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    kyk_kokage

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    ロアゲタ。
    2021年9月12日開催のオンラインイベントのワンドロライ企画に参加させてもらったものです。
    読んでくださった方、いいね・リツイートしてくださった方、ありがとうございました。
    イベント、本当に楽しかったです。
    参加者様、主催様、本当にありがとうございました!

    #ロアゲタ
    roargeta

    放課後“放課後、オレ様の家に集合”

    学校から帰る仕度が終わって端末を開くと、そんな素っ気ないメッセージが入っていた。
    送信時間は五分前。つまり、送った時点でもう放課後だ。しかも、時間ある?とか、そういう前置きもなく、まるで決定事項みたいに。それぞれ都合ってもんがあるんだぞ。
    あいつはいつもそうだ。まぁ、今日はたまたま予定もないし、やることが無いわけではないけど、それもロアロミンに関わることだし、あいつがいるところでやった方が効率がいい。
    ため息をつきながら、“わかった”とだけ返事を返した。








    「ゲッタちゃん、お疲れ様」

    おう、とだけ言って、ロアの向かい側のソファに座る。

    「さっそくなんだけどさぁ」
    「え? ロミンとウシロウは待たなくていいのか?」

    そう訊くと、ロアはきょとんと首を傾げた。

    「なんで? 二人は呼んでないし……っていうか、二人にだって都合ってもんがあるんだし、そんな急に呼びつけたりしないよ」
    「オ、レ、は、い、い、の、か、よ!」

    ムカついたので、一文字一文字、強く区切って言ってやった。

    「ゲッタちゃんは来たじゃん」

    ロアは動じずにしれっと言う。

    「お、ま、え、なぁ〜〜〜! オレのこと、呼んだらすぐに来る飼い犬みたいに思ってんだろ!」
    「まさか。ゲッタちゃんのこと、犬だとも子分ともしもべだとも思ったことないよ。そんなことよりさぁ……」
    「そんなこと、って、おまえ……!」

    さらに文句を言ってやろうとしたところに、目の前に端末を差し出されて遮られた。

    「なんだぁ……? ロアロミンの動画のコメント欄? あ、これって……」
    「そう、この前ちょっと言ったけど、軽い荒らしみたいな書き込み。さらに増えてるんだよね」
    「全体に向けて注意するていでコメント出したって言ってたけど、効かなかったってことか?」
    「うーん、っていうより、自覚ないみたい? ちょっと愛情表現の仕方を間違えちゃってるお姫様なんだと思う」
    「……なんか、面倒だな……実害ないならほっぽっとくか?」

    そう提案すると、ロアはオレの手から端末を取り上げて、なにか操作しはじめた。

    「まだ実害までは至ってないんだけど……アンチの人たちが、この荒らしに気付いたっぽいんだよね」

    ロアからまた、端末が差し出された。そこには、『ロアロミン、なんか荒れてんぞwww』等の書き込みが。

    「これに乗じて『ロアロミンのファンは民度が低い』とか『やっぱり小学生は荒らし一つ抑えられない』みたいな方向性に持ってきたいらしい。そういうの、お姫様たちが見たら傷つくじゃん? オレ様、そういうの許せないんだよね」

    端末から顔を上げると、いつになく真剣なロアと目が合った。
    自分勝手で、まわりを振り回して、それですれ違うこともあるけど、本当は仲間思いで、ファン思いなやつなんだよな、こいつは。

    「分かった。それで、オレは何をすればいいんだ?」

    そう言ってやると、ロアはなにか楽しいことを始めるときみたいに笑った。

    「さすがゲッタちゃん。匿名で無責任な発言するやつらに、その方がよっぽど幼くてカッコ悪いんだってこと、思い知らせてやろうぜ」
    「よし。じゃあ、インターネットでの匿名の書き込みっていうのは、別に安全圏って訳じゃないんだってこと、そいつらに教えてやるか」
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    kyk_kokage

    DONEロアゲタ。

    【ご一読下さい】

    ゴーハ市の治安が悪いです。
    死んでるモブとか出てきます。
    ロア様とゲッタちゃんが法に触れる行動をとります。
    後味が悪いかもしれません。
    (逆にそういった作品が好きな方にはぬるく感じられるかも……)
    でもこんなロアゲタが好きな方もいらっしゃるかもしれない、いらっしゃるといいな。
    お楽しみいただけますと幸いです!
    毒を喰らわば皿まで7月30日、AM4時。

    夏とはいえまだ暗い早朝、平月太の自室で携帯端末の呼び出し音が鳴り響いた。

    「ん〜……」

    月太は眠さで呻きながら、ベッドの上でもぞもぞと、端末に手を伸ばす。

    「……もしもし……?」
    『あ、ゲッタちゃん。おはよ。ちょっと手伝ってくんない?』
    「はぁ? 今、何時だと思ってんだよ……」

    早朝に似付かわしくない幼馴染の明るい声に、月太は寝起きで呂律が回らないまま答える。

    『朝の4時。とりあえず、オレ様の言う通りに動いて』
    「何言ってんだよ……4時って」
    『ゲッタちゃん。あんまり時間ないから、早く。でも慎重に』

    いつになく真剣味のある声に、月太は「……わかった」と応じて、起き上がった。





    両親を起こさないよう、そっと身支度を整えると、月太は改めてロアに電話をかけ、指示を仰いだ。
    10218

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    69asuna18

    DONEブ!ソウスズ
    捏造転生のお話
    【指につながるその先は】の続き。
    赤い糸を信じてた家の蔵の中にあった古い医学書の間から、ひらひらと落ちてきた手紙には。流れるような美しい文字で、まるで恋文のような内容が書かれていて。その宛名にソウゲンは驚き目を見開いた。同時に、今の自分が経験したことの無い、あるはずもない記憶が頭の中へ浮かんできて思わずその場へ崩れ落ちた。ドンと膝をつく。青痣が出来るかもしれないと、膝を撫でながら。流れ込んだ記憶に意識を戻し、なんだったんだと、手紙の文字へ指を這わす。宛名には自分の名前が書かれていた。

    『もう、共に過ごす事は叶わないけど、いつでもあなたの事を思って祈るよ。いつかまたどこかで会えるように。』

    その言葉に、あふれ出した記憶はより鮮明になる。ソウゲンという名から、山南敬助として生きるようになった日の事。そこで出会った最愛の人と自分の最後の事。そういえば、幼少の頃に祖父の葬式に来たお坊さんの袈裟を掴んで離さなかったと母に笑われたな、と。記憶の片隅で彼を思っていたからなんだろうと今なら理解できる。すべてが繋がり、非科学的な事が大嫌いなはずの自分が、江戸時代から生まれ変わった人間なのだと根拠もないのに、納得したのは高校に入る直前だった。
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