世界木3 自ギルド プリとポニシノとショ 休日2 南の島の街には1本の巨木が生えている。街のどこからでも見える山のような木だ。夕暮れ時、赤く照らされたその木を眺めながら歩く2人がいた。
1人は金髪を長く伸ばした目麗しい青年、もう1人は金髪を高く結った少年だ。シャツ姿の青年はゆっくり歩き、それをTシャツ短パンゴム草履の少年が追い抜かしたり側へ戻ったりしている。金の髪が風にそよぐ。
図書館から宿までの帰り道である。青年は本を読むのが趣味なので、休みの日は決まって図書館へいく。少年は今日たまたま付いて行ったのだ。
人はほとんどいない通りには時おり、料理の匂いが漂う。もうじき夕飯時なのだろう。2人には馴染みのない、話に聞くだけのどこかの世間の話だった。
12961