目かのため息をつく。

時刻は十九時半、ベンチャー企業勤務にあるまじき早上がり。
トボトボと帰路につく。
せっかくのかわいいダイアナのヒールも、今日は柔い音でしかコンクリートを蹴らない。
星でも見上げてため息をつきたいけれど渋谷の空は超明るいから見えるのは月くらいだ。ギラギラとした照明が眩しい。
早上がりのワケも、ため息のワケも、どちらも同じだ。
今日は散々だった。仕事で大ポカをやらかした。

ベンチャー企業の広報として、新卒で入社してから一年とちょっと。少しずつ裁量を任される案件が増えてきた。活躍したいって熱意だけはあって、それでなんとかこなしてきた。
けど、今日はこなせなかった。
最悪なことをやってしまった。

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“折笠总裁，您的咖啡。”
秘书双手端上仍烫口的美式黑咖啡，轻轻往折笠千斗坐的方向推了半截手掌的距离。气温逐渐升高的春末，每天坐在柔软的旋转椅和微冷的空调中间，别说一般工位上的员工了，就连他这个坐在宽敞办公室里的大老板，也没法抑制冲上脑袋和眼皮的困意。
“总裁，请允许我冒昧问一下……您最近是不是有点精神不好？以前的您可不会这么频繁地要泡咖啡的。”
“……少管闲事，”在秘书接着猜测困倦原因之前，折笠千斗先一句话打断了他，“说起来，咱们的资金周转怎么样？还在盈利状态吗？”
秘书翻开财务报表，如实告诉了就算喝下一口咖啡眼皮还在打架的折笠总裁。
“其实……我下一步有投资游戏公司的打算。关于投资方案，我会和另外一个助手完成，并且在未来一个月之内可以召集董事会商讨这件事。既然资金周转还可以的话，我接下来抽时间把我的投资方案再完善一下，再麻烦你替我完成一些基础工作了。”