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    kyk_kokage

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    kyk_kokage

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    ロアゲタ前提のつもりで書いておりますが、ゲッタちゃんは出ないし、オリジナルのドローンがずっとぶつくさやってるだけのものです。
    一応成長した設定で書きましたが、その設定はちっとも活かされてないですね……

    #ロアゲタ
    roargeta

    とあるドローンの記録わたくし、家事代行サービス専用のドローンでございます。
    守秘義務がございますので、他言したことはございませんが、かの人気ロックバンド、ロアロミンのボーカル、霧島ロア様のお宅を担当させていただいているのが、わたくしの密かな誇りであります。まだ半年ではございますが、お気にそぐわなければ担当変更を申し出されているかと思いますので、まずまずご期待に添えているのではないかと自負させていただいております。
    先日、ロアロミンは結成10周年を迎えられ、人気が衰えるどころかうなぎ上りで、特に霧島ロア様はバンド活動だけでなく、モデルや俳優業にも精を出され、日々忙しくしてらっしゃいます。そんな霧島様のご活躍を目にするたび、わたくしにできるのはほんの些細なことではございますが、僅かばかりの支えができているのではないかと、喜びを感じる次第にございます。

    さて、そんなことを考えながらお掃除を進めておりましたら、玄関の鍵が開く音が致しました。一人暮らしの霧島様のお宅の鍵を開けられるのは、霧島様ご本人か、バンドメンバーで懇意になさっている平月太様だけです。マネージャーの方ですら、有事の際の為、鍵を開けること自体はできるものの、普段は霧島様の許可なく入ることは許されていないと以前伺いましたので、やはり平様は幼馴染みということもあり、霧島様の心許せる方なのでしょう。

    「いつもご苦労さま」
    「お帰りなさいませ」

    入ってこられたのは霧島様でした。お忙しい方ですので、お目にかかる機会は多くはないのですが、たまにお会いすると、こうして必ず労いの言葉をかけていただきます。また、お目にかかった機会は少ないとはいえ、いつお会いしても世間一般のイメージする霧島ロアそのもので、"ロア様"のイメージが崩れたことは一度もございません。

    「御中元がいくつか届いておりましたので、お名前とお品物をリストにしておきました。また、冷蔵保存が必要な物は冷蔵庫に入れてありますが、他の物はいかが致しましょう? 日持ちのする物だけでも食料保管棚に入れておきましょうか?」
    「いや、オレ様は食べないし、事務所に持っていってマネージャーやスタッフに分けてもらうから、そのまま置いといて」
    「かしこまりました」

    霧島様は体型維持の為、食事制限をなさっているので、脂質や糖質が多いこのような贈り物を避けられているのは頷けます。しかし……

    「あの、差し出がましいことではごさいますが、よくいらっしゃる平様は、お召し上がりになられるのでは?」

    熨斗の巻かれた箱を開けるたびに、平様が召し上がる笑顔を思い浮かべてしまっていたわたくしは、ついそう申し上げてしまった。
    すると、霧島様は、

    「そりゃ、ゲッタちゃんにあげれば食べるだろうけど……ここに来たときくらい、オレ様の作った物や、オレ様が選んだ物以外、食べてほしくないんだよね」

    そう、仰られて、微笑んだ。
    それが、なぜかいつもの霧島様らしくないように見えて、慌てて謝罪を申し上げたのだが、

    「いくら見た目で売ってないとはいえ、ロックバンドのドラマーらしくならない程度であってほしいって、オレ様が勝手に思ってるだけ」

    そう仰られたときには、いつもの霧島様で、先程の微笑みは、わたくしの勘違いだったのかもしれません。
    どうであれ、お客様にご意見申し上げる等、家事代行サービス専用ドローンとして出過ぎた行いでございました。高性能AIがアダになることもあるのですね。
    戒めとして、本日のことは記録データに残しておきましょう。また、わたくしが故障して新たなドローンに変わるとき、このデータを引き継げるように。
    二度と同じ過ちを犯さないことも、プロフェッショナルとして当然のことでございますから。
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    kyk_kokage

    DONEロアゲタ。

    【ご一読下さい】

    ゴーハ市の治安が悪いです。
    死んでるモブとか出てきます。
    ロア様とゲッタちゃんが法に触れる行動をとります。
    後味が悪いかもしれません。
    (逆にそういった作品が好きな方にはぬるく感じられるかも……)
    でもこんなロアゲタが好きな方もいらっしゃるかもしれない、いらっしゃるといいな。
    お楽しみいただけますと幸いです!
    毒を喰らわば皿まで7月30日、AM4時。

    夏とはいえまだ暗い早朝、平月太の自室で携帯端末の呼び出し音が鳴り響いた。

    「ん〜……」

    月太は眠さで呻きながら、ベッドの上でもぞもぞと、端末に手を伸ばす。

    「……もしもし……?」
    『あ、ゲッタちゃん。おはよ。ちょっと手伝ってくんない?』
    「はぁ? 今、何時だと思ってんだよ……」

    早朝に似付かわしくない幼馴染の明るい声に、月太は寝起きで呂律が回らないまま答える。

    『朝の4時。とりあえず、オレ様の言う通りに動いて』
    「何言ってんだよ……4時って」
    『ゲッタちゃん。あんまり時間ないから、早く。でも慎重に』

    いつになく真剣味のある声に、月太は「……わかった」と応じて、起き上がった。





    両親を起こさないよう、そっと身支度を整えると、月太は改めてロアに電話をかけ、指示を仰いだ。
    10218

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    69asuna18

    DONEブ!ソウスズ
    捏造転生のお話
    【指につながるその先は】の続き。
    赤い糸を信じてた家の蔵の中にあった古い医学書の間から、ひらひらと落ちてきた手紙には。流れるような美しい文字で、まるで恋文のような内容が書かれていて。その宛名にソウゲンは驚き目を見開いた。同時に、今の自分が経験したことの無い、あるはずもない記憶が頭の中へ浮かんできて思わずその場へ崩れ落ちた。ドンと膝をつく。青痣が出来るかもしれないと、膝を撫でながら。流れ込んだ記憶に意識を戻し、なんだったんだと、手紙の文字へ指を這わす。宛名には自分の名前が書かれていた。

    『もう、共に過ごす事は叶わないけど、いつでもあなたの事を思って祈るよ。いつかまたどこかで会えるように。』

    その言葉に、あふれ出した記憶はより鮮明になる。ソウゲンという名から、山南敬助として生きるようになった日の事。そこで出会った最愛の人と自分の最後の事。そういえば、幼少の頃に祖父の葬式に来たお坊さんの袈裟を掴んで離さなかったと母に笑われたな、と。記憶の片隅で彼を思っていたからなんだろうと今なら理解できる。すべてが繋がり、非科学的な事が大嫌いなはずの自分が、江戸時代から生まれ変わった人間なのだと根拠もないのに、納得したのは高校に入る直前だった。
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